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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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VSボス戦! リーダーはメスカマキリで!?

 部屋の奥に緑色の巨大なカマキリが現れた。


 奴はくっくっ、と上半身を揺すっている。

 俺たちの姿に気付いたようだが近づいては来ない。

 好都合だ。


 こちらから近づく必要はない。

 このまま遠くから攻撃させてもらうぜ!


「くらえ――水噴射(みずふんしゃ)!」


 水流を放つ。

 だが、当たらない。


 巨大カマキリはさっと柱の影に身を隠してしまった。

 さすがに避けるか……。


 俺はそのまま放水を続けて、柱の裏へ届くように調整する。

 だがこの程度の水量じゃ流れ出てこない。

 直撃じゃなければ無理か。


 体が大きいからか?

 あるいは、既に移動した?


 まだ柱の影にいるのか?



「ファイアボールっ」


 リンが放った火球が飛び、柱の近くに着弾する。

 それは、見事に柱周辺を燃え上がらせる。


 しかし敵の反応はない。

 巨大カマキリはそこにはいなかったらしい。


 既に柱を登ったか、姿を隠したまま別の柱の陰に移動したのだろう。


 くそ……。

 隠れて移動されると厄介だな!


 炎が周囲を照らしている間に目をこらしてみる。

 ダメだ。見えない!


 壁と柱を伝って移動できるとなれば、

 いきなり背後から攻撃を仕掛けてくることもありうる。


「リン! どこいったかわかるか!?」

「いえ、わかりません! 隠れちゃったみたいです!」


 【隠密】を発動させたのだろう。



 トウコが苛立たし気に言う。

 部屋の奥へ走り出しそうな勢いだ。


「このっ! イモカマめーっ!」

「追うな! まずは小粒を削れ!」


 制止したのは危険だからだ。

 途中にある柱の一つ一つ、

 その陰に小粒の褐色カマキリが潜んでいるかもしれない。


 うかつに近づくのは危険だ。

 カマキリの攻撃は鋭く、動きも速い。


「リョーカイっス! じゃあ、こっからばらまくっス!」

「はいっ! ファイアボールっ」


 敵も隠れているばかりではない。

 褐色のカマキリたちがじわじわと近づいてきている。


 柱の陰から飛び出してくるもの、

 闇の中から翅を羽ばたかせて飛んでくるもの……。


「うらうらっ!」

「ファイアボールっ!」


 空中の敵はトウコが撃ち落としていく。

 速度はそれなりだが、動きは直線的だから狙うのはたやすい。


 落ちたカマキリを炎が塵に変える。



「ていっ!」


 俺は近づいてきた褐色カマキリの攻撃をかわし、刀を一閃する。

 前脚の付け根を狙って斬り飛ばす。


 さらに追撃を入れ、脆弱な首を()ねる。


 当たる。斬れる。倒せる!

 取り巻きのカマキリは、通路にいる個体より弱いようだ。


 だが数が多い。

 二匹目が襲い掛かってくる。


 【危険察知】と【回避】の助けを借りて、立っていた場所から飛び退く。

 カマの一撃が通り過ぎていく。


 そのまま柱に着地。

 三角飛びのように跳び、斬りかかる。


 カマキリは防御するようにカマのガードを上げる。

 斬りつけても腕の防御は抜けないだろう。


 ならばと、俺は手の中で刀の向きを変える。


「フルスイングっ!」


 がちん、と峰が前脚を打つ。

 強固な腕は砕けなかったが、ノックバック効果が発動する。


 後ろに吹き飛んだカマキリは四本の足で踏みとどまろうとする。

 だがバランスが崩れた。

 腕もはね上がってスキだらけ。


「ファストスラッシュっ!」


 踏み込んだ俺の一撃が首に命中。

 カマキリが塵に変わり、魔石が床に落ちる。

 いまは拾っている余裕がない。



 俺は首を巡らせ、視線を動かす。

 巨大カマキリの姿はない。


 どこに行った……?


 柱の影、天井……。

 一度隠れられると面倒だな。


 同じ場所にいるかもしれないし、姿を消したまま移動したかもしれない。


 強力な【隠密】は移動しても視認できない場合がある。

 油断して近づいてバッサリ……なんて目にはあいたくない。



 視界の端で褐色のカマキリが動いた。

 同時に、柱の上からカマキリが羽を羽ばたかせながら飛んでくる。

 二体同時での攻撃。


 俺は姿勢を低くし、転がって回避。

 振り向きながら刀を振る。


 カマキリの尻のあたりを切り裂くが、致命傷にはなっていない。

 俺の周囲にはカマキリが集まってきている。


 回避した先で囲まれてしまったようだ。



 リンの声が響く。


「カマキリさん! こっちですよーっ!」


 盾トンファーを持った手を大きく振っている。

 【ポージング】による惹きつけ効果だ。


 俺を囲んでいたうちの数体がリンに向かっていく。

 おかげで包囲が緩んだ!


「助かった!」


 しかし注目を集めたリンはカマキリに狙われ、多数が群がっている。

 今度はそっちをどうにかせねば!

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[一言] 隠密カマキリ…ある意味でニンジャ! つまりこれはニンジャvsニンジャ!
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