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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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管理者権限によりあの情報が解禁されたぞ!

 軽量化した装備一式を着て、具合を確かめる。

 刀を振って動きを再確認。

 その場で飛んだり、宙返りをしたり。


 うん。軽い。

 軽くなった分、手足に防具を装備してもいいだろう。


 とすると――

 忍者装束の時に使っていた防刃手袋と手甲。

 そして足防具の脚絆(きゃはん)


 これを改良して軽量化すれば、

 前の装備とそう変わらない動きができそうだ。


 と、考えていると――

 転送門からリンが飛び込んできた。


「ゼンジさーん! お昼ごはん一緒に食べましょう!」


 午前の授業が終わったらしい。

 もうそんな時間か。


「おう。んじゃ、着替えるからちょっと待ってくれ」

「あれ? そのお洋服、なにか変わりました?」


 ん? わかるのか?

 見た目にはあまり変わらないはずだ。


 服の内部に埋め込んだパーツの違いだぞ。

 ちょっと厚みが違ったりはするかもしれないが……。


「ああ。ちょっと軽量化したんだけど、わかるのか?」

「はい! このあたり、ちょっと薄くなりましたよね?」


 と言うとリンは手を伸ばして俺の胸板をなぞる。

 ちょっとくすぐったい。


「ん。ああ。カマキリの素材に換えたんだ。薄くて軽いんだよ」


 リンの息が荒くなる。


「ああ……そうですよね。

 体温が伝わってくるくらい薄くて、硬くて……」


 リンは頬を紅潮させ、俺の胸でのの字を描く。


「お、おう……。じゃ、着替えてメシにしようか」

「あ……はい」


 リンがすっと離れる。


 ふう。いかんいかん。

 飯を食う前にリンをいただいちゃうところだった。



 俺は装備を外してリンと外へ出る。

 食堂に移動して飯を注文する。


 今日は麻婆豆腐定食。

 辛さはひかえめだが、なかなかうまい。


「それでゼンジさん!

 管理者権限について調べたんですよね?

 どうでしたか? 講義中も気になっちゃって……!」


 リンが期待に目を輝かせながら言う。


「ああ。調べたぞ。まず一つ目。

 ステータスウィンドウから管理コンソールを参照できるようになった」


「あ! 天の声さんが言ってましたね!

 どの機能が使えるんですか?」


 天の声のアナウンスでは、

 一部にアクセス可能――ということだった。


「使えるのはダンジョン情報閲覧(えつらん)機能だ。

 ダンジョン情報、階層情報、地図情報の三つの機能だ」


「わあ! ステータスウィンドウから地図が読めるんですね!」


 リンは嬉しそうに手を叩いて喜ぶ。

 俺はうなずきながら言う。


「これはかなり便利だぞ!

 リアルタイムに更新されるから地図を書かなくてもいいんだ」


 これまでは、攻略しながら足を止めて手書きで地図を書いていた。

 この手間がなくなるのはありがたい!


 それだけじゃない。

 今いる場所がわかり、周囲の地形がわかるのだ。


「これで隠し通路もすぐ発見できるぞ!」

「便利ですね! ゼンジさんは隠し通路、好きですよねー」


「だって、マップを埋めないと気持ち悪いだろ?」

「はい。そうですね!」


 リンはいちいち笑顔で俺の言葉に頷いてくれる。


「たまには宝箱があったりもするし」

「うれしいですよね!」


「うむ」


 たぶんリンは隠し通路に興味はないだろう。

 俺が喜んでいるので、一緒に喜んでいるだけだと思う。


 それでいい。

 俺を見て喜ぶリンを見ると俺も嬉しい。


 永久機関である!


「階層情報もリアルタイムに見れるが、これはいい。

 重要なのはダンジョン情報だ!」


「ダンジョン情報……ですか。どういうものでしたっけ?」


 リンは記憶を探るように、目線をさまよわせる。

 あまり頻繁に見るものじゃないからな。


「ドロップ方式、宝箱の有無、罠の有無、安全地帯の有無、復活の有無がわかる」

「あ、そうでしたねー」


「これはステータスから見れるから便利ってわけじゃなくて、

 前は読めなかった情報が読めるようになったことがすごいんだ」


「あっ! そうでした!

 復活の有無がわからなかったんですよね?」

「ああ、そうだ」


 復活の項目はあったが、

 権限が不足しています――と表示されていた。


 その権限が充足された。

 今は読める。


「それで、復活はできるんですか?」

「復活の有無は――」


 俺は神妙な顔でリンに結果を伝えた。

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― 新着の感想 ―
オートマッピングは便利だよね。 ただし、全部埋めようとするとデストラップに引っかかることも…。 「墓場は暗く」「その先、行かぬが得策」「さもなくば…」*いしのなかにいる*
[一言] なんとなくだけどあのダンジョンに復活はないに1票!
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