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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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冷蔵庫の間引きと装備ピックアップ! その2

 俺は武器をロストする心配をしている。

 あっけらかんとトウコは言う。


「まー、死ななきゃオーケーっス!」


 死ななきゃ失わない。


「それはそうだ。

 でも死ぬときゃ死ぬ。

 冷蔵庫ダンジョンはそういう所だろ?」


 何度も潜ったダンジョンだ。

 最初と違って勝手はわかっている。


 レベルも経験も当時とは違う。

 もう簡単に死んだりしない。


 だがあのダンジョンは油断できないのだ。

 もちろん俺はいつだって気を引き締めてダンジョンに臨んでいる。


 モンスターの強さは今更どうということはない。

 そのうえで、どうにもならない危険がある。


 ダンジョンの特性。あるいは設定。

 冷蔵庫ダンジョンでは妙なことが起きる。


 簡単に言えば運が悪くなるのだ。

 床が滑ったり、柵が折れたり、シャンデリアが落ちたり。


 そういった不運で事故る(死ぬ)可能性がある。


 もっとも、俺は運なんて信じていない。

 確率や統計、偶然……。

 そういうものはあるかもしれない。


 俺は幸運を期待して動くべきじゃない、と考えている。


 イチかバチか運に賭けるより、

 きちんと準備してから勝負をしたい。


 しかし冷蔵庫ダンジョンには、

 運が存在していると思わせるなにかがある。

 幸運ではなく不運のほうだが……。

 とにかく都合の悪いことばかり起きるのだ。


 確率的におかしいと感じるほどに、それが頻発(ひんぱつ)する。


 その不運が冷蔵庫ダンジョンの難易度を上げている。



 もちろんトウコがそのことを忘れているはずはない。

 身に染みて知っている。


 たぶんトウコは、死んでもしょうがないと考えているのだ。

 そう割り切っている。



 トウコは楽観的な顔で言う。


「そーっスね!

 べつに生き返るから平気(へーき)っス!

 生きてさえいればどーとでもなるんスよ!」


「ま、それもそうか。

 装備はまた作ればいい。

 俺も少し持っていくことにするよ」


 リンは大きな盾を持ち上げて言う。


「うーん。でも私はこっちの盾にしまーす。

 ゼンジさんが作ってくれた盾は、なくしたくないので……」


 俺も刀や防具は置いていこう。


 というわけで防具は公儀隠密の備品を使う。

 防刃素材の洋服だ。


 武器は……。

 武器庫から持ち出した量産品の刀にするか?


 コボルドの悪性ダンジョンで使った刀と同じもの。

 何本も同じ物が武器庫にはある。


 これも悪くないが、強度が今一つなんだよな。

 コボルド戦では棍棒でへし折られたし。


 まああれは、刀で棍棒を受けたのが悪い。

 受けたり打ち合うのは俺のスタンスじゃない。

 ああいうヒーロームーブをすると死ぬ。



 となると――


 俺は壁の展示ラックに目を走らせる。

 目についた武器に手を伸ばす。


 手に取ったのは最近はあまり使わなくなった武器だ。


 斬ってよし、殴ってよし、投げてよし。

 持ち運びもしやすく、手になじんだ武器。


 冷蔵庫といえばコレ!

 ゾンビと言えばナタ!


 これは無加工品なのでダンジョン外にも持ち出せる。

 腰袋や防刃手袋も持って……。

 いや、この手袋はややショボい。


 ホームセンターのものではなく公儀隠密の装備品を使おう。

 スタイリッシュで高そうな手袋だ。


 いつもなら棒手裏剣も持っていくが、今回はいらないだろう。

 ナタ一本で充分だ。



 持っていくのは作ったばかりの忍具――強盗提灯(がんどうちょうちん)だ。

 暗闇が危険地帯になる冷蔵庫でなら活躍できるだろう。

 もしロストしたら、また作ればいい。


 【忍具収納】から忍者刀(ルーシー)を取り出し、代わりに提灯を入れる。


 他に収納に入っているのは治癒薬(赤色ポーション)状態異常回復薬(リカバリーポーション)のしみ込んだ手拭いだ。



 これでよし!

 準備が整った!

 いざ、冷蔵庫ダンジョンへ!

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[一言] ゾンビ退治といえば… バールのようなもの!
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