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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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ボス攻略はハメ殺しで!?

 先へ進もうというトウコの提案に、俺は首を横に振る。


「いや、今回も先へは進まない。

 試しに進むには、このダンジョンは危険すぎる」


 俺の言葉にリンが同意する。

 めずらしく口調が強い。


「そ、そうです!

 またケガしたり……誰かが死んじゃうのはいやです!」


 リンの表情にあるのは少しの怯え。

 そしてそれよりも強い心配の色。


「二人がそう言うなら、あたしは文句ないっス!

 んじゃ、ボス狩りっスか?」


 ボスを倒せば脱出用の転送門が出る。

 律儀に五ウェーブまで居残る必要はないのだ。

 ほとんどの場合、俺たちはこの方法で脱出している。


「ああ。そうしよう。

 いつも通り、ボスを倒して抜ける。

 俺の検証はここでなくてもできるからな」


「リョーカイっス!」

「はいっ!」


 方針が決まった。

 ボスを倒して、このダンジョンから抜けよう。



 ボスがいるのは厨房(ちゅうぼう)だ。

 厨房へは食堂から行ける。

 食堂はエントランスホールに隣接している。


 食堂のドアは施錠されており、本来は鍵が必要だ。

 しかし鍵を探す手間は省略する。


「んじゃ、ぶっ壊すっス!」


 そう言うとトウコが発砲。

 ショットガンでドアを破壊する。


 このダンジョンには探索や謎解き要素がある。

 しかし、ギミックなど知ったこっちゃない。


 鍵がないならぶち抜けばいいじゃない!

 という発想だ。



 ボスはこの先に固定配置されている。

 だからこの方法なら、一ウェーブからだってボスを倒せるのだ。



「じゃあリン。

 いつも通り索敵とあぶり出しを頼む」


「はーい。

 システムさん。お願いねー!」


 リンが【サポートシステム】を厨房へ送る。


 【魔力知覚】で料理人(ボス)ゾンビの位置を確認。

 部屋の外から魔法攻撃の準備を始める。


「ファイアウォール!」


 リンの魔法が発動し、厨房に炎が広がる。

 食堂が炎に明るく照らされることで、それが俺にもわかる。



 壁の奥から叫び声が聞こえる。


「グゥゥォォ!」


 大音声に空気がびりびりと震える。

 料理人ゾンビの声だ。


 うーん。

 さすがの迫力!


 こちらの姿が見えない状況でボスは炎にあぶられている。

 さぞ驚いていることだろう。


 いや、ゾンビは驚いたりしないかな?

 どうだろう。

 怒っていそうな声ではある。



 どすどす、という重量感のある足音がする。


 来た来た。

 こっちに向かってくるようだ。



 リンが言う。


「もうすぐボスさんが厨房から出てきます……。

 三……、二……、いち……。

 いまですっ!」


 戸口から料理人ゾンビの大柄な体が姿を現す。

 奴がホールの戸口にいる俺たちを見つける。

 こちらを指差し、なにかを言おうと口を開く。


「イィ――」


 しかし俺たちはそれを待たない。

 登場演出など見飽きたし、待っていられない。



 リンの掛け声に合わせ、

 トウコがマグナム銃の引き金を引く。


 その銃口は派手に光り輝いている。


「チャージショットォ!」


 銃が反動ではね上がる。

 轟音(ごうおん)をあげてマグナム弾が発射された。


 弾丸は高速で飛翔して、光の弾道を残す。

 命中。


 マグナム弾が料理人ゾンビの防護膜を突き抜ける。

 血で汚れた前かけ(エプロン)を貫き、

 その奥のでっぷりした腹に穴を穿(うが)つ。


「――ィィィトォォォ!」


 だがボスは健在。

 腐肉(ふにく)をまき散らしながらも倒れない。


 手にした巨大な皿をフリスビーのように振りかぶる。

 皿の上には得体のしれない肉片が乗っている。


 しかし投げることはできなかった。


 リンが突き出した手の先にはすでに大きな炎の槍が形成されている。


「ファイア――ランスーッ!」


 詠唱と共に炎の槍が放たれる。


 空中を駆け抜け、一直線に飛んだ魔法攻撃が先ほどトウコが撃ち抜いた箇所へ着弾する。

 料理人ゾンビが炎に包まれ、もがき苦しむ。

 その結果、投げようとしていた皿が床に落ちて砕け散った。


 よし!

 投擲は阻止された!


 このまま何もさせずにハメ殺すぞ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 汚物投擲は古来より存在する強烈で極悪な攻撃であるw 普通は城攻めなんかでやるんだけどねー
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