表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1444/1458

落石攻撃の使い勝手と新地層への到達!

 宝石商の攻撃手段は、以下の二つだった。

 魔石加工による使い捨て魔石。

 岩を頭上から落とす質量攻撃。


 どちらも強力だが、使える状況が限られる。


 使い捨て魔石は弾数が限られる。

 岩落としは強力だが回転が悪く、真下の敵しか狙えない。


 このスキルでは一人でダンジョン攻略するのは難しそうだ。


 岩を二つ用意して交互に落とす作戦は悪くないアプローチだ。

 しかし、この方法だけで無双する、とはいかないようだ。


 当たり前だが、敵は準備が終わるまで待ってくれない。

 こうしている間にも次々とモンスターが現れている。


 横穴から虫が這い出てきて、落とした岩にたかりはじめた。

 それを見て、リンが残念そうな声を上げる。


「ああっ!

 二つ目の岩にも虫さんが……!」

「攻撃と岩の回収をテンポよくやらないとな。

 リン、虫を退治してくれ!」


「はーい。

 ファイアボール!」

「なぎ払えーっス!」


 放たれた炎が火炎放射のように岩に集まる虫型モンスターを一掃する。

 横穴の奥にモンスターがいても、一緒に蹴散らせただろう。


 俺はリンに声をかけつつ、上から穴へ空気を送る。


「リン、いいぞ。

 宝石商、岩を回収してくれ」


「ふふ。

 お役に立ててよかったです!」


 そう言ってリンがうれしそうに微笑む。

 閉所で火が使えない心配がなくなれば、逆に火は強みだ。

 虫系モンスターにも火はよく効く。


 宝石商は慌てた様子で岩を収納する。


「は、はい。

 ありがとうございます!」

「お、二つとも収納できるのか。

 容量が足りるのか?」


「材料に使った石のぶん、容量に余裕ができたので……ハイ」

「そういうことか。

 容量をあけておけば、いくつか岩を運べるかもな」


「そ、そうですね」


 宝石商は気が進まない顔だ。

 他の石を収納に入れておきたいんだろうな。


 まあ、本人がそうしたいなら無理強いはできない。

 他人のスキルの使い方にあまり口出しはしない主義だ。


 最適な行動があるとしても、人はその通りには動けない。

 趣味嗜好に走ったり、怠けたりしてしまう。

 たとえ効率が良くても、やりたくないことはできないのだ。


 採掘を再開すると、ほどなく硬い地層が現れた。

 四十メートル地点に到達したということだ。


「おっ?

 黒いブロックが出てきたぞ!」

「こ、黒曜石(こくようせき)のブロックです。

 硬いので、何度も叩かないと壊れません……ハイ」


 確かに、分身のクナイスコップは硬いブロックを砕けていない。

 かきんと音を立てクナイが弾かれている。


 何度か続ければ破壊できるというなら、続けよう。

 くり返すのは判断分身の得意分野だ。


 トウコが勢い込んで言う。


「てことは!

 この先のボスがいるんスね!」

「しっかり準備して挑みましょう!

 お食事休憩にしますかー?」


 リンが俺を見る。

 俺はうなずいた。


「そうだな。

 休憩しながら、作戦会議をしよう」


 さて、ミミズ型モンスターの対策を考えるぞ!

 どうやって戦おうかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
まるでドリラーの硬い岩だよねぇ(笑) あれは壊すと残留酸素量がかなり減るけど。 トウコの銃砲攻撃なら大した差にはならないのだろうけど。 「なぎ払え!」(大和ちゃんの艦砲一斉掃射かな?)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ