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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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並行世界人の危険度はどの程度か?

 御庭が言う。


「では続きを話してくれるかな?」

「俺が()()()に行くケースは、正直あまり気にしていない。

 帰ってこれるなら問題ないしな」


「リヒト君のダンジョンそのものが危険という線もあるんじゃないかな?」

「入っただけで死ぬとか、復活できないとかだと困るが……。

 そこは事前にリヒトさんに確認してみるよ」


「クロウ君があちらの世界に行った場合、戻ってこれるかが心配だね」

「よほどのことがなければ俺は向こう側に行かないつもりだ。

 俺が心配しているのは、リヒトさんがこっちに来るケースだ。

 招き入れていいのか心配なんだ」


 御庭がまじめな顔で聞き返してくる。


「僕らの()()()()()()問題ないかということだね?」

「そうだ。

 いわゆる異世界転移みたいな感じになる。

 これは世界にとって都合が悪いだろ?」


 異世界と並行世界は違うかもしれないけど……。

 並行世界転移である。

 違う世界から来るんだから、似たようなものだ。



 御庭が言う。


「たしかに異世界人はこの世界にとって都合が悪い。

 でもそれはバレたらの話だ。

 異能やスキルは世界にとって不都合だけど存在している。

 使うだけなら問題ない。

 人に見られなければいいのさ」


 ふむ。

 俺は首をかしげる。


 バレなきゃいいのか……?

 少し納得できないな。


「管理者権限やポーションより、異世界人のほうが危険度が低いってことか?」


 御庭が大げさな手ぶりで言う。


「その通りだよ、クロウ君!

 強い管理者権限は世界そのものを変えてしまうかもしれない。

 これは世界にとってかなり都合が悪い。

 ポーションも同じだ。ケガや病気を恐れずに暮らせるようになるかもしれない。

 それは世界にとって大きな変化だ」


「ああ、そうだな」


 ダンジョンとダンジョンを接続する。

 つまりこの世界と並行世界が間接的につながるのだ。


 それを通じて二つの世界が繋がる可能性がある。


 これはスゴいことだ。

 変化を嫌うこの世界にはスゴく都合が悪い。



 御庭が言う。


「でも異世界人はただの人間だ。

 たいしたことはできないさ」


 ただの人間……?


 リヒトさんとその仲間はダンジョンを攻略している。

 普通の人間とは違う。


「スキルを持っているかもしれないが……。

 ああ、それは俺たちダンジョン保持者と変わらないのか!」

「そういうこと!

 僕ら異能者やダンジョン保持者と同じように、ちょっと変わった人間だ。

 同じ程度に扱われるんじゃないかな?」


 納得した。


 ダンジョン保持者は世界から外来種のように扱われている。

 本来の世界の住人とは異質なものだからだ。

 目立てば追い出される。

 そんな立場にある。


 異世界人も似たような扱いになる……というのが御庭の考えだ。


「なるほどな……。

 リヒトさんたちが余計なことを周囲に漏らさなければ問題ないと。

 それくらいならなんとかなるか……」

「そこは彼らにきちんと説明しておく必要があるだろうね」


「異世界人だとバレたらマズいよな?

 並行世界が存在するとバレることになる」


「そうだね。かなりマズい。

 でも普通なら気づかないんじゃないかな」


「気づかない?

 ああ、見た目は俺たちと同じ人間だからか」


「そうそう。

 異能やスキルは禁則事項だけど、見られても即アウトにはならない。

 まずは見間違いだと勘違いされる。

 大河君が頑丈だったり、トウコ君が銃を撃っても普通の出来事だと認識される。

 これと同じで、異世界人を見ても普通の人間だと思われるはずだ」


 【火魔法】や【分身の術】のような見た目でわかるスキルはマズい。

 トウコがスキルで銃を出しても、実銃だと思われるだけ。

 通報されるかもしれないが、認識阻害はされない。


「以前調査したスゲタリヒト氏のように、こちらで失踪している場合や、死んでいる場合もあるけど、それはどうなるんだ?」

「他人の空似で通せばいいんじゃないかな」


 この世にはよく似た人が数人いると言うし。

 他の世界からきているとは思わない、と。

 そうかもしれない。


「並行世界の自分自身と出会った場合、どうなると思う?」

「それは良くないね。

 見るくらいなら誤解ですむと思う。

 だけど直接話したりすると最悪はパージされると思うよ」


 自分自身と出会ったら、さすがに違和感を覚えるだろう。

 俺は自律分身を見るたび、ちょっと不思議な気分になる。

 慣れていてもそうだ。


 遠目に見るくらいならともかく、会話をすれば怪しまれるだろう。

 生き別れの双子とでも言い張るか……。


 俺は渋い顔でうなずく。


「だよなぁ……。

 親しい人物に会わせるのも危険だな」

「うん」


「それもリヒトさんに伝えておくよ」


 話しておくべきことが色々ある。

 こういうのは事前の根回しが大切だ。


 こちらに来てから行き違いがあっては困るからね。



 御庭が心配そうに言う。


「クロウ君はリヒト君のことを信頼しているようだ。

 だけどあえて言っておくよ。

 リヒト君が悪意を持ってクロウ君を騙そうとしている可能性もある。

 それは考慮しているよね?」


 それは当然考えておくべきことだ。

 考えてはいるが……。

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