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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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初めてのメッセージは慎重に送ろう!

 息せき切ってやってきたリンに声をかける。


「ちょうどメッセージの送信を試そうと思ってたんだ」


 俺はコンソールを示す。


「はいっ! 送信できるようになったんですね!

 これで初めてのメッセージが送れますね!」


「ああ。やっとだな」


 リンはウキウキした様子である。

 そんなに面白いものでもないと思うが……。


 まあ、このために苦労したし、立ち会いたくもなるか?


 メッセージ送信の解禁のために二十階層の攻略を急いだのだ。

 これでやっと、正規のルートでリヒトさんとやりとりできるようになった。


 管理者権限の強化もあって、

 認識阻害を受けずに情報をやりとりができるはずだ。



 リンが俺のそばによってくる。

 肩を並べるようにして、リンはコンソールをのぞき込む。

 そして小声でつぶやく。


「あ……。リヒトさんに……」


 ほとんど聞こえないほどに小さな声。

 俺の耳はギリギリでそれを捉えた。



 リンの表情が少し硬くなり、なんとか笑顔を保とうとする。

 だが失敗して、形のいい眉が悲しげに下がる。


 む?

 なんでだ?

 なんでしょんぼりする?


 初めてのメールと言っていたが……。

 一通目のメッセージになにか意味があるのか?


 あ、そういうこと?

 初メッセージを送る相手がリヒトさんだからか!?



「あー。リヒトさんに送ろうと思っていたんだけど、

 その前にちゃんと送れるかテストしたほうがいいよな。

 まずリンに送ってもいいか?」


 その言葉で、リンの顔がぱあっと明るくなる。


「は、はい! ぜひ!」


 ふう……。

 機嫌が直ったぞ。


 メッセージを送信する前で良かった!

 ギリギリセーフである。


 というか、これは気づけないだろ?

 まさか一通目のメッセージを欲しがっているなんてな。


 そういう約束してたっけ?

 思い出せない……。


 してないよな。

 していないはずだ。


 でも何か引っかかる。

 思い出せ……!


 リンは期待するような目で、俺の次の言葉を待っている。

 慎重に言葉を選ばねば!


 なにか、送信する権限がないからできない、

 という話をしたような気がする。


 でもリンにメッセージを送っても意味ないよな?

 直接話せばいいし……。


 送るだけじゃなくて、

 メッセージを送りあう?


 あ……。

 思い出した!


 交換日記!

 交換日記だよ!


 リンはメッセージで交換日記をしたいと言っていた!


 一通目のメールからやるとは言っていないが……そういうことか!

 あぶねえっ!


「……リンの権限も早く強化しないとな」

「はいっ! そうしたらお返事できますね!」


 この返答!

 やはりそうだ!


「ああ、交換日記をするんだったよな!」


 リンの顔に花が咲くような笑顔が広がる。


「ふふ。おぼえていてくれたんですねー!」


 いや、忘れてましたけどね!


 ギリギリで回避したぜ!

 仕事してくれ【危険察知】!


 リンの地雷はどこにあるのかわからないな!

 ダンジョンの罠より、カマキリの隠密より難しいぜ!

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― 新着の感想 ―
[一言] リンさんはまだわかり易い方な気がする。 人の世の女性の気持ちの、なんと分りにくいものか…( ´-`) 【忍具作成】さんのチョロイン度合いを見習って欲しいですね!
[一言] やっぱりはじめては彼女でないとな!(意味深
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