表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1419/1458

アレを見せ合えるなんて、ドキドキしますね!?

 宝石商からいろいろ話が聞けた。


 まずは広告屋との関係。

 あまり親しい間柄ではないが、以前から付き合いはあった。


 魔石を鑑定したり預かる役割を果たしていた。

 ホテル事件では、人に魔石を埋め込んだりもしている。


 石を保護する能力と、収納する能力があるらしい。


 重度のコミュ障である宝石商がなぜ広告屋に協力していたか。

 これは利益だ。

 貴重な石を貰うため、と考えられる。


 石に対する執着は相当のものだ。

 会話は不得手のようだが、石の話題では滑らかに口が動く。


 魔石の適性についても聞けた。

 これは人の適性を見ているのではない。

 石に合う人間が分かるらしい。


 大罪魔石と俺たちが呼んでいる石も持っている。

 強欲の魔石だ。

 過去には傲慢(ごうまん)怠惰(たいだ)を所持していた。

 これはもう使って手元にはない。


 魔石にはいろいろな種類があるらしい。

 大罪に関係する虚飾(きょしょく)復讐(ふくしゅう)などだ。

 他にも、炎や死といった大罪に関係ない魔石もあるそうだ。


 宝石商は魔石だけでなく、変わった石ならなんでも集めている。

 彼女は魔石を手放したがらないが、トレードには興味があるようだ。


 こちらからは熱水晶や輝水晶のような石素材や、ダンジョン産の魔石を出せる。

 悪性ダンジョン産の、もう手に入らないレア魔石もある。


「トレードするにしても、ここではできないな」


 魔石を取り出しても消えるだけだ。


「さっと出して、さっとしまえばいいんじゃないっスか?」

「うーん。

 それは無理だよ、トウコちゃん」


 俺はリンの言葉を補足する。


「収納するには念じてから三秒ほど待つ必要があるからな」


 方法を相談し始めた俺たちに、宝石商が割って入る。


「で、では私のダンジョンでどうですか!?

 すぐそこです!

 あ、石、持ってきてますよね!?」


 当然みたいに言うね。

 普段から石を持ち歩いている人は、かなり稀だと思うが……。


「魔石なら、少し収納にあるぞ」

「ではそれを!

 それを見せてください!」


 すごい食いつきだ。

 まだ石を見せてすらいないのに、見せたらどうなっちゃうんだ?


 そもそも、知らない人たちを自宅に招くのはどうなんだろう。

 俺は自分のアパートに人を入れたいと思わない。

 生活を乱されたくないんだよね。


 公儀隠密の拠点なら、その点は心配ないかな。

 こっちには別の問題があるけど。

 秘匿性(ひとくせい)が高い拠点だし、御庭に話を通してからになる。


 相手の家に行くなら、そういう心配はない。

 罠の可能性は低いだろう。


「リンとトウコはどう思う?」

「ゼンジさんが良ければ、いいと思います」

「いいっスよ、減るもんじゃなし!」


 渡したら減るけどな。

 まあ、複数持っている石なら問題ないだろう。


「よし、じゃあ受けよう。

 宝石商さんのダンジョンにも興味があるしな」

「あ、ありがとうございます!

 石を見せ合えるなんて……ドキドキします!」


 その感覚はちょっとわからない。

 コレクターあるあるなのか?


 御庭が忍者グッズを見せたがるのと似ているか。

 俺も作った忍具を見せるときはちょっとドキドキする。

 まあ、それならわからんでもないな。


 会計を済ませ、喫茶店を後にする。

 店員に変な客だと思われたかもしれないな。

 認識阻害の兆候はないようだし、問題ないだろう。


 ダンジョンなどの用語を聞かれたかもしれないが、ゲームや漫画の話だと思われたはずだ。


 俺たちは宝石商の自宅へ向かった。

ご意見ご感想お気軽に! 「リアクション」も励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
あとは攻略階層を聞いて、ダンジョン攻略に協力するとか? ダンジョンリンクできれば、色々と融通できるよね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ