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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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遠距離狙撃は弾薬無限で!

「クロウ。少し移動するぞ。血の匂いが濃い」

「はい。敵が少ないのはあっちだと思います」


 俺は今も分身を定期的に放っている。

 敵を寄せるためと、仲間を探すための判断条件を与えてある。


 二人を見つけられる可能性は低いが念の為だ。

 分身が帰ってきた方角が安全だとわかるから無駄にはならない。



 俺の指さした方向を見てスナバさんがうなずく。


「ああ、そちらがいいだろう」


 スナバさんも【探知】で確認したようだ。



 移動するとき、スナバさんはゆっくりと動く。

 速足くらいの速度で、まったく音を立てない。

 足跡すらほとんど残らないほどだ。


 太い木を選び、二人で登る。

 そして狙撃。


 こうしてときおり移動を続けた。

 やはりリンとトウコは見つからなかった。

 もう倒されていると考えるのが自然だろう。


 移動して木に登ってまた狙撃。

 その繰り返し。


 捜索のためもあるが、敵が集まりすぎるのを避けているのだ。

 このダンジョンでは死体が消えるのが遅い。

 血の匂いが肉食恐竜をおびき寄せてしまう。


 ちなみに草食系モンスターは寄ってこない。

 遠目に見かけたが、戦闘にはならなかった。



 敵の数が処理しきれなくなると、集まった恐竜同士の争いが起こる。

 そうなると、より大型の敵が集まってくる。

 これは俺も一人のときに経験している。


 そうなる前にその場を離れるのが正解だ。



 俺はスナバさんにたずねる。


「ここの敵は捕食を持っているんですか?」

「スキルを持っているかはわからない。

 俺には調べる方法がない」


「捕食スキルがあるとモンスターはモンスターを襲うんです。

 そういう動きをしていますよね?」

「ああ。

 ここのモンスターは別の種類のモンスターを食べて成長する」


「じゃあきっと捕食持ちなんでしょうね……」

「たまに同種を食う個体もいる。

 厄介な奴だ。

 どんどん成長して、すぐに手が付けられなくなる」


「こうやって隠れていれば、やり過ごせませんか?」

「数日もすると、隠れてもやり過ごせなくなる。

 早ければそろそろ現れてもおかしくはない」


「こちらを発見する能力を持った個体ですか……」


 これも捕食の結果だろうか。

 今でも、隠密を見破る個体はいる。

 倒せない強さと、知覚能力を兼ね備えた個体が現れたら……。


「そういう個体に見つかると、たいていそこで終わる」

「そうですか……」


 隠密に頼った戦い方は発見されると脆い。

 俺もスナバさんも火力は高くない。


 スナバさんの弓矢の威力はごく普通の武器の威力だ。

 硬いウロコに弾かれることもある。

 皮膚の薄い場所や目などを狙ってうまく倒しているのだ。


 矢より重い石のほうが有効な場面もある。



 スナバさんは攻撃系のスキルは取得していない。


 スキルポイントを割り振る余裕がなかったのだ。

 隠密系や追跡、探知系に多く割り振っている。


 このダンジョンでは、まず隠れないとやられてしまう。

 それゆえ、じっくりと機会をうかがって確実に倒す方針なのだ。


 レベルを上げてもすぐに死ぬので、なかなか上がらないらしい。

 だからスナバさんのレベルは俺たちよりずっと低い。

 でも強い。

 素の技術で戦う部分が大きいんだな。



 今回はスナバさんのレベルは黒字になりそうだ。

 俺もレベルが一つ上がっている。

 仮にデスペナルティを受けても、マイナスにはなるまい。



 足りない威力を補うために矢に【忍具作成】の威力強化をかけてみた。

 しかし劇的な結果は望めない。

 もともと、少し強化できるだけだ。

 敵のタフネスからして、誤差の範囲でしかない。


 まあ、塵も積もれば山となる。

 一応は付与しておく。

 矢は拾って再利用できるし、折れたら再作成の材料にする。

 また修理すればいいのだ。


 こうして昼の間、狩りが続いた。

 二回目の夜が来る。

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