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【新章開始】社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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まずはお友達から始めましょう! 調理器具は試作品で!

 クローゼットダンジョンの拠点。

 いくつか、調理器具を使った防具を作った。


 安物の鍋やフライパン、まな板……。


 こう言ってはなんだが調理器具は防具(ぼうぐ)ではない。

 いや、言うまでもないけどね。


 防具ではないが、忍具(にんぐ)ではある。

 これは言うまでもないことだな。


 なにしろ、俺の世を忍ぶ仮の姿は飲食店の雇われ店長……もとい名誉管理職(マネージャー)だ。


 調理器具を操るキッチン業務もお手のもの。

 古来から忍者はこうして市井(しせい)の人々に混じって……。


 忍具作成君から異議は出なかった。

 ばっちり調教……じゃなくて、友好関係を深めてきたおかげだ。

 みなまで言わずとも、すぐにわかってくれる。

 さすが心の友だよね!


 そうして作り上げた試作品を装備品展示ラックに並べる。

 俺はその前でひとり、腕を組み、首をひねって(つぶや)く。


「うーん。

 試作品とはいえ、どうにもダサいんだよなぁ……」


 見た目、重さ、耐久度。

 どれも今一つ。

 実用品には程遠い。


 しかしそれでいい。

 今はまだ、ね。


 これはまだ完成品ではない。

 モックアップ(外観模型)であり、たたき台であり、ハリボテ品である。


 最初から本格的な武具を作らないのには意味がある。

 いきなりガチ装備を作ると、調理器具とみなされないおそれがあるからだ。


 リンは【調理器具】を取得したばかり。

 まだ使い勝手が分かっていないし、馴染んでいない。


 リンと【調理器具】は出会ったばかりの他人状態だ。

 俺と忍具作成君ようなマブダチ状態ではない。


 いきなりガチ武具を見せて、これが調理器具だ!

 早くスキルを発動しろよ!

 なんて言ってもびっくりしてしまうだろう。


 そんな無茶振りは通らない。

 馴れ馴れしい奴だと思われて、そっぽを向かれてしまう。


 今は、そんな可能性を減らすためのステップ。

 慣らしの段階だ。


 だからあえてダサい品を作っている。

 調理器具らしさを残した、防具っぽいもの。


 それが今ここに並ぶ試作品である。

 完璧な作戦だぜ。


 これをリンに試してもらう。

 そして、調理器具として認識させるのだ!



 リンが転送門から入ってくる。


「ただいま戻りましたー。

 少し課題が長引いてしまって……」


 世界的に蔓延(まんえん)している伝染病対策で在宅授業が続いている。

 ダンジョンがあっても学業はおろそかにできない。

 トウコもいやいや学校へ通っている。


「おかえり、リン。

 じゃあさっそくだが、この試作品を見てくれ!」


 俺は一品目を展示台から取り上げ、持ち上げる。

 ずしりと重い!


 それをリンに見せながら続ける。


「まずは本命から。

 中華鍋(ちゅうかなべ)の大盾だ」

「わあ、大きいですねー!」


 重くてデカい、重量級の大鍋である!

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― 新着の感想 ―
子供の頃にやったことがある人いるかもですが、ヘルメットがわりに鍋を頭にかぶってみたり(笑) 時代劇風コメディの鍋蓋盾とか。
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