VSボス戦! リアル・ダンジョンのボスは特殊骸骨で!
ボス部屋に突入した俺たち。
部屋の中は五階層と似ている。
広めの部屋、いくつもの柱、壁かけ松明。
薄暗いが【暗視】があれば充分に見通せる。
「ボスはやっぱ、スケルトンっスかね?」
「たぶんそうだろう」
リンが奥の部屋を指差す。
「あっ! ボスさんが来ましたよー」
俺にはまだ見えない。
リンは【魔力知覚】で見えているのだろう。
「リン。どんな姿のやつだ?」
「ええと、人型で大柄で……。
上半身が大きいような……。
いえ、腕が変です!」
魔力知覚ではぼんやりとした情報しか得られない。
目で見るのとは違って、魔力そのものを知覚しているからだ。
「とにかくチャージしとくっス!」
トウコがマグナム銃を構える。
弾倉に弾は一発だけ残している。
こうすることで【ラストショット】の効果が乗る。
それに【オーバーチャージショット】を使うと銃が壊れるから無駄がない。
その銃口に魔力の光が集まっていく。
その隣でスナバさんが弓を限界まで引き絞っている。
トウコと違ってスナバさんの矢は光っていない。
使おうとしているのはチャージ系の技ではないのだ。
リンが言う。
「ドアから出てきまーす!」
「よし、姿を見せたら各自の判断で撃ってくれ!」
ドアから敵が姿を現す。
大柄なスケルトンだ。
錆びた胴鎧を身につけ、兜をかぶっている。
兜の下には白い骸骨の顔。
黒く落ちくぼんだ眼窩に、赤い光が灯っている。
手には盾を構え、剣を持ち――
さらに盾と剣が……。
ん……?
トウコが叫ぶ。
「んじゃ一発目いただきーっ!
オーバーチャージショーット!」
トウコの銃口が派手な発射炎を噴き出す。
派手な銃声と共にビームのような閃光が空中を走る。
闇を切り裂いて弾丸が一直線にボスへと突き刺さる。
甲高い金属音。
盾だ。
閃光の軌道がねじ曲がり、壁に着弾して壁面を破壊して破片をまき散らす。
スケルトンの盾も無事では済まなかった。
錆びた金属製の盾はひしゃげ、腕をへし折ってそのまま後方へ吹き飛んでいく。
【オーバーチャージショット】は単発での最高火力技だ。
簡単に防げるものではない!
トウコの発砲音に隠れるように弓の弦がしなる音。
これはスナバさんの弓の発射音だ。
空を切り裂いて飛ぶ矢の音も、やはり銃声にかき消される。
スケルトンの頭部に着弾し、兜に弾かれる。
おそらく【パワーアロー】を使ったはずだ。
スナバさんは無言で矢を放つから、ちょっと地味である。
スキルの効果で、威力は通常の矢を上回る。
目に見えたダメージはないが、ちゃんとヒットポイントを削ったはずだ。
少し遅れてリンの魔法が飛ぶ。
「ファイアラーンスっ!」
ボスはトウコの一撃で盾を持つ腕をへし折られている。
スナバさんの頭部への射撃でバランスも崩している。
そこへ極太の炎の槍が飛ぶ。
暗闇に沈んでいたボスの姿を赤々と浮かび上がらせる。
「カカァッ!」
ボススケルトンが盾を構える。
先ほどへし折った腕とは別の腕!
やはり見間違いではなかった。
二つ目の盾で炎を防ぎやがった!
炎の槍はスキルの力で弾かれ、奥の部屋に着弾して炎上させる。
炎を背に、四本腕のスケルトンが部屋へと入ってくる。
大技を放った後の隙を見逃さず、一気に走り込んでくる。
巨体に似合わぬ素早い動きだ。
ま、させないけどな!
俺は両腕を突き出す。
「くらえっ! 水噴射!」
ほとばしる水流がボスへとぶちまけられる。
スケルトンは盾で水流を受けとめる。
だが水は流れ続け、圧力をかけ続ける。
「クカッ!」
スケルトンが足を踏ん張り、盾を構えて水流に耐える。
だが、しょせんは骨。
大柄でも体重は軽い。骨の足では接地する面積が小さい。
耐えきれずに元来た部屋に押し戻されていく。
「よーし!
第二射準備だ!」
今回は斬り合いはせず、射撃で押し切る!




