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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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オーバーチャージ! 魔力充填百二十パーセント!

 トウコの新スキル候補は【オーバーチャージショット】だ。


「オーバーチャージ?

 説明はどうなっているんだ?」


「銃弾に過剰(かじょー)な魔力をこめて発射する――っス!」


「過剰な魔力て。

 使う前からヤバそうじゃねーか!」


 トウコはワクワクした表情で言う。


「でも強そうっス!

 試してもいいっスか?」


「スキルは好みで取ればいいと思うが……。

 最初は慎重にやれよ?」


「んじゃ、さっそく取得っス!」



 トウコがマグナム銃を構えたが、俺は手をあげて止めた。


「ちょい待ち! 普通の拳銃にしとけ!」

「うぇ? どっちでも同じじゃないっスか?」


「まあ、一応な。

 暴発して大ケガしたら困るだろ」

「と、トウコちゃん気をつけてね!」


「リン。少し離れよう。盾を構えてくれ」

「うえぇ? 心配しすぎじゃないっスか?」


 俺はポーションの小瓶を振ってトウコに見せた。


「だから、念のためだよ。

 ポーションを用意しておくから安心して撃て。

 骨は拾ってやる」


 そこまで言うと、さすがに心配になったのだろう。

 トウコが表情を引き締めた。


「じゃあ、ちょっと弱めにするっス!」

「おう。そうしろ」


 トウコが銃を構える。

 油断なく両手でしっかり銃を保持している。


 銃口が輝き始める。

 いつものチャージショットとさほど変わらない。


 トウコが驚いたような顔で言う。


「おおっー!?」

「どうした?」


 トウコの頬に一筋の汗が流れる。


「吸われるっ!

 魔力が吸われる感じっス!」


 銃口に集まる光はいつもよりも激しい。

 その光がどんどん大きくなっていく。


「溜めすぎるなよ! 早く撃て!」


「りょっ!

 オーバーチャージショットーっ!」


 トウコが引き金を引くと激しい銃声が響き渡る。

 銃が強烈な反動で跳ね上がった。


 銃口から発射炎が噴き出し、ぱっと周囲を明るく染める。

 銃弾の軌跡が遥か彼方まで伸びていく。


 おお……!

 派手だね!?



「おわわっ!?」


 トウコがすっとんきょうな声をあげ、尻もちをつく。

 反動が大きかったらしい。


 手に握られていた銃がボロボロと崩れていく。

 そのまま塵となって消えてしまった。


「トウコちゃん! 大丈夫!?」

「へ、へーきっス!」


「銃が壊れたな。手は大丈夫か!?」


 トウコが手をひらひらと振る。


「ケガはないっス!

 ちょっとビリビリするだけっス!」

「そうか。それならいいが……」


 撃つたびに銃が壊れるのか。

 これ、ダメなやつじゃないか?


 トウコが満面の笑みで言う。


「これは派手でいいっスね!

 気に入ったっス!」


「気に入ったのか……」


 なんとなく、そう言うと思った。



 その後、新スキルをいろいろと試した。

 チャージ時間を増やしたり、銃を変えたり、弾を変えたり。


 ショットガンでもマグナム銃でも使える。

 【中級銃創造】で出せるマシンピストル、ポンプ式ショットガン、レバアクショットガン、リピーターライフルでも撃てる。


 そして、どの銃も撃つと壊れた。

 残弾があってもなくても、すぐに壊れる。


 反動はかなり強い。

 しっかり構えて撃ってもバランスを崩してしまう。

 命中精度は悪い。

 チャージするときに強く魔力を吸われるらしく、狙いがぶれるのだ。


「あー! ブレブレっス!」

「遠くを狙うのは無理そうか?」


「ムリっスね!

 室内ならなんとか当たるくらいっス!」


 俺やトウコのダンジョンくらいの距離感なら当たる。

 草原ダンジョンのような広い場所で、遠くの敵を狙うことはできない。


 魔力消費は【チャージショット】よりも大きい。

 クールダウン時間が長く、連発はできない。


 およそ一分に一発だ。

 再使用までが長いので、一度の戦闘中に使えるのは一度だろう。


 ロマンはあるが、普段使いには向かない。

 ボス戦で最初に使うのはいいか。



 トウコは肩で息をしている。


「はあっはあっ!

 じゃあ、もう一発っス!」


「もうちょい休憩しろよ。

 魔力消費が激しいんだろ?」


 トウコが楽しげに言う。


「新技をブッパするのはたまんないっス!

 どうせならボスにぶちこみたいっスね!」


 気に入ったスキルを試したい気持ちはよくわかる。

 でも魔力消費が大きいのだから、無理はよくない。


「今日はもう充分だろ。明日にしようぜ!」

「んー。そうっスね」


「そういえば、明日はスナバさんのダンジョンを手伝うんでしたよね?」


「ああ、そうだったな。

 そこで状況を見て使うのもいいだろう」


「いいっスね!

 スナバんをびっくりさせるっス!」


 スナバさんのキャラ的に、驚かせても喜ばないと思うけどな。

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― 新着の感想 ―
某C-RPGの武器のファイナルストライクとか充填率120%の波〇砲みたいなもの?
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