隠密コンビによる弾薬無限コンボ!
スナバさんの話が終わった。
隠れながら敵を狩って移動し、リンが打ち上げた花火の地点へやってきたそうだ。
そうして俺とスナバさんは合流した。
そこからの出来事は俺から話すことにした。
「クロウ。無事だったか」
そこには草と泥で擬態した人影があった。
俺はぎょっとして逃げようとする。
だが直ぐに思い直した。
「……スナバ、さん?」
「そうだ。二人とは合流できなかったようだな」
「……ええ。もう合流は難しいでしょう」
生存が絶望的だ、という意味だ。
トウコの痕跡は見つけていない。
だから、やられたと決まったわけじゃない。
だが、銃声を出すトウコが生き残れる可能性は低い。
もうやられている可能性が高い。
認めたくないが、俺にはわかっている。
スナバさんもわかっているだろう。
スナバさんが言う。
「それを踏まえて、今後の方針を決めたい。
このまま二人を探すか?
適当に間引きして帰るか?」
「そうですね……。
この周辺を探索しながらモンスターを狩る、でいいですか?」
「ああ。いくらか狩れば間引きのノルマは達成できる」
「では、狩りますか!」
その後、俺たちはリンたちの探索をあきらめ、モンスターを倒す方向へ舵をきった。
スナバさんと樹上に潜み、弓と投石で敵を倒す。
水たまりがあれば【水刃】も狙える。
「ほう。水を刃に変えているのか」
そう言いながらスナバさんが矢を放つ。
矢は狙いたがわず遠くの敵の急所を射抜いた。
「おっ! こんな距離でも当たるんですね」
移動する標的へ当てていることから技量の高さがうかがえる。
「倒すだけならな。
しかし、いずれ矢が尽きる」
スナバさんが背中に背負った矢筒を示す。
大きな草を丸めたような簡易な矢筒だ。
矢の数は多くない。
「それなら、もっと近くに引きつけてから撃ってください」
「ふむ……」
俺たちが潜む木の近くまで敵をおびき寄せる。
俺がうなずくと、スナバさんが矢を射かける。
恐竜が倒れる。
投石と分身でトドメを刺す。
死体が魔石に変わり、矢が残る。
俺は手をかざし――
「――引き寄せの術!」
俺の手には矢が握られている。
それをスナバさんに渡す。
「おお……これは便利だな」
スナバさんが回収した矢をつがえ、次の標的を狙う。
俺は笑顔でうなずく。
「じゃ、次々やりましょう!」
俺はそう言い、魔石を回収する。
さらに落ちている石や木の枝を引き寄せていく。
これで石、木、羽根、魔石が揃った。
【忍具作成】で矢を作り出す。
俺の手の中に現れた矢を見てスナバさんが驚きの表情を浮かべる。
「おお、こんなに簡単に作れるのか。
便利なものだな」
「矢は忍者も使うものですし。
――忍具作成!」
俺は次々に矢を量産していく。
弾薬無限モードだ。
これで狙撃し放題である!
敵が足りなくなれば分身で周囲から敵を集める。
まれに樹上の俺たちに気づく個体もいた。
しかし、そいつはスナバさんが狙って倒す。
なにこれ無限コンボかよ!
狩り放題じゃないか!?
合流できればこうも簡単になるんだな!




