魔石の互換性とショップの品揃え?
スケルトンの魔石を見ながら首をひねる。
これはリアル・ダンジョン産の魔石だ。
「この魔石って、俺のダンジョンで使えるのか?」
「管理コンソールに入れてみましょう!」
「ショップへゴーっス!」
戦闘が多かっただけに魔石もザクザク手に入った。
これが管理コンソールのショップで使えれば……。
俺は魔石を管理コンソールに押しつける。
すると魔石がすっと中へと吸い込まれていく。
入った!
「おおっ! こっちのモノリスに入るのか!」
「商品も引き換えれるんでしょうか?」
「引き換えられないと意味ないっス!」
ポチポチと画面を操作。
ショップ画面を表示する。
スケルトンの魔石の表示は……。
ある!
「おーっ! ちゃんとスケルトンのアイテムがあるっス!」
「へえ。ラインナップはリアダン内と同じか」
「スケルトンさんの骨って、何に使うんでしょうか?」
「うーん。素材にしても微妙かもしれないな」
錆びた剣も微妙なアイテムだ。
渋い商品しかない。
魔石の使い道は……。
汎用ポイントに変えてしまえばいいだろう。
「試しに錆びた剣を引き換えてみるか」
ちゃんと引き換えられるかな?
管理コンソールのショップ機能で『錆びた剣』を引き換える。
お、問題ないね。
モノリスの中から錆びた剣が浮かび上がってくる。
手を突っ込むようにして剣を取り出す。
それを見てリンが歓声を上げ……しかしトーンが落ちる。
「わあ!
……ボロボロ、ですねー」
「ショボいっス!」
リンはホメようとして断念したようだ。
トウコは露骨にディスってくる。
まあ、そうなるな。
そういう武器だ。
あまり褒める要素はない。
スケルトンが持っていた剣と同じ品だ。
刃はボロボロに刃こぼれしている。
サビが浮いていて切れ味が悪そうだ。
とはいえリーチはある。
金属製でそこそこ頑丈そうだ。
ゴブリンの棍棒やナイフよりはマシな武器だ。
「片手剣スキルは当然乗るよな。
試しに……ファストスラッシュ!」
刃が加速して空気を切り裂く。
「発動しましたねー!」
「ボロすぎて鈍器じゃなくてよかったっス!」
「研いで錆を落とすか、クラフトのベースにするかな」
「べつに使わなくていいんじゃないっスか?」
「まあな。無理して使う性能じゃないな」
俺は剣を置く。
「まあ、この剣はどうでもいい。
それよりも魔石に互換性があるのは発見だぞ!」
別のダンジョンを持ち込んで使えるのだ。
夢が広がるぜ!
スケルトンの魔石はちゃんとショップで使えた。
クラフトの材料にもなるだろう。
俺のダンジョンだと価値が落ちるなんてことも考えたが、そんなことはなかった。
汎用ポイントへの変換率はリアダン内のショップと変わらない。
ゴブリンと同じ、五魔石で一汎用ポイントになる。
基本のレートだな。
リアダンは敵の湧きが早いから、魔石稼ぎに使えそうだ。
リンがじれたように言う。
「私のダンジョンから魔石を持ってこれたなぁー」
「草原ダンジョンの魔石か」
これまではハズレアイテムとして畑の肥料になっていた。
管理者権限のショップ機能が解禁されたことで、魔石を肉やゼリーなどの食材と交換できる。
皮などの素材はダンジョン間を移動できないから、クラフトするときにちょっと面倒なのだ。
クモの糸とワニの皮を使いたい場合、どちらかを一度忍具にして、忍具収納で運ぶ手間がある。
「でも持ってこれないんスよね?」
「そうなんだよなぁ……」
魔石を自由に移動できたら夢が広がるんだが……。
魔石をアイテムに加工して、また魔石に戻すとか?
素材を魔石に変換できるスキルがあれば便利そうだ。
しかし今のところそういう手段はない。
魔石は忍具の材料なんだから【忍具収納】に入る!
と頑張ってみたこともあるが、さすがに通らなかった。
なんでも入る収納スキルがあればいいんだけど。
いや、あるだろうよ!
出てこいや!
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