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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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部位切断はごり押しで!

 三ウェーブ。

 走るゾンビ――ランナーが威嚇音(いかくおん)を放つ。


「ッシャアア!」


 そして両手をばたつかせるようにして走ってくる。


 ゾンビにしては素早いが、その程度の動きだ。

 いまさら驚きはしない。


 とはいえ、よくこんなバランスの悪い姿勢で走れるものだ。

 俺はどうでもいいことに感心する。


 俺は手の中でナタを回転させ、逆手に握る。

 自然に脱力して、だらりと手を下げて待ち受ける。


 ゾンビと俺が交差する。


「カアアアア!」

「――パワースラッシュ!」


 ゾンビの腕をかいくぐりながらナタを打ち込む。

 スピード重視の動きに(パワー)が加わった、鋭い一撃だ。


 これなら切れ味の悪いナタでも充分な威力になる。


 そのまま走ってきたゾンビとすれ違う。

 背後で鈍い音が聞こえる。

 ゾンビが倒れて床に激突する音だ。


 糸が切れた人形のように、慣性に従って床に激突したのだ。


 充分なダメージにより、トドメを刺すまでもなく塵化。

 魔石が生成されて床に転がる。


 俺はそれを【引き寄せの術】で手中に収める。



「おーっ! 強いっス!」

「かっこいいですね!」


 【パワースラッシュ】で敵を倒すと二人の受けがいい。

 【ファストスラッシュ】は速すぎてよく見えないのかもしれないな。


 まあ、喜んでくれるんだから悪い気はしない。



 俺は一息つきながら言う。


「これで【パワースラッシュ】のことはだいたいわかったな」


 リンがどことなく嬉しそうに微笑んでいる。


「ゼンジさん。気に入ったみたいですねー?」

「ああ。悪くないな」


 取得する価値はあると思う。



 トウコが訝しげに言う。


「でもファストスラッシュで良くないっスか?

 いつもとあんまり変わらないっス!」


 あ、それ言っちゃうかのか。

 トウコの疑問はもっともだ。

 そして的確な意見でもある。


 正直、現段階ではファストスラッシュのほうが強い。

 これはスキルレベルの差である。


「ファストは速度で、パワーは力だ。

 敵を倒せるって意味じゃ同じだけど全然違うぞ」


 俺の言葉にリンが不思議そうな表情を浮かべる。


「あれ? そうなんですか?

 今日のゼンジさんはすごく簡単に敵さんを倒していると思ったんですけど……」


「それは技を試すためにわざと派手にやっているからだな。

 普段は小技で堅実な戦い方だから、地味かもしれないけど」


 人間の首や腕を斬り落とすのは難しい。

 俺は剣の達人ではないからだ。


 皮膚、脂肪、筋肉、骨。

 それを一太刀で斬り落とす。


 できないことではない。

 鋭い刀を正しい角度で振り抜けば切断は可能だ。


 だが俺の場合、当たり所が良ければ成功する程度だ。

 毎回確実に成功させる、というのが難しい。


 オカダの腕を斬ったときなどは運がよかった。



 しかし俺は運を頼るような攻撃は選ばない。

 急所を切り裂き、失血死させればそれでいい。


 確実に成功させるまで練習するのもいいが、

 モンスターごとに体の構造が違うことやヒットポイントの存在がそれを難しくしている。



 リンは地味という言葉を聞いて、ぶんぶんと首を横に振る。


「い、いえいえ!

 普段のゼンジさんもかっこいいですよ!

 今日はいつもと違う良さがあるという意味で!」


 妙に熱のこもった弁明に俺は苦笑を浮かべる。


「お、おう。ありがとう」


 今回は首を刎ねたり頭の鉢を飛ばしたりしている。

 頭部への攻撃を普段は行わない。


 頭蓋骨は硬く、刃が弾かれて滑るリスクがある。

 そういうスキを嫌って避けているのだ。


 腰骨や大腿骨などの太くて硬い骨も同じだ。

 あえて狙うべき部位ではない。


 今回はあえて、検証のために力ずくの攻撃を試している。

 スキルの力をステータスに上乗せすれば、無理やり破壊できる。



 パワースラッシュを鍛えれば、

 こういうごり押しで力を発揮するだろう!

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― 新着の感想 ―
[一言] 頭というか顔への攻撃は眼窩にエグりこむ攻撃が とても有効というか普通死ぬけどゾンビにはどうなんだろうねぇ…
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