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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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コピーか? 次元のズレか? あるいは……?

 リヒトさんとメッセージをやり取りした。

 何往復もだ。


 俺は赤い転送門の先で見た『リアル・ダンジョン』の情報を伝えた。

 リヒトさんは『クローゼットダンジョン』の話を伝えてくれた。


 俺が入ったダンジョンは、リヒトさんのダンジョンと似ている。


 俺はリアル・ダンジョンを出る前に目印を残してきた。

 クナイを置いてきたのだ。

 場所はショップモノリスの前。

 目立つ場所だ。見落とされる心配はない。


 しかし、リヒトさんはそれを見つけられなかった。


 リヒトさんの話では、体育館のような広間に拠点があるらしい。

 管理コンソールがあり、外へ出るための転送門がある。

 さらに、そこでは多くの避難民が生活しているという。


 俺はあの部屋をくまなく捜索した。

 管理コンソールも転送門もなかった。


 誰とも出会わなかった。

 あの部屋は、人っ子一人いないもぬけの殻だ。

 見落とすなんてありえない。


 俺たちが『リアル・ダンジョン』に潜っていたとき、リヒトさんはあの部屋にいて、管理コンソール前で作業していたという。

 あたりまえだが、リヒトさんとは会っていない。


 俺とリヒトさんは同じ場所……似た場所に居た。

 それなのに互いを発見できなかった。


 逆も同じだ。

 リヒトさんが調査した『クローゼットダンジョン』は俺のダンジョンと似ていた。

 間取りはほぼ同じ。

 文章でのやりとりだから完全に同じかはわからないけど。


 リヒトさん側は大人数でダンジョンを一気に調査したという。

 低階層を攻略できるメンバーがたくさんいるらしい。


 それなのに俺たちともトウコたちとも遭遇しなかった。


 分岐の少ない俺のダンジョンであれば、出会うはずだ。

 俺たちはリヒトさん達が入り込んだ痕跡を見つけられなかった。


 あちらの調査で、俺の拠点に似た部屋があったという。


 しかし管理コンソールや外への転送門はなかった。

 俺が設置した忍具作成台や装備展示ラックもない。

 空っぽの部屋があるだけ。


 ダンジョンのマップを確認してみたが、怪しい場所はなかった。


 一階層は調査済だから、地図は埋まっている。

 抜け道や隠し通路、見知らぬ部屋は増えていない。

 地図上に不自然なスキマは見つからなかった。


 といっても、壁の向こう側のような到達できない位置に部屋や通路が生成されているとしたら把握できないけどね。


 うーん。

 地図が更新されていないだけかもしれないかな?

 後で一回りしてチェックするか。

 ダンジョンの地形が途中で変わったことはないけど。

 まあ、今回は特殊だからな。



 お互いのダンジョンに入ったはずなのに出会えなかった。

 そこから考えると……。


 間取りが同じ別のダンジョンなのか?

 俺が入ったのはリヒトさんのダンジョンのコピー。

 リヒトさんが入ったのは俺のダンジョンのコピー。


 お互いのダンジョンのコピーが生成されている。

 そう考えればつじつまが合う。



 リヒトさんとメッセージをやりとりしながら、リンに問いかける。


「ダンジョン接続は、相手のダンジョンのコピーを作るのかな?」

「接続というより、複製機能みたいですよね?」


 しかし管理コンソールのメニュー上は『ダンジョン接続』だ。

 コピーするなら『ダンジョン複製』と呼ぶのではないか?


 接続というからには、相手のダンジョンに繋がるはず。


「たしかにそうだ。

 だとすると、もっと奥で繋がっているのかもしれないな」

「ダンジョンの深いところで繋がっているんですか?」


「入ってすぐはお互いのダンジョンの浅い階層に似ている。

 深く潜っていくと、相手のダンジョンに繋がる……とか?」


 相手のダンジョンの深いところに繋がる?

 ダンジョンの行き止まりに赤い転送門がある?


 うーむ。

 潜ってみたら何もないんじゃ面白くない。


 リヒトさんは困ってしまうだろう。

 こちら側に来るという希望を叶えられなくなってしまう。



 管理コンソールのメッセージ機能に新着の知らせが出た。


「お、リヒトさんから返事が来たぞ。

 ふむ……解析した結果みたいだ」


 リヒトさんからのメッセージのタイトルは「解析結果」だ。

 俺はそのメッセージを開く。

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