新色はオレンジで!?
手に入れたポーションは光の加減で黄色にもオレンジ色にも見える。
色だけでは判断できないな。
俺はポーション瓶をリンに手渡す。
「リン、鑑定してもらえるか?」
「はーい。システムさん。どうかなー?」
【サポートシステム】が可視化して告げる。
【物品鑑定】を行うのだ。
<名称:疲労回復薬。カテゴリ:回復>
「おっ! 新種っスね!」
「スタミナポーションか!」
「疲れが取れるんでしょうか?」
「たぶんそうだろう。疲れているなら飲んでみるか?」
リンはふるふると首を振る。
「いえ、私はまだ大丈夫です」
トウコが元気よく手をあげる。
「じゃあ、あたしがもらうっス!
二丁拳銃のあたしには必須アイテムなんスよ!」
リンが首をかしげる。
「どうして二丁拳銃だと必要なのー?」
「両手で振り回すとスタミナが減るからっス!」
トウコが両手に銃を構えてクルクルとガンスピン。
サイリウムを振り回すオタ芸のように乱舞する。
はあ。なるほど。
って、銃は関係ないじゃねーか!
ピンと来ていなかった俺の頭に、いにしえのゲームが思い浮かぶ。
いや、新作も出てる大作だけど。
俺がやりこんだのはかなり前の旧作だ。
両手に剣を持ってブンブン振り回すとスタミナが減る。
スタミナ消費を抑える強く走れる薬は必須アイテムとされた。
それさえあれば大技を振り回し放題の無双状態である。
「んじゃ、トウコが持っておけ。すぐ手に入るから気軽に使っていいぞ」
「やたーっ!」
トウコは行きは元気だが、帰り道では眠たげにしている。
ペース配分がおかしいんだろう。
よく体力回復丸を食べさせている。
疲労を回復させるアイテムはもうすでに使っている。
ちょっとした疲れならこれで充分だ。
今手に入れた疲労回復薬は丸薬より効果が高いはずだ。
初入手であるが、ケチることはない。
宝箱は一日ごとに再配置される。
だから明日また、この宝箱を開けに来ればいい。
こう考えると、俺のダンジョンはアイテム収集の効率がいい。
とくにポーション類の入手性は抜群だ。
宝箱からの現物と、モノリス引き換えを併用すればザクザク貯まる。
ダンジョン外に持ち出せて、さらに隠蔽の力が働かないなら、
ポーション商人になれるかもしれない。
そううまくはいかないわけだが。
せっかく【中級薬術】を取ったのだし、
ポーションを材料にできるかも試してみたいな。
今すぐやらなくてもいいが、後でじっくり試してみよう。
俺たちはそのまま攻略を続け、下り階段を発見した。
ついに二十階層である!
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