第二職業の選択! 当然選ぶのはアレですね?
「じゃ、さっそく一狩り行きますか!」
「あ、行く前にちょっと準備してもいいですか? ちょっと遠出になるので……」
「ああ、もちろんどうぞ」
女子にはいろいろ準備があるからな。
パッと行けるもんでもない。
「もっと動きやすい服に着替えてきますね! ちょっと待っててください!」
「はい。じゃあ俺もこっちで準備しておきますね!」
オトナシさんは食器を片付けながら部屋へ戻っていく。
俺も準備をしよう。
服や装備じゃなくて、職業やスキルの準備だ。
「まずは……第二職業を選ぼう!」
レベルが10になると第二職業が選べる。
これを決めてしまいたい。
元の職業とは別に、新しい職業が追加となる。
古い職業は消えない。
転職じゃなくて、職が増えるんだね。
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<職業を選択してください>
・料理人
・奴隷
・掃除屋
・管理者
・戦士
・中級忍者
・スラッガー
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「当然、選ぶのは中級忍者だ!」
迷うことなく、ここは一択だ!
俺は忍者一本でいく!
いまさら忍者以外に行く気はないね!
ウィンドウを操作して確定させる。
ステータスウィンドウの職業欄が変化する。
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職業 : 忍者、中級忍者(NEW)
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「お、中級忍者が追加されたな。あれ……? 普通の忍者……これまでの忍者はそのまま残ってる。置き換わるわけじゃないんだな」
いわゆる上位互換への昇格とは違うようだ。
元の職業はそのまま。
そのうえで、新しい職業が追加された。
同じ忍者でも、中級忍者は違う職業なのかな?
忍者にできて中級忍者にできないことはないような気はするが……。
ちょっとわかりにくいなあ、これ。
中級って言うのは等級……ランクだよね。
役職みたいなもんだ。
つまり会社員で言ったら「課長」とか「部長」ってことだ。
それって職業じゃない。仕事の範囲、権限の違いだ。
違和感があるけど。
でも、役割が違うんだから別の種類と言える。
ただ偉さが違うだけじゃないからな。
「オトナシさんの場合は魔法使いとモデルだよな。これはあんまり違和感がない。全然別の職業だからか」
そういう意味では、分かりやすさの違いだけだな。
忍者と中級忍者は別の職業だと考えればいいか。
例えば俺が魔法忍者になりたいとする。
選択肢に魔法使いがあって、選んだ場合は「忍者」「魔法使い」の二つの職業になる。
「魔法忍者」に統合されたり昇格されるわけじゃない。
そういう考え方だったら、わかる。
「うん。納得いった! 俺は忍者であり中級忍者である! じゃ、中級忍者って何が変わるんだ?」
<職業により、ステータスが変動しました>
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名前 : クロウ ゼンジ
レベル: 10
筋力 : C
体力 : B
敏捷 : B+(上昇)
知力 : C
魔力 : C
生命力: C
職業 : 忍者、中級忍者(NEW)
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「あれ!? ……B+? Aにならないのか。しかも敏捷だけ?」
ステータスは上がった。
しかし、思ったより上がらないな。
最初に忍者を取ったときは敏捷と体力が一段階上がった。CからBになった。
今回も同様に二つのステータスがAになるのかと思っていたが……。
「これ……ステータスは上がりにくい仕様なのか……。渋くない!?」
体を動かしてみると、動きが軽く素早くなっている。
だが、その上昇幅は最初にステータスを得たときよりは小さい。
それでもしっかりと恩恵はあって、これまでより素早く動けそうだ。
「最初だけオマケがあるのかな? 同系統のステータスを伸ばすのはハードルが高いのか?」
第二職業があるということは、第三、第四もあるのかもしれない。
最初と同じペースでいけばAより上に行ってしまう。
Aの上ってあるんだろうか。Sかな。
二段階目で中級忍者なんだから、少なくとも三段階の上級忍者はあるだろう。
もちろん、取れるようになったら選ぶのは忍者系にするつもりだ。
「忍者一択の俺には他の選択なんてない! ステータスはこれでよし!」
他の職業、敏捷と体力以外のステータスに影響する職業を取れば、そのステータスがBになるのだとは思う。
でも俺は忍者一択で行くのだ。
より高いステータスに上げるのは難しいものだと考えるしかない。
忍びの道は厳しいのである!
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