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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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悪性ダンジョンでアレを収納してみよう!

 数日の間、各ダンジョンで日課をこなした。

 新しいダンジョンにかまけてばかりいられない。

 自分のダンジョンを(おろそ)かにしてはいけない。

 基本は大事である。



 御庭から連絡が入った。

 この数日、これを待っていたのだ。


 ノックをして御庭の部屋に入る。

 御庭は整った顔に笑みを浮かべて出迎えてくれた。


「やあ、クロウ君。

 頼まれていた条件の悪性ダンジョンが見つかったよ」

「お、助かる。

 ところで、この頃は悪性ダンジョンが少ないのか?」


 この数日、手ごろな悪性ダンジョンを待っていた。

 ちょうどいい規模のダンジョンはすぐには見つからなかった。


 これは悪いことじゃない。

 平和なのはいいことだ。


 御庭が言う。


「そうだね。

 例のダンジョン狩りのせいで、小規模なダンジョンは見つかりにくくなっている。

 そのかわりに、きな臭い案件が増えているんだけどね」


「きな臭い案件?」

「吸血鬼と特異殲滅課が争っているようだよ。

 興味あるかな?」


 俺はひらひらと手を振る。


「いや、きな臭い案件はパスだ。

 そういうのはトクメツに任せておけばいい。

 俺は悪性ダンジョンで、試したいことがあるだけだし」


 今月の仕事のノルマはもう終えている。

 今回は【魔石収納】の検証をするのが目的だ。

 ついでにダンジョンは潰すけど。


「へえ。なにを試すつもりなんだい。クロウ君?」

「魔石収納スキルを手に入れたんだ。

 これを使って悪性ダンジョンから魔石を持ち出せないか試してみるつもりだ」


 御庭が眉を上げる。


「それは興味深いね!

 結果をぜひ教えて欲しい」

「ああ。

 それで、急ぐわけじゃないが、今日行けるか?」


 なぜか御庭が笑みを深くする。


「忍者らしいフットワークの軽さだね!

 さすがクロウ君!」

「忍者かどうかは関係ないが、早いほうがいいだろ?

 俺の検証もできるし、ダンジョンも潰せる」


「その通りだね!

 では、オカダ君とコガ君も連れて行ってくれるかな?」

「ああ、連れていく。

 リンとトウコが帰ってきたら出発するつもりだ」


 御庭がうなずく。


「では車を手配しておくよ」

「助かる」


 御庭から悪性ダンジョンの情報を受け取る。

 ここにはダンジョンの場所や規模、注意事項などが書かれている。


 調査チームの見立てでは脅威度は低いらしい。

 一軒家で、人の出入りはない。

 人付き合いは少なく、周囲の人間が巻き込まれる可能性は低い。


 この調査を行ったのはサタケさんのチームではないようだ。

 知らない名前が書かれている。

 今回、彼らは同行しないとのこと。

 日を改めれば同行してくれるらしいが、それは断った。



 公儀隠密職員のウスイさんがハンドルを握り、現場に到着した。

 住宅地の一角、ごく普通の一軒家の前だ。


 俺は大型バンの車中で皆に家を示す。


「ここが今回の現場だ。鍵は開いているらしい。

 さっそく入るが、準備はいいか?」


 簡単な作戦は既に伝えてある。

 作戦というよりは大雑把な方針だ。



 リンがうなずき、トウコが親指を立てる。


「はーい」

「オーケーオーケーっス!」


 おいおい。

 本人(オカダ)の前でモノマネすんなよ。


 オカダはぜんぜん気にしていないようだが。


「もう待ちくたびれたぜ、ゼンゾウ!

 さっさと突っ込もうぜ!」


 コガさんが小声で言う。


「私もいけます」

「じゃ、近隣住人に怪しまれないように自然に入るぞ」


 俺たちは一応、作業服のような見た目で偽装している。

 姿を見られても業者だと勘違いしてくれるだろう。


 車を降りて家へ向かう。


 玄関はすんなり開いた。

 スナバさんに教えてもらった鍵開けを試す機会はなかったな。


 住民の気配のない家は、しんと静まり返っている。


 さて、ダンジョンをさらっと潰してしまおう。

 このメンツなら戦力は充分だ。


 今日の目標はただの攻略じゃない。

 【魔石収納】を使ってボスの魔石を持ち帰ることだ!

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