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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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ロックピック・リベンジ!

 やり方を理解したうえで、ちゃんとした道具を使って鍵開けを行う。


 慎重に、丁寧に……。


「おっと、道具が折れたな」

「壊れやすいものなんですか?」


 使ったのは、外から持ち込んだ市販品だ。

 金属のピックである。


「いや、こんなに簡単に折れるはずはない。

 現実の鍵で練習したときは折れなかったんだけど……」


 力よりも繊細な技術を使う作業だ。


「やっぱり、宝箱の鍵穴がおかしいんでしょうか?」

「そうだろうな。

 一定確率で鍵開け道具を破壊する効果がある、とかかも」


 再び挑戦。

 宝箱の前に膝をつき、神経を指先に集中させる。


 かちり、と鍵が開く手ごたえ。


 開いた! 成功だ!


 俺は宝箱のフタを開けながら言う。


「よし! うまくいったぞ!」

「わあ! おめでとうございまーす!」


 リンが目を輝かせて褒めてくれる。


 宝箱の中身は干し肉と水だった。

 正直、中身はどうでもいい。


 自力で開けたことこそが報酬なのだ。

 それが何より嬉しい。


「これで、技術でも鍵が開けられると証明できたな!」

「練習の成果がでましたねー!」


 鍵つき宝箱は、専用の鍵アイテムを使えば簡単に開錠できる。

 ただし鍵は使い捨てで、使うと塵になって消えてしまう。


 鍵アイテムを使わなくても、技術で開錠できる。

 この時に使った道具は確率で破壊されるようだ。


 そういうことなのだろう。

 やっと納得できた。


「さて、次は合鍵を作ってみるか!」

「忍具作成さんを使うんですねー!」


 宝箱のタネはわかった。


 次は【忍具作成】で鍵を作る。

 アイテムの鍵と同じ形状にすればいい。


 現実の鍵であれば、適当な合鍵を作っても意味がない。

 だが、この宝箱の仕様が想像通りなら、どんな形状の鍵でも通用するはずだ。


 材料は持ち込んだ五寸釘を使う。

 棒手裏剣はスケルトン相手には当てにくい。


 わざわざ持ち込んだのは、こういう使い方をするためだ。

 使いたいときに材料がないと困る。

 前回の反省を活かして、少量持ち歩くことにしたのだ。


 イメージを固め、心の中でつぶやく。

 頼むぜ忍具作成君!


「よし、完成! 合鍵ができたぞ!」

「うまくいきましたねー!」


 順調順調!

 見た目はアイテムの『錆びた鍵』と違いはない。

 錆び具合まで見事に再現されている。

 よっ! 匠の技術!


「リン。これを鑑定してくれ」


 リンが【サポートシステム】に【物品鑑定】させる。


「えっ? システムさん。そうなの?」

「結果はどうだった?」


 リンが少し言いにくそうに言う。


「ええと――名称は錆びた鍵でした。

 でも、カテゴリは忍具でしたー」


「ほう。鍵カテゴリじゃないのか」

「錆びた鍵は、特別なアイテムなのかもしれませんね」


 一発で開錠する効果はないかもしれないな。

 だが問題ない。

 そこまでは期待していないからだ。


「形は似ているし、開錠道具として使えれば充分だ。

 さっそく、次の宝箱で試そうぜ!」

「はいっ!」


 リンとうなずき合っていると、敵を倒したトウコがやってきた。


「ふー。敵は片付いたっス!」

「お疲れ!

 じゃあ次の箱を探しに行くぞ!」


 俺はそそくさと通路へ向かう。

 トウコが後ろから声をかけてくる。


「おー?

 今日は妙にやる気っスね、店長!

 なら、敵はあたしが蹴散らすっス!」


「お、頼もしいな!

 よし、敵に風穴を開けるのは任せた!

 俺は鍵を開けるぜ!」


「私もお手伝いしますね!」


 その後、駆け足で迷路を探し回り、片っ端から宝箱を開けていった。

 鍵がかかっていない宝箱がハズレに見える!


 来い、鍵宝箱!

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