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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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熊蟄穴 くまあなにこもる!?

 一応は念じてみたものの、自律分身たちに伝わる気がしない。

 別の手を打っておこう。


「リン、空に合図の花火を打ち上げてくれ」

「はーい。ファイアボール!」


 花火が打ち上がる。

 まだ日は高いけど、炸裂した花火はかなりの明るさだ。


「おお、ずいぶん明るいな」


 リンがちょっと得意げな表情を作る。


「ふふ。明るく燃えるように考えてみましたー」


「すごー! 照明弾みたいっス!

 これなら二号たちにも見えるかもっス」


 木々が邪魔して見えないかもしれないが、気づけば駆けつけてくれるだろう。



「じゃ、待ってる間に巣穴に入る作戦を考えようか」


 トウコがリンの後ろに回り込み、言う。


「リン姉を先頭にして入るんスよね?」

「二番目はトウコでいいけど、狭いから跳弾に気をつけてくれ」


「そういえば、中で火を使っても大丈夫なんでしょうか?」

「ん、そうだな。

 よく気づいてくれた。

 酸欠になるかもしれないな……」


 俺のダンジョンでは、あまり気にせず火を使っている。

 狭い場所でも天井が高いから問題ないのだ。


 それと比べて、この洞窟はかなり狭い。

 派手に火魔法を使ったら危ないかもな。


 天井が崩れる心配もある。


 俺のダンジョンの洞窟に比べると自然っぽいというか、脆そうに見える。

 うーん。


 入りたくなくなる要素ばっかりだな。



 トウコがおもむろにショットガンを抜く。


「じゃあ外からブッパするのはどうっスか?

 こんなかんじでっ!」


 洞窟の奥に向け、引き金を引いた。

 銃声が響く。

 弾丸が壁で弾け、跳ね返る音が連続する。


「お、跳弾か?」

「久々のリコシェショットっス!」

「奥にいる敵さんまで届くかなー?」


「どースかね?

 洞窟がくねくねしてたら無理っス」


 リコシェショットは跳弾の角度を操作できる。

 何度も跳弾が発生する効果ではない。

 何度も壁に当たれば、弾丸の運動エネルギーは低下する。

 ロマンはあるが実用性は微妙なスキルだ。


「お、でも奥から声がするな。

 敵が集まってきたようだぞ」


 トウコがリンに場所を譲る。


「じゃ、リン姉もどうぞー」

「ここから攻撃するのね。

 ファイアボール!」


 火球が洞窟の奥に着弾する。

 炎が洞窟を赤々と染める。


 キーキーとネズミめいた鳴き声が聞こえる。

 効果があったようだ。

 洞窟の奥行はそれほどでもないのかもな。


「ここから攻撃できるなら、入らなくてすむな」

楽勝(らくしょー)っスね!」


 トウコが楽しそうに、ポンプ式ショットガンを連射する。

 ちょっと猟奇的だぞ。


「次は俺だな。忍法――水噴射(ふんしゃ)!」


 せっかくなので全力でぶち込もう!

 両手から吹き出した水流が洞窟内へと流れ込む。


 強い反動で背後に下がりそうになるのをぐっとこらえる。

 足がずるずると滑るほどの水圧だ。


 背後に分身を出して、背中を支える。

 よし、これで安定!


 固定砲台だぜ!


「おーっ!

 水攻め作戦っスね!」

「溺れさせるのは難しいけどな」

「お水が消えちゃうからですねー」


 この術で出した水は時間が経つと消える。

 だから洞窟を水没させることはできない。


 しばらく水を流し込んだところで術を解く。


「ふう。

 じゃ、少し様子を見て二セット目に入るぞ!」


 なにも、入りたくない穴に入ることはない。

 外から攻略するのも悪くない!

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