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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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第五ウェーブ? ボス狩り? それとも、続き?

 第四ウェーブが終わる。


 戦闘中では【ピアススラスト】を様々な角度で試した。


 結果――斬撃は扱えなかった。

 突きの動作でしか発動しない。


 できるはずだと期待した。

 スラッシュでも突けると意識した。

 スキルは柔軟だと思い込んだ。


 だが駄目だった。

 スラストで斬撃はできない。


 仕方ない。

 そういうものだと理解した。


 仕様なのだ。

 そう納得するほかない。



 あと残る検証は……ヒットポイントに対する効果だ。

 トウコの【ピアスショット】では防護膜を貫きやすくなる。

 おそらく似た効果があると期待している。


 冷蔵庫ダンジョンのボスである料理人ゾンビで試すか?

 奴ならヒットポイントを持っているが……。



 トウコが銃に弾を込めながら俺を見る。


「店長。五ウェーブはどうするんスか?

 いつも通りボスを倒して抜けるっスか?」


「そうだな……。

 さっきのような事故もある。

 敵が多くてスキルも試しにくい。

 脱出しよう」


 五ウェーブまでいくと敵が多くなる。

 最初の攻略では突破が絶望的だったが……。


 槍を持たせた分身やバリケードを設置すれば攻略できる。

 何度かそうしてクリアしたこともある。


 今回は【片手剣】をメインにするために分身は使っていない。



「んー。あたしは六ウェーブもイケると思うっス!

 店長。どうスか?」


 今ならどうだろう。

 レベルも上がったし、三人とも強くなった。


 装備もあるし、選べる手段も増えた。

 【水忍法】を使えば比較的楽に突破できそうだ。


 しかし過信はすまい。

 油断はすまい。


 俺たちはまだ、六ウェーブへ進んだことがないのだ。


 五ウェーブを突破すると、

 六ウェーブがはじまる前にも転送門が出る。

 ここで脱出するので、その先は見ていない。


 間引きのときは、ボスを狩って脱出している。


 どちらにせよ、六ウェーブ以降へ進む気はない。

 危険だからだ。

 五ウェーブ時点でも何度も死んでいるからな。



 先へ進むのはリスクしかない。

 なにしろ、このダンジョンでは特殊な敵が出る場合がある。


 窓際や屋敷の外など、霧が濃い場所に行くと現れる。

 これはおそらく霧のせいだ。

 今回はエントランスホールにいたから影響はなかった。



 なにかを考えると関連した敵が現れるのだ。

 想像や恐怖が具現化するとでもいうか。


 この敵の強さはウェーブと関係がない。

 トウコの場合、それほど害のないものだった。


 俺の場合は壁を這う窓女が現れた。

 こいつは強敵だ。

 とはいえ倒せないほどではない。


 リンの場合は巨大な窓女だ。

 巨大な、強敵だ。

 とんでもなく強い。



 巨大窓女が現れたとき、トウコが死んだ。

 トウコはゾンビの職業を持っている。

 死んだからと言ってタダでは終わらない。

 【復活】して【狂化】した。


 そうして理性の消えたトウコと巨大窓女の戦いが始まった。

 怪獣大戦争状態になったのだ。


 トウコは死んでもダンジョンの外に排出されず、中で復活してしまう。

 死んで復活の繰り返しだ。


 そんな状態で六ウェーブがはじまったらどうなるか?

 もしかすると二度と抜け出せないかもしれない。



 ここには、そのリスクに見合うだけの旨味はない。


 まず、アイテムが持ち出せない。

 外に出ると、入ったときと同じ状態に戻るからだ。

 宝石や服飾品を持っていても消えてしまう。


 敵から入手しても、置いてあるものを集めても意味がない。

 結局持ち出せないのだから徒労に終わる。



 ダンジョン外と時間の流れが違うので、経験値稼ぎには使える。

 今回のように検証するのも悪くない。

 しかし、精神的な疲労が重いので何度も潜る気は起らない。



 というわけで結論。

 冷蔵庫ダンジョンの攻略は最低限にする。



 先へ進もうというトウコの提案に、俺は首を横に振る。


「いや、今回も先へは進まない。

 試しに進むには、このダンジョンは危険すぎる」

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― 新着の感想 ―
[一言] 他のダンジョンと違って儲けの要素がうっすいからねー 美味い肉もないし逆に臭いしw
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