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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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世界間通信は救難信号で!?

 --------------------

 差出人:リヒト

 件名:【注意】こちらは後で読んでください!

 本文:


 このメッセージは危険な情報を扱います。


 もし頭痛などの症状が出たら、すぐに読むのをやめてください。

 読めなかった、と返事をください。


 どこまで読めたかを知らせてもらえると助かります。

 分かりやすいように番号を振っておきますね。



 1、こちらとそちらの世界について


 以前お話しした通り、クロウさんのいる世界にも僕が存在していました。

 どちらもスゲタリヒトですが、別人です。


 そちらの僕は数か月前に失踪しています。

 それは僕が世界の防衛力に触れる情報を与えてしまったためでしょう。


 僕の世界にもクロウゼンジさんがいました。

 彼はスラッガーの職業を持っていました。

 今は行方不明になっています。

 あなたと似ていますが別人です。


 ここまでは以前お話しましたね。



 2、並行世界の可能性


 僕の世界とクロウさんの世界は似ています。

 並行世界と表現するとしっくりくるでしょうか。

 パラレルワールドです。


 時間にズレはありません。

 季節や時間、年号は同じです。

 つまり僕はクロウさんから見て未来人や過去人ではありません。


 しかし世界の状況は大きく違います。


 前にクロウさんが挙げてくれた数名の方々と僕は面識がありません。

 こちらの世界のクロウさんとも連絡が取れていません。


 僕は前に、彼らを探しに行けないと言いました。

 その理由を次に説明します。



 3、世界の荒廃


 僕の世界は滅びかけています。


 ある日突然、モンスターがあふれる世界になったのです。

 なぜそうなったのかはわかりません。


 モンスターが街中を我が物顔でうろついています。

 彼らは人々を襲い、多くの人間が帰らぬ人となりました。


 地形が変わり、世界の法則すら変わってしまいました。

 電力を喪失し、通信が寸断され、文明は崩壊しました。


 不幸中の幸いというべきか、僕はダンジョンを持っていました。

 レベルやスキル、ステータスは有効です。

 変わってしまった外の世界でも作用します。


 おかげで僕は生き延びることができました。


 しかし、ほとんどの人々は弱く、生き延びられませんでした。

 そうした中でも成長して生き延びた人がいます。

 今は何人かと合流して共に行動しています。


 その後、僕は生き残った人間を集めました。

 今は僕のダンジョンに避難して、一緒に生活しています。


 荒廃した世界では人間も信じられません。

 何人か、いくつかのグループと争うことになりました。

 残念なことです。

 こんな時こそ人間同士で手を取り合うべきなのに。


 このような理由で外は危険です。

 だから僕はクロウさん達を探すことができません。


 無事だと良いのですが……。



 4、管理者権限の三段階目


 頭痛などは起きていませんか?


 一度、体調をチェックしてください。

 ここでクロウさんが消えてしまっては元も子もありません。


 ダンジョンの外に出ても大丈夫でしたか?


 問題ないでしょうか。

 では、続きを書きます。


 この情報は危険度が高いと僕は考えています。


 管理者権限の三段階目は三十階層を攻略すると得られます。

 僕は先日取得しました。


 念のため補足します。

 この権限をクロウさんが急いで取得する必要はありません。



 三段階目で得られる新たな権限は、別のダンジョンへの接続機能です。

 僕はスキルでダンジョンを解析して、この情報を得ていました。


 そのために仲間と共にダンジョン攻略を進めていたのです。

 これが僕たちが生き延びる唯一の方法だと信じて……。


 この権限を使えば僕のダンジョンと別のダンジョンを接続できるはずです。


 ダンジョンは世界を越えて存在しています。

 別の世界にあるダンジョンも例外ではありません。

 そうであって欲しいと願っています。



 5、お願いしたいこと


 これが本題です。


 クロウさんには、ダンジョンへの接続を受け入れてもらいたいのです。


 僕の管理者権限で『ブラッククロウ』さんの『クローゼットダンジョン』へ接続を申し込みます。

 この申し込みはメッセージで届くはずです。

 これを受け入れていただきたいのです。


 もちろん断る選択肢もあると思います。

 ダンジョンを接続することで、どういうデメリットが発生するかわかりません。

 僕や仲間がクロウさんの世界へ移動できるのか、してもよいのかという問題もあります。


 僕らはクロウさんたちを害するつもりはありません。

 これについては信じていただくほかありません。



 こちらの都合で巻き込んでしまうことは重々承知しています。

 ですがお願いです。


 僕の住む世界は、どうにもならなくなってしまいました。

 このままではいずれ、僕たちは全滅してしまいます。


 僕たちを受け入れてください。

 助けてください。

 --------------------



 俺はメッセージを読み終え、目の間を指でもむ。


「ううむ……」


 ため息をついて頭を振る。


 ちょっと頭が痛くなってきた……。

 これは認識阻害のせいじゃない。

 管理者権限のおかげか、そういう影響はないんだけど……。


 内容が重いんだよなぁ。

 受け入れるのに時間がかかる。


「ふう……リヒトさんは思ったより大変な状況だったんだな」


 リヒトさんが並行世界から助けを求めている。


 前から頼まれていたから、なにかあると思っていた。

 その覚悟はしていたが……。


 しかし思っていたのとは違う。

 向こうの世界が滅びているとまでは思っていなかった。


 それにダンジョンの接続か……。

 接続を受け入れるだけでいいんだろうか。

 それだけで解決できることなのか?


 ダンジョンを繋げたら世界ごと繋がったりしないか?

 心配だ。

 滅びた世界と繋がったらマズい気がする。


 考えることが色々ある。



 俺は深呼吸をして、一通目からメッセージを読み直す。

 どう返事をするか考えなきゃならない。


 いや、一人で考えることではないよな。

 リンとトウコに相談しよう。

 それから御庭にも意見を聞く。


 話はそれからだ!

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[気になる点] 知るだけでやばい情報、相談したり意見きいたらダメだってw
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