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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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ジャングルの戦士は泥雨合羽で!?

「というわけで、スナバさんと合流できたんだ」

「しかし残念っ!

 全裸じゃなかったんスね!」


「残念がるな!

 俺もスナバさんも服は着てたよ!

 スナバさんのは服というよりギリースーツかもしれないけど」


 スナバさんが言う。


「草を重ねて紐で縛った程度のものだ。

 雨をしのぐために必要だった」


 草のレインコートというわけだ。


「顔が泥だらけで、びっくりしましたよ……」


 スナバさんが水の中から現れる姿を想像する。

 ナイフを口にくわえて、無言でせり上がってくる。

 真顔なのが怖い。


 スナバさんは淡々と泥コーティングの利点を語っている。

 真顔だ。


「泥を塗れば日焼け止めになる。

 体臭も隠せるし、寒さもしのげるぞ」


「スナバんは泥推しっスね!」

「服を作る時間がなければ、泥だけでも十分なくらいだ」


 トウコがニヤニヤ顔で言う。


「全裸泥っ! これは新ジャンルっス!」

「なんのジャンルだよ!?」


 スナバさんが淡々と続ける。


「グラデーションをつけて塗れば迷彩効果もある。

 次はやってみろ」


 合理的である。

 別にスナバさんが泥推し、泥マニアなわけではないだろう。

 マジメに語ってるのがなんか面白い。


 しかしリンは若干ひいているようだ。

 まったく乗り気でなさそうに言う。


「そ、そうなんですねー」


 まあ、やってみろと言われてもね。

 女子力下がりそうだよね。


 いや、どうだろう。

 泥パックはお肌にいいかもしれないぞ。


 見た目的にもアリかもしれない。


 綺麗な肌を覆うヌメヌメした泥。

 肌に模様がつくことで立体感が増す。

 汚れた感じが背徳的だ。


 見てみたい気が……。


 いや、違う!

 想像で新ジャンルを開拓している場合ではない!



 俺は言う。


「隠密の効果が高まるならやってみようかな。

 見た目はちょっと微妙ですけどね。

 新手のモンスターだと思って逃げそうになりましたよ」

「俺のダンジョンに人型のモンスターはいない」


 素の返しが来た。

 冗談通じないな。


 ジャングルっぽくても人型の捕食者はいないらしい。

 赤外線視覚を持っていて人間狩りをする忍者っぽいヤツ。


 泥で熱感知を欺けるかもしれないが、立ち向かう勇気はない。

 いないなら安心だ。



 トウコが言う。


「でも妖怪アマガッパは居たみたいっス!」


 妖怪雨合羽?

 聞き覚えがない。

 ありそうだけどない。


「そんな妖怪いたっけ?」

「今考えたっス!

 泥ガッパでもいいっスね!」


「やめろ!

 ヘンなあだ名をつけるんじゃない!」


 泥アマガッパ呼ばわりはさすがに失礼だろ!

 相撲で泥沼に引き込まれるぞ!


 怒らせたらホントに沼に沈められそうだ。

 口に出していじることは控えよう。


 スナバさんが少し黙る。

 あ、いかん。

 さすがにスナバさんの話だとは気づくよな。


「……それで、話の続きはどうする?

 合流したあとのことは俺から話すか?」


 よかった。

 怒ってないようだ。


 というか、怒ってもいいと思う。

 ほとんど心の中だけだが、俺も調子に乗ったかもしれん。

 俺はスナバさんにマジメな顔を向けて言う。


「それなら、合流前の部分から話してもらえますか?」

「いいだろう。では――」

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