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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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短い時間でできること!

 【金縛りの術】は一秒にも満たないわずかな時間、相手の自由を奪う。

 拘束時間はさほどではない。


 しかし行動を阻害するのには役立つ。

 回避を、攻撃を、移動を邪魔できる。


 戦闘中に一瞬でも動きを止めれば、致命的なスキを生む。


 格闘技の試合に出れば、すぐにチャンピオンになれるんじゃないか。

 防御できない一瞬の間に急所を一撃。これで勝ち。

 それくらいには強い能力だ。


 他の術と同じように、術をかけながら行動もできる。

 刀を振りながら金縛りをかけることもできるわけだ。


 回避不能の斬撃である。

 これ、強すぎるんじゃね?


 前に考えた【入れ替えの術】との連携もできた。

 相手の動きを止め、止まっている相手にしか聞かない【入れ替えの術】をかける。


 同時に複数の術を使うのは集中を要するが、これはいつものこと。

 俺は同時にいくつも術を使える。


 無詠唱で多重詠唱をっ!?

 って感じだが、何度も使いこんだスキルは手足を動かすように自然とくり出せる。

 手と足を同時に動かすように、あたりまえにできる。


 あまり複雑な術を同時にいくつも使うのは、さすがに難しい。

 これは普通の動作だってそうだな。


 左手で空中に四角の図形を描きながら、右手で円を描くようなものだ。

 左右で連続してじゃんけんして交互に勝ち続けるとか。


 こういうのも、練習すればできるようになる。

 サーカスの団員みたいに、一輪車に乗りながらフラフープをして、さらにお手玉をするみたいな芸当だ。


 練習の賜物である。



 発動には条件があった。


「これ、相手に気づかれていないと効かないんだな」

「私のポージングと似ていますねっ!

 見られていないとダメなんですー」


 リンがうれしそうに笑う。

 似ているのがうれしいみたいだ。


 能力の制約は少ないほどいいんだけど。


「それだとこっそり使うのはムリっスねー」


 隠密状態で背後から金縛って暗殺、という連携はできない。


「ああ。相手に認識されてなきゃいけないみたいだ。

 意識に割り込む必要があるんだろう。

 動くな! とか喝っ! とか言わないとダメだな」


 それっぽいかけ声で注意を引く必要がある。


「それ、声じゃなきゃダメなんスか?」

「どうだろうな?

 ちょっと試してみるか!」


 俺はパンっと両手を叩く。

 いわゆる猫だましだ。


 トウコがひるむ。


「うっ!?

 効いたっス!

 てか、いきなりあたしに試すのはナシーっ!」


 トウコが手をバツ印にして俺にぶつかってくる。

 痛い。


「あだっ。すまんすまん!」

「じゃあ、私に試してくださーい」


 と、リンが走りだそうとする。


「待て待て!

 クールダウン時間があるから!」


 それはもうやったし!

 何度でも受け止めるけど!


「そ、そうですか?」

「ともかく、声でも音でも相手の気を引ければいいんだ」


「ポーズではどうですか?」

「ん? 声をかけずに動作だけってことか」


「ちょっとやってみるか」


 俺はリンに向けて素早く手を突き出す。

 待て! というジェスチャーだ。


「あっ! ちょっと効きました!

 でもさっきより弱いですねー」


「ふーむ。

 相手の注意を引けた度合で効果が変わるのか」


 俺はリンの背後に回り込んで、肩をトントンと叩く。

 リンがびくりと身を震わせる。


「んっ! さっきより強いです!」


 ちょっと声が色っぽかった。

 もう少し試したいが、十分だろう。


「こうやって驚かせばいいのか。

 となると攻撃と同時に金縛りをかければいいわけだ」


「スタン攻撃っスね!」


 普通の金縛りの術からはどんどん離れていく気がする。

 だけど、悪くない術だな!



 ちなみに【憤怒】状態のトウコには効果が低い。

 敵意集中状態では、俺に意識を向けないからだ。


 それでも使いようだ。

 トウコを止めるのではなく、敵を縛ればいい。

 これで指示の通らないトウコを援護できる。


 防御やサポートにも使えるのだ。

 【金縛りの術】は攻守ともに優れたいい術だ!

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