リアダン攻略反省会!
無事にリアル・ダンジョンから脱出した。
赤い転送門からクローゼットダンジョンの拠点に出た。
やはり自分のダンジョンはいいね。
リラックスできる。
「ふう。やっと戻ってこれたな」
「思ったよりも大変でしたねー」
「弱いけどうじゃうじゃ出るっスね」
敵の強さは大したことがない。
モンスター一匹当たりの強さはたかが知れている。
スケルトンはゴブリンよりやや強いくらいか。
武器は錆びた剣だ。
長剣なのでリーチは長めだ。
動きは遅い。
そして体が軽い。
ちょっと小突けば体勢を崩すので戦いやすい。
しかしタフだ。
骨の体は多少傷つけても倒れない。
刃物で斬っても血が出ないし、腕が取れても怯まない。
タフさはゴブリン以上、ゾンビ以下かな。
そして数が多い。
三階層ではスケルトンが二体一組で徘徊している。
だが二体だけを相手にすればいいわけじゃない。
音を立てると敵が集まってくる。
通路が狭いおかげで囲まれにくいが、少々うっとうしい。
弱い敵でも数が多ければ厄介なのだ。
「ちょっと湧きすぎじゃないっスか?」
「そうだな。
帰りも行きと同じぐらいの敵と戦った気がする。
倒したはずなのに、また湧いているんだよな」
行きに倒したのだから、帰りは楽になるのが普通だ。
だが、帰りもモンスターとの接敵回数があまり変わらないと感じた。
「あ、それ私も思いました!
何度も同じ道を通ったのに、すぐに敵さんが出てきたんです」
これはもっと短いスパンの話だ。
そのときのことは、自律分身の記憶を受け取ったので俺も知っている。
リンと自律は迷って同じ場所をぐるぐる回っていた。
自律分身は地図を書いて把握していたが、競争をフェアにするためリンに任せていたのだ。
リンたちはある程度の範囲をうろうろと周回していた。
通ったばかりの道をまた通ったりしている。
それでも敵が現れたのだ。
俺のダンジョンではこういうことは起こらない。
俺のダンジョンならリポップに一日かかる。
行きにモンスターを間引いておけば、帰りはらくちんだ。
「たぶんリアダンは敵の再配置が早いんだろう」
エンカウント率が高いとでも言うか。
倒しても倒しても敵が湧いてくる。
「めんどいっス」
「疲れちゃいますねー」
疲労も問題だ。
迷路を進むには時間もかかる。
行き止まりまで探索しないと階段を見落としてしまう。
そうなると、どうしても移動距離が長くなる。
迷路は複雑だ。
地図がなければ迷ってしまうだろう。
今は戦いながら地図を書く余裕がある。
このまま戦闘が激しくなれば厳しいかもしれない。
深い階層では敵も強くなる。
敵の数が同じくらい多いとすると、探索は難しくなりそうだ。
このダンジョンは長期戦になるほど難易度が増すのだろう。
じわじわと真綿で首を絞めるように、こちらを圧迫してくる。
ペース配分を考えて攻略しなきゃな。
「今回は早めに引き上げて正解だったろ?」
「はい! さすがゼンジさんですね!
魔力があるうちに帰れてよかったですー」
まだまだ進めただろうが、全力を出し切るわけにはいかない。
ちゃんと余力を残して帰ることが大切だ。
ケガをすれば動きが鈍る。
疲れだって同じだ。
敵が弱いと言っても油断はできない。
疲れてミスって攻撃を食らうかもしれない。
今はただ面倒なだけだが……じっくり攻略しないとクリアは難しい。
次は持ち込む品物や食料、置いてくるものを考えて挑もう。
俺は腰袋から魔石を取り出してしげしげと眺める。
「にしても、魔石を持ち出せるとは思わなかったな」
「ダンジョンからダンジョンだからでしょうか?」
魔石は現実世界に持ち出せない。
転送門を通れないのだ。
しかしダンジョンからダンジョンへは持ち出せる。
ふーむ。
納得できるような、できないような。
魔石はダンジョン間で共通なんだろうか。
モンスターとダンジョンはセットじゃないのか?
リアダンの魔石が俺のダンジョンで使えるのはおかしくないか?




