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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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宝箱の報酬は錆びたアレ……!?

 ボス部屋の最奥に大扉がある。

 軽く押すと簡単に開いた。


 扉の先は明るくなっている。

 オーロラのような光で囲まれているからだ。


「安全地帯だな」

「宝箱もあるっス!」

「階段もありましたー!」


 五階層はこれでゴールか。

 迷路が続いていなくてよかった。


 安全に休めるのはいいね。


「まずは宝箱を開けよう」


 トウコが宝箱の周りを飛び跳ねて回る。


「お(たから)っ! お宝っ!

 はい、リン姉もっ!」


 トウコが後ろ向きになってリンを手招きする。

 リンは困った顔で後ろについた。


「う、うん。

 お、おったからー」


「やらんでいいっ!

 罠があるといけないからどいてくれ!」


「へーい」

「はーい」


 これまでのところ、ボスの宝箱に罠はなかった。

 自律分身や分身を使うとややこしいことになる。

 警戒しつつ俺が開ける。


 いざオープン!


「む……?」


 中身は……うわぁ、コレか。


「これは(かぶと)ですね!」

「サビてるやつっス!」

「ボスがかぶっていたものに似ているな」


 頭部から頬を保護する兜だ。

 目や鼻、口の部分は露出したデザイン。

 見た目は悪くないが、錆が浮いているし重そうだ。


「ちぇー! ハズレっスね!」


 兜を取り出してかぶってみる。

 少し鉄臭さを感じるが、かぶり心地は悪くない。

 しかし重いね。


「ちょっと重いな」

「でもよく似合っていますよー!」


「そうかぁ?」


 リンは俺が何を着ても褒める気がする。

 悪い気はしないけど。


「グラディエーターみたいっス!

 ムキムキになったらちょうどいいっスね!」

「ムキムキは目指してないし、これはお蔵入りだな」


 ムキムキ忍者はちょっと……。

 俺は細マッチョを目指しているのだよ。



「しかし現物の兜が手に入るとは意外だった」

「なんでっスかー?」


「いつも通り魔石も手に入っただろ?

 これをショップで引き換えたら報酬二倍じゃね?」

「あ、たしかにそうですねー!

 そう考えたらお得です!」


 要らないけど、大盤振る舞いだな。

 これならすぐに錆びた鎧一式が揃いそうだ。



 リンが宝箱をのぞき込む。


「あっ! まだなにか入っています!」

「どーせサビた骨とかっスよね?」

「なんだそのゴミは……」


 骨は錆びないっての。


 しかし、中身は思ったよりいいものらしい。

 宝箱に手を入れたリンの表情は明るい笑顔になっている。


「ゴミじゃないよー!

 スキルオーブですよっ!」


「おおーっ! アタリっスね!」

「いいじゃないか!」


 しかしリンは少し顔色を曇らせる。


「でも一つしかありませんでしたー」


 トウコが口をとがらせる。


「ケチっスねー!

 三人いるんだから三個くれないとっ!」


「ワニさんのときは三個くれましたよねー」


「人数分だと十人でボスを倒したら十個もらえることになるし、妥当だろ」

「いーじゃないっスか! 何個くれても!」


「まあ、くれるなら文句は言わないけどな。

 で、誰が使うかだが……」


 トウコが首を振る。


「あたしはスキルポイント足りてるからパスでいいっス!」

「ほう。欲がなくていいじゃないか。

 んじゃ、リンが使ってくれ」


 リンが意外そうに言う。


「えっ? 私ですか?」

「俺は熟練度でスキルを上げられるからな。

 リンはスキルが簡易モードだからポイントが大変だろ」


 リンは困り顔だ。


「そうなんですが……うーん。いいのかなぁ」

「遠慮しなくていいぞ」


「いいんスよー!

 あたしと店長からの愛のプレゼントってことで!」

「じゃあ大切にしますね!」


 急に即答した!

 リンは大切そうにオーブを両手で包んでニマニマしている。


「いや、割るんだぞ。使うんだぞ?

 取っておくのは気持ちだけにしてくれ!」

「うーん」


 使わないと意味ないからね!


 さて、次は階段の様子を見てみるか!

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