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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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全滅からの反省会(スナバの場合)~ジャングル戦士はスニーキングで!~

「俺は森からはじまった。

 普段なら拠点を構え装備を充実させるが、今回は探索を優先して行動した」

「俺たちと合流するために動いてくれたんですね」


「そうだ。当然だろう。

 それから、鳥を見つけて倒した」


 鳥?

 俺はそれらしき姿を見なかった。

 ダンジョンに普通の鳥はいないはずだ。


「鳥のモンスターがいるんですか?」

「鳥と呼んでいるだけで、動物ではない。

 小柄な恐竜で翼がある。

 ニワトリに似ているが大きく、狂暴だ」


 鳥に似ている恐竜か。

 ニワトリはほとんど飛ばないし、どうなんだろう。


「そいつは飛ぶんですか?」


 飛行モンスターは厄介だ。

 俺にとっては気になる存在である。


「木の上へ飛び上がるくらいだな。

 長い距離を飛ぶのは見たことがない」


 となると樹上も安全ではないな。



 トウコがスナバさんへ言う。


「トリ恐竜は弱いんスか?」

「弱いが、すぐに逃げる。

 素早いから素手で倒すのは難しい。

 石を投げたり、囲いに追い込むなどの工夫がいる。

 追いつめると反撃してくるから気をつけろ」


「木の上で鉢合わせたら危ないかもしれないですね」

「そうだな。

 ともかく、これで羽根が手に入った」


「ハネなんか、なにに使うんスか?」

矢羽根(やばね)に使う。

 矢が安定して飛ぶようになる。

 これがないと飛距離や精度に影響する」


 矢じりの逆側についている羽根だ。

 ただの飾りではない。


 トウコは納得したようにうなずく。


「へー。そうなんスね!」

「葉からも作れるが、羽根のほうが精度がいい」


 羽根は軽くて頑丈だしね。


「ということは弓矢を作ったんですか?」

「ああ。

 石斧を作り、木を切って弓を作った。

 細い枝から矢を作り、羽根をつけて完成だ」


「おおーっ!

 なんか、たくさん作ってるっス!」


 説明は省いているのだろうが……。


「弓を作るのは時間がかかりますよね。

 スキルで作っているんですか?」

「ああ、木や石を加工するスキルを使っている」


「もしかして木材加工ですか?」

「ああ。そうだ。

 木材加工と石材加工だ」


「木材加工!? 俺も持ってますよ!」

「ほう。奇遇だな」


 こんなスキルがかぶるとは……。

 忍者とレンジャーは似ているのかもしれない。


 スナバさんが言う。


「最低限の武器と腰巻を作り、泥を塗って先へ進んだ。

 探知スキルで探したが、周囲には誰も居なかった」


 【探知】か。

 最初にシズカちゃんを見つけたときにも使ったと言っていたな。


「人を探すスキルなんですか?」

「モンスターやモノも探せる。

 普段はモンスターを避けるために使っている」


「へー。便利っスね!」

「倒しやすいモンスターを狩りながら探索を続けた。

 夜、オトナシの花火が見えた。

 翌朝、クロウの足跡を発見して追いついたんだ」


「そう言えばあのとき俺は隠密状態だったはずです。

 探知スキルで見破ったんですか?」


「そうだ。

 しかし探知も万能ではない。

 クロウの姿はかなりぼんやりとしか見えなかった。

 足跡からだいたいの位置の目星をつけて、やっと見つけたんだ」


「ああ、そういうことですね。

 隠密じゃ足跡は消せないからか……」


 【隠密】は俺自身を発見されにくくする。

 【消臭】や【消音】で俺自身が出す痕跡は隠せる。


 しかし足跡は隠せない。

 枝を折ったり、草を裏返したりした痕跡が残る。

 それを追って発見してくれたんだな。


 自分が探すことばかり考えていた。

 探されることも考えなきゃ、合流できないんだ。



「さっきクロウが話した部分まできたな」

「では続きは俺から話します。

 スナバさんと合流してから――」

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