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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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ショウタイムの始まりだ! その2

 冷蔵庫ダンジョンはウェーブ制だ。

 毎回(いち)ウェーブから始まり、だんだん進行していく。

 ウェーブが進むと敵が強くなる。


 (いち)ウェーブが終わった。

 今は敵が現れない小休止の時間だ。



 トウコが俺の顔を見る。


「店長。二ウェーブはどうするんスか?」


 以前ならまず物資や弾丸を集めていた。


 でも今回は必要ない。

 トウコはスキルで弾丸は生成できるようになった。

 武器や靴も持ち込んでいるから、ここでの調達は不用だ。


 暗い場所は危険が増す。

 だがこれも照明器具を持ち込んで解決済だ。


 前までは燭台や火を手に入れるのがちょっとした手間だった。

 今は最初から攻略体制は整っているのだ。



 俺はトウコの言葉に答える。


「ニウェーブもこのまま行く。

 スキルの検証をしたいから、なるべく俺にやらせてくれ」


「りょー」

「はいっ」


 まだ敵の湧きは少ないから、俺一人でも倒しきれそうだ。


「俺と逆側に出た敵は倒してくれ」

「オッケーっス!」

「わかりましたー」


 敵が湧く位置は一か所ではない。

 走り回って遠くの敵を倒すのは面倒だから、二人に処理してもらう。

 二人なら遠距離から攻撃するだけで倒せるだろう。



「ウゥ……」


 二ウェーブがはじまり、ゾンビが現れた。


 俺はすかさず走り寄る。

 間合いに入り、ナタを振り上げる。


「パワースラッシュっ!」


 横なぎに一閃する。

 ぐん、と力が加わり、刃が走る。

 狙いは首。


 ゾンビは(かわ)そうともしない。

 こちらに手を差し伸べ、うつろな表情を浮かべている。


 ――その首が飛んだ。

 落ちた頭部が床で跳ね、重い音を立てる。



 トウコが興奮して前のめりになって叫ぶ。


「おおーっ! クビ斬りっス! つよーっ!」


 たいしてリンは、少し顔を青ざめさせる。


「う、うわぁ……!?」


 頭部を失ったゾンビがぐったりと膝から崩れ落ちる。

 そして、切断面から血を噴き上がらせる。


 スプラッター!


 俺は血の雨が降りかからないよう距離を取る。


 ずいぶん派手に血が出るな!?

 心臓は動いていないだろうに!


 少しして、首を失ったゾンビが塵になって消える。

 トドメを入れるまでもない。

 一撃で充分なダメージを与えたようだ。



 その後も【パワースラッシュ】を試していった。


 動きの遅いゾンビは試し斬りにうってつけ。

 走ってくるゾンビもいるが、コウモリやワニに比べれば斬りやすい。


 【パワースラッシュ】の威力は素晴らしい。

 名前の通り、パワフルである。

 威力では【ファストスラッシュ】を上回る。


 力加減も、使ううちに慣れてきた。

 もっと練習すれば使いこなせるだろう。



 【パワースラッシュ】には武器の振り方に縛りがないのが良い。

 スラッシュ系のスキルには縛りがないのかもしれないな。


 これとは違って【打撃武器】の【フルスイング】には縛りがある。

 名前の通り、全力で横攻撃(フルスイング)しなければならない。


 スラッシュ系は縦斬りでも横斬りでも使える。

 加えて刺突(スラスト)も許されている。

 【ファストスラッシュ】でよく突きを使うから間違いない。


 でも、言葉の意味からするとおかしい……と思う。

 スラッシュは斬りつけるという意味になる。


 斬るのと突くのは別物だろう。

 刺突できてもいいのかね?



「いかん、いかん」


 俺は首を振って、その考えを追い出す。

 不利になることを考えてはいけない。

 スキルは使い手の思い込みや意識の影響を受けてしまう。


 まあ、ちょっと考えたくらいで刺突が使えなくなりはしない。

 これまでさんざん使ってきた実績がある。


 使えて当然。

 そういうものである!


 絶対そうだ。

 間違いない事実だ!


 よし!

 認識完了!

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― 新着の感想 ―
[一言] プラシーボ効果でスキルの幅が広がるんだから便利だなぁ
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