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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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リアル・ダンジョン攻略開始!

 俺の拠点に赤い転送門が現れた。

 これはリヒトさん側にも現れている。


 リヒトさんたちは中に入って探索している。

 そこは洞窟風のダンジョンで、ゴブリンがいるという……。


 おそらく俺のダンジョンに入れたはず。

 しかし出会えない。トウコの銃声も聞こえないという……。


「リヒトさんたちは、どこにいるんでしょうか?」

「うーむ。

 接続したら簡単に会えると思っていたんだけどな」


 ……もどかしい。

 電話を持たずに待ち合わせしているみたいな気分だ。



 リヒトさん側の情報を待ってみたが、答えは得られなかった。

 しかたない。

 こちらもダンジョンに潜ってみるべきだろう。



「リヒトさんは転送門の先を見てほしいそうですね?」

「うん、そうだな。

 でも先に管理コンソールの増えた項目をチェックしよう」


 赤い転送門が現れる前に管理コンソールにも変化があった。

 それを見てからでも遅くはない。


「あ、そうでしたねー」

「増えた項目は……」


 俺はコンソールを操作する。

 メニューの最下部に「ダンジョン接続」が増えている。

 画面を開く。



 --------------------

 ダンジョン接続


 ・ダンジョン情報


 ・階層情報


 ・地図情報


 ・接続解除

 --------------------



「いつもの画面と似ているな」


 リンが一番下を指差す。


「違いは……接続解除がありますねー」

「へえ。解除できるのか。

 まあ、今は触らないでおこう」

「そうですねー」


「上から順に見ていこうか」

「はい」


 --------------------

 ・ダンジョン情報閲覧

  接続先:

   リアル・ダンジョン

  ドロップ方式:

   魔石

  宝箱:

   あり

  罠:

   あり

  安全地帯:

   あり

  復活:

   あり

 --------------------



 この画面もいつも見ている画面に似ている。


「接続先の情報が追加されているな」

「リヒトさんのダンジョン名ですねー」


 ふーむ。

 ということは接続先はあっている。


 リンが赤い転送門を指差す。


「やっぱり、この向こうはリヒトさんのダンジョンなんですねー?」

「そういうことらしいな……」


 さらに画面を読み進める。


「おっ!? 復活ありだぞ!」

「わあ。これで安心ですねー!」


「最初からわかっているのは助かるな!」

「そうですねー!」


 復活ありのダンジョンは難易度が高い傾向にある。

 とはいえ、死なないという安心感はデカい。


 これでダンジョンのことがわかった。

 宝箱、罠、安全地帯、復活、これが全部ある。


 とはいえこれはダンジョン()()の情報だ。

 ダンジョン内に一つでも宝箱があれば、ありと表示される。


 階層情報を見れば階ごとの設定がわかる。

 これは探索しないと表示されないはずだ。


 一応チェックしてみたが、情報はなかった。

 リヒトさんは攻略済のはずだけど……。


 リヒトさんに聞けば答えてくれるだろう。

 しかしダンジョンの解析をすると言っていたから邪魔しては悪い。


 それに、全部聞いたら攻略の楽しみが減ってしまう。

 安全第一で進みたい気持ちもある。

 だけど新しいダンジョンへの興味が競り合っているのだ。


 俺はダンジョン攻略というものが好きなのだ。


 いつまでも門の外で待っているのも飽きてきた。

 死なないなら多少の無茶もできるし!

 飛び込んでみるか!


「よし、ささっと入ってみるか」

「はい! 私も行きます!」


 リンがさっと手を伸ばすと、俺の手を握る。

 やわらかく、温かい手だ。


 先に一人で偵察する手もある。

 でも一緒に行こう。


 さあ、攻略の時間だ!


 手をつないだまま赤い転送門に触れる。

 いつもと同じ、ふっと意識が飛ぶような感覚――


 ふわりと意識が戻る。

 俺たちはダンジョンの中に入っている。


「迷宮風か」

「ゼンジさんのダンジョンの六階層に似ていますね」


 俺たちは石造りの迷宮の通路にいる。

 通路の幅は二人で両手を広げてもぶつからない程度。


 天井は俺がジャンプしても届かない。

 空中歩行で二段ジャンプすればギリギリ届く。


 いいぞ。

 壁や天井は俺の足場になる。


 武器を振ったり動いたりするのにも支障はない。


「暗くなくてよかったですー」

「壁かけ松明があるおかげだな」


 【暗視】のないリンでも困らない明るさだ。

 暗い場所もあるので【隠密】も使えそう。


 俺のダンジョンの迷宮階層に似ている。


「一応、罠を確認しながら進むぞ。

 ――分身の術」


 罠あり、となっていたからな。

 一階からあるとは限らないが念のためである。


 今回は罠探しローラーを持ってきていない。

 分身を先に歩かせればいいだろう。


 分身、俺、リンの隊列で通路を進む。


 リンがあっと声をあげる。


「通路の先、なにかいます!

 人型みたいです!」


 人型のモンスターか。

 リヒトさんの話ではスケルトンが出ると言っていた。

 あるいは人間――リヒトさんの仲間かもしれない。


 今は隠れる場面ではない。

 敵にバレたとしてもかまうものか。


 俺は大声で確認する。


「誰かいますかー?」


 返事はない。

 かわりに聞こえてきたのはカタカタと鳴る骨の音だ。


 曲がり角から骸骨が姿を見せる。

 動く人骨……スケルトンと呼ばれるモンスターだ。


 顔に表情はない。

 それも当然、顔に皮膚がないからだ。

 眼窩はうつろに落ちくぼみ、そこに眼球はない。


 なにを考えているかわからない不気味さがある。


 スケルトンがカタカタと骨を鳴らし、少し首をかしげる。

 そしてスケルトンは手に握った武器を俺たちに向けた。


 明確な敵意!


 俺は刀を構える。

 戦闘だ!

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