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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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新転送門は赤色で!?

 新しい転送門が現れた。

 暗い赤色だ。


「ふむ、門の色まで違うのか」

「見分けがついていいですねー」


 違いが判るのはいいが、なにか不吉な感じがする。

 赤だから危険という小学生並みに安直な感想だけど。


「それ、あたしも見ていいっスか?」


 どうなんだろう。

 ずっと見せないわけにはいかないよな?


 赤い転送門はダンジョンの入口付近にある。

 普通に通れば目に入る位置だ。

 常に目をつぶって通るのは不便すぎるだろう。


 どうしようか。

 既に耳に入れてしまった情報もある。

 トウコに隠し続けるのは難しいんだよな。


 のけ者にするのはかわいそうだし。


 ま、もうちょい待ってもらおう。


「……大丈夫だと思うが、リヒトさんの状況を確認したい。

 少し時間がかかるからダンジョンで魔石集めしてくれるか?」

「んー。いいっスよ!」


 トウコは少し名残惜しそうにしてから承諾した。

 頭の上の感触に夢中だったからだろう。


 そのままにしていても話は聞いていなかったかもしれない。

 とはいえ、そこまでアホじゃない……よな。



 トウコはギュッと目をつぶり、コンソールに背を向けて立っている。


「で、あたしはどうすればいいんスか?」

「この部屋を出るまでは目隠しを続けてくれ。

 自律分身を同行させる」

「リョーカイっス!」


 【自律分身の術】を発動。


「じゃ、準備するわ」と自律分身。


 準備しろなどと言うまでもない。

 さすが俺。


 自律分身は装備品展示ラックから武器をピックしていく。

 低階層に向かうので防具は身につけない。

 ……と思ったが、鉢金は持っていくようだ。


「じゃ、目隠しするぞ」と自律分身。


 トウコがくねくねと体を動かす。


「うっかりラッキースケベしてもいいっスよ!

 あー! 目をつぶってるから抵抗できないっス!」


 目隠しするつもりが胸隠ししちゃうとか?

 するわけないだろ!


 どれだけ手が滑ったらそうなるんだ。

 それもう、ラッキースケベじゃなくて確信犯だよね。


 痴女か痴漢だ。

 俺は違う。

 本当の紳士を目指しているからね!


 自律分身がトウコにつっこむ。


「よくないわ! 鉢金を巻いておけ!」


 そう言うとトウコの頭に鉢金を被せる。

 ちょうど目を隠す感じだ。


 さすが(自律)

 ちゃんと考えている。


 (本体)はパッと思いつかなかった。

 手で目隠しをしながら連れ歩くと思っていた。


 同じ俺でも、少しの差で考えが変わる。

 自律はトウコを安全に連れ出すことを目的に装備品を準備していたからだろう。


 トウコが口をとがらせる。


「ちぇー!

 店長はヘタレっスねー」


 俺と自律分身が同時に突っ込んだ。


「ヘタレじゃねーわ!」と自律分身。

「節度をわきまえているんだよ!」と俺。


 そんな感じで二人は出発していった。


 少しでも魔石を稼いでくれ。

 メッセージを送りすぎて貯蓄が目減りしたからな。

 まだまだ貯蓄はあるけど減ると気になるんだよね。



 リンが言う。


「リヒトさん、なかなか出てきませんねー?」

「たしかに遅い。

 準備でもしてるのかな?」


 驚いたようにリンが口元を押さえる。


「あっ!? 準備しなきゃいけないのに忘れてましたー!」

「なにか忘れてたっけ?」


 準備はできているはずだ。


 転送門は公儀隠密の拠点だけに通じるようにした。


 公儀隠密のドアはパスワードでロックされている。

 部外者は通行できない。


 俺たちが使っている部屋のドアだけでなく、ほとんどのドアにロックがかかっている。

 公儀隠密の拠点は平時からこの設定だ。


 外部からの侵入も防げるし、脱出もできない。

 権限のないドアは開けられない。


 もしリヒトさんたちが外に出ようとしても阻止できる。


 ドアや壁を破壊されることも考慮している。

 相手はダンジョン攻略者だ。

 スキルや異能で壁を抜ける可能性もあるしな。


 万一に備えてドア前にエドガワ君がいる。

 異能で侵入を阻止できるはずだ。


 さらに武力要員として銃で武装したサタケさんが待機。

 廊下の端にスナバさんとシズカちゃんが狙撃できるよう配置されている。


 御庭はハカセと一緒にネットワーク越しに監視している。

 戦闘が起きればオカダ達の部屋のロックを解除する予定だ。


 万全の態勢と言えよう。


 準備はしたが、戦うつもりはない。

 念には念を入れているのだ。


 戦闘になる可能性は低いと見ているので、大部隊は配置していない。

 御庭曰く「仰々しくするつもりはない」とのことである。


 俺たちも戦闘用の装備に着替えている。

 いつものダンジョン攻略用の装備だ。


 ふーむ。

 準備万端だと思う。


 何か足りないかな?



 リンが困ったような表情を浮かべて言う。


「歓迎用に飾りつけをしようと思ってたんです!

 すっかり忘れてましたー」


 俺は苦笑する。


「ああ、そういう……。

 なくても大丈夫だろ」


 ()(まく)でも用意すればよかったか。


 祝! ダンジョン接続!

 歓迎! リヒト様御一行!


 くす玉でも割るか?

 コウモリ対策のチャフくす玉があるし。


「認識阻害のせいで忘れちゃったのかなぁ。

 喜んでもらえると思ったんですけど……」


 リンはしょんぼりと肩を落とす。

 俺はその肩をポンポンと叩いて慰める。


「しかし遅いなリヒトさん。

 メッセージを確認してみるか」


 管理コンソールをチェック。

 新着アリ。


 二通来てるな。

 ふむ……。

誤字報告、間違いの連絡たすかります!

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