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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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避難誘導は非常出口で!?

 白い大蛇を倒したが、なかなか手ごわい相手だった。

 だが今のがボスということはないだろう。

 強めのザコ敵といったところか。


 この階の悪性ダンジョンは難易度が高そうだ。

 気を引き締めて対応しなきゃな。


 ヘビの魔石を拾い上げて【魔石収納】に入れる。

 ダンジョン領域では、魔石はすぐに消えてしまう。


 これは領域の外には持ち出せない。

 通常領域に出るとすぐに消えてしまう。


 でも、今回は大丈夫だ。

 収納に入れれば持ち出せるからな。


 【魔石収納】を取ってよかったぜ。



 俺は目に違和感を覚えて眉を(ひそ)める。


「む……。

 目が少しピリピリするな」


 手でこすりそうになるのをぐっとこらえる。

 さっき、ヘビの吐いた毒液が目に入ったか?


 直接目に入ってはいないはずだ。

 揮発(きはつ)した毒の成分だろうか。


 念のため、水を操って目を洗う。


 ついでに口もゆすいでおこう。

 非常階段に水を吐き捨てる。


 行儀が悪いがしかたない。

 毒が混じっているかもしれないから飲めないしな。

 領域内なので、すぐに消えるだろう。


 水のペットボトルはあと一本だ。

 比較的簡単に補充できるとはいえ、大事に使おう。


 水はかさばるから、大量には運べないし、重いんだよな。



 非常階段はしんと静まり返っている。

 新たな敵はやってこない。

 避難してくる人もいない。


 いつまでもここにいても仕方がないだろう。

 三十八階がダンジョン領域に呑まれていることは分かった。

 情報収集は充分だ。


 もちろん、この階をもっと調べるという選択肢もある。

 今まさに危険にさらされている人がいるかもしれない。

 だが、すべてを同時に行うことはできないのだ。


 まずは一度戻って仲間と合流する。

 そのあと、どこから手を付けるか考える。

 一つ一つ片付けるしかない。


「さて、戻るか!」


 俺は階段を駆け下りる。

 三十七階で、ふと気になって足を止める。


 避難のアナウンスが流れている。

 これは先ほども聞いた。

 定期的にくり返し流れているのだ。


 それなのに、非常階段には俺しかいない。

 どうして誰も避難を始めないんだ?


 エレベーターは止まっている。

 なら、この階段を通って逃げるしかないはずだ。


 まだ日が落ちていないから宿泊客が少ないんだろうか。

 仕事や観光で出払っているんだろうか。


 とはいえ、部屋で休んでいた人もいるだろう。

 避難が始まっているにしては人気(ひとけ)がなすぎる。


 少しフロアの様子を見てみるか。



 三十七階の非常ドアを開け、中を覗く。

 廊下は明るく、照明がついている。


 よかった。

 ここはダンジョンに呑まれていない。


 ざわざわと人の声も聞こえてくる。

 無事な人々がいるようだ。


 刀を収納にしまって、廊下を進む。


 エレベーター前に人だかりができている。

 人々は混乱しているようだ。


 不安げに、あるいは不機嫌そうに話している。


「避難って……なにがあったんですか!?」

「おいっ! エレベーターが来ないぞ!?」

「電話が通じない! 電波がぜんぜんないぞ!?」


 話し合う人々は異変に気付いていない。

 不確かな状況にいら立っているようだ。


 だが、俺はそんな様子を見て安堵している。

 少なくとも今、この人達は無事で生きている。


 被害が起きる前に救出できそうだな!

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