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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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ヒット安地アウェイ!?

 俺たちを見失ったスケルトンが来た道を戻っていく。


 決まった配置場所でもあるんだろうか?

 そうだったらいいな。


 安全地帯の前に居座られたら出るときに邪魔になる。

 弱いスケルトンなら倒せばいい。

 しかし、深い階層だと困るかもしれない。



 またトウコが銃を構えている。

 まだ攻撃をあきらめていないようだ。


 安全地帯から外への攻撃はできないようになっているから無駄だと思うが……。


「じゃあ、こうすればどうっスか!

 反復横跳びショットーっ!」


 トウコが床を蹴って横に飛ぶ。

 体が部屋から出たところで射撃。


 撃鉄が落ち、弾薬を発火させる。


 銃声。

 銃口が火を噴く。


 後頭部を撃ち抜かれたスケルトンが塵に変わる。

 トウコは射撃と同時に部屋に戻っている。



 俺は感心する。


「おお、今度はちゃんと撃てたな!」


 トウコがどや顔で銃を回転させ、ホルスターに戻す。


「へへー! どうスか!

 これぞヒット安地(あんち)アウェイっス!」


「出てすぐ攻撃できるのは便利だな。

 一定時間は攻撃不可、みたいな縛りがあると思ってたんだが」と自律分身。

「ちょっとズルいよな」と俺。


 トウコがむきになって言う。


「ズルもなにもないっス!

 仕様っスよ、しよー!」


「落ち着け。

 別にトウコに文句があるわけじゃない」と俺。

「ルール上許されてるんだから使わない手はないな」と自律分身。


「リン。魔法はどうだ?」と俺。


 リンが部屋から飛び出して手を突き出す。


「やってみまーす。

 ファイアボールっ!

 あ、できましたよー!」


 成功だ。

 手から火球が飛ぶ。


「へえ、これはいいな。

 飛び道具があれば安全地帯から一方的に攻撃できる」と俺。


「いや、飛び道具でなくてもいいだろう。

 刀でも素早く攻撃すればできるはずだ」と自律分身。


 部屋の近くに敵がいれば刀で斬って戻ることもできるだろう。



 他にもいろいろできそうだ。

 分身を出してから中で操作するとか……。



 俺のダンジョンだとこうはいかない。

 この手の抜け道はないんだよな。


 ダンジョンの個性か。



 リンがしみじみという。


「ふしぎですねー。

 部屋の中ではファイアボールが出ません。

 魔法もおんなじみたいです」

「へえ。魔法も撃てないんだな」


 リンの手の中に串焼き肉が出てくる。


「あっ! でも【食品収納】から取り出せますよー!」

「ほう。なら【忍具収納】も使えるな」


 俺も収納を試してみる。

 うん。

 ちゃんと出し入れできる。


「スキルが禁止されてるわけじゃなくて戦闘行為だけ禁止なんだろうな。

 じゃあ、外に向かって物を投げたらどうなるんだ?」と自律分身。


「飛び道具による物理攻撃だな」と俺。


 自律分身がワイヤー分銅を取り出す。

 頭上で振り回して、部屋の外を狙って投げる。


 分銅が通路に向けて飛び――


「むっ……!」と自律分身。


 ――分銅が力を失って落ちる。


 なんだ?

 なにが起きた?


 はね返されたわけじゃない。

 ふんわり受け止められたような感じだ。


 そうして分銅は部屋と通路の間、光の帯のあたりで失速したのだ。


「おお……こうなるのか」と俺。

「なら刀で直接攻撃すると……ほう!」と自律分身。


 自律分身が刀を振り下ろす。

 部屋の境界線で刀の速度が落ちる。


「ヒットポイントで攻撃が防がれるのと似ているな」と俺。


 安全地帯から外へ攻撃できないようになっているようだ。

 まあ、妥当なルールだな。


 一方的に攻撃できるなら、つり出して攻撃し続ければいい。



「部屋の中で素振りは……できるな」と自律分身。

「分身は……出せる」と俺。


 安全地帯の中に分身が現れる。

 いつもと変わらない。


 現れるだけでは攻撃とはみなされない。


 操作して部屋の外へ歩かせてみる。

 分身は光の帯を通過して普通に外へ出た。


「へえ。分身を外に移動できるのか。

 それなら戦闘もできるんじゃないか?」と自律分身。


 分身だけ部屋の外に出して戦わせる。

 中から操縦する限り、安全だ。


 分身に刀を持たせて振らせてみる。

 できる。

 できちゃうのか……。


「なんだこれ。抜け道じゃねーか!」と俺。


 管理が甘いんじゃないの、ダンジョンさん!?

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