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特化スキルの再検討! と思ったけどクラフト! 【装備】【忍者刀】

 朝ごはんタイムにはまだ少し時間がある。

 スキル振りをしよう。


 ダンジョン外ではスキルレベル3以上あると使えるはずだ。

 外にも危険があるとわかった以上は、備えておかなければいけない。


 今スキルレベル3なのは……【分身の術】と【忍具作成】だ。


 【忍具作成】を外で使ったらどうなるのか……外で物理法則を無視しているような行為――クラフトができるのか?

 ダンジョン内からダンジョン産のアイテムを持ち出すことはできない。


 フィルタやファイアウォールのような仕組みが働いているのではないかと予想している。

 つまり、現実世界にとっての禁止品なんだ。


 それに多分、外で【忍具作成】はできないだろう。

 魔石を持ち出せないから、素材がなくて無理なんだ。


「でも、忍具作成を上げたい気もする。というのも、新武器を作るためだ。ルーシー(バット)にかわるメインウェポンを作りたい!」


 素材の鉄鉱石は充分にある。糸や木もある。魔石は潤沢だ。

 これだけあれば、スキルレベル3でも忍者刀は作れる気がする!


「うーむ。作っちゃうか! もし作れるなら4に上げるのは後でいいしな!」


 そうしよう。

 予定変更! スキルは後にしてクラフトする!


「よし! ついに忍者刀を作るぞ!」


 忍具作成台に素材を並べていく。

 集めてきた鉄鉱石。大量の魔石。松明を数本、布や糸。

 そして、オトナシさんの部屋から回収してきた金属バット(ルーシー)の残骸。


「アルミやウレタンが刀の足しになるかはわからないが……こういうのは気持ちだよね!」


 ルーシーの、相棒の魂が宿った忍者刀になるはずだ。

 効果はさておいて、愛着は宿るさ!



 さて、どんな忍者刀にするか。


 一般的に忍者刀は、いろんなギミックが搭載されている。


 (さや)が吹き矢になっていたり、毒霧を噴霧(ふんむ)できたりする。

 柄頭にも刃物を付けて、両側を刃物にしたり。


 (つば)を大きめにして、そこを踏み台に塀を乗り越える術もある。

 乗り越えたら、長めの下緒(さげお)を使って残した刀を上から回収できる。


 でも、俺には【壁走りの術】がある。【軽業】もある。

 高いところに登るのはスキルでできる。


 長い下緒(さげお)は色々な使い道がある。

 そもそも下緒は刀を腰に吊るためのものだった。

 手から抜けないように巻いたり、盗難防止に使ったりもする。


 だが、俺は背負って使うので、下緒は重要ではない。


 下げ緒を使った技は他にもある。

 鞘と下げ緒を使って暗闇で敵を探知する座探りの術という技だ。


 暗闇の中、前に刀を突きだして鞘を先端に引っ掛けて下緒を口にくわえて支える。

 鞘が敵に当たれば感覚があり、敵も反応する。

 その位置に向けて刀で攻撃するというわけだ。


 しかし、俺には【暗視】があるのでそんな手間は要らない。

 普通に見えるからね。


 他にも、下緒の長さを利用して捕縛に使ったり、いろいろと使い道はある。

 だけど、それは鎖分銅があるので要らない。



 鞘についても、もともと愛用していたコウモリ革のバットケースを流用する。


 背中に刀を差す場合、長さのために抜くことができなくなる。

 バットの場合と同じで、スリットを入れておけばいい。

 刀の鞘なのでコウモリ革では強度が足りないため、木材と鉄で補強する。

 そして、変移抜刀用に、左右どちらからでも抜けるようにしておく。


 スリットがあると、腰に差して抜き打つ動きはしにくいかもしれない。

 でも俺は居合抜きのように手を添えて「鞘走らせる」ことはないから問題ない。


 そもそも、鞘に押し付けて摩擦を与えると抜刀は遅くなるし、鞘も刀も傷む。

 漫画的な技術であるらしい。

 スキルで【居合】とか【抜刀術】なんてのがあれば多分、そういう漫画技も実現可能だろう。

 俺の場合は、今は要らない。

 剣客ロマンを感じるので、やってみたい気持ちはあるけれど。


 鞘で打撃、刀で斬撃の変形二刀流ってのもありだよね。今回は見送るけど。



 というわけで、一般的な忍者刀のギミックは俺には不要だ。

 俺向けにカスタマイズした理想の忍者刀を作る!


 忍者刀も日本刀なので、作成にはいろいろな工程やパーツが必要になる。

 動画やネットで調べてみたが、奥が深すぎる。

 そういう部分はスキルに頼ってしまおう!



「さて、頼むぜ忍具作成君! お前が頼りだ!」


 【忍具作成】にイメージを伝える。


 作るのは忍者刀。

 全長八十センチ。これはバットやバールとほぼ同じ。

 重さは一キロ少々程度。バットより重く、バールより軽い。

 直刀で、反りは少ない。

 峰を分厚くする。これはナタのように打撃と切断の両面武器にするためだ。

 バットを継承して、打撃武器として使うためである!


 ――【忍具作成】が発動する。


 素材に光が集まっていく。

 ルーシーの残骸も余さず、光に包まれる。


 忍具作成台の上に、新たな武器が誕生する。


「おお! やったぞ! バット忍者刀(にんじゃとう)の完成だ!」



 続けてコウモリ革(バット)のバットケースをベースに、鞘を刀向けに作り替える。


 イメージは先ほど考えた通り。

 背中に背負って刀が抜けるよう上側をスリットとする。


 これも完成!


「よーし! コウモリ革(バット)の変移抜刀(バットー)鞘だ!」


 これが俺のメインウエポンになる。

 切ってヨシ、突いてヨシ、殴ってヨシ!


 ついに、三拍子そろったオリジナル忍者刀の完成だ!

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