表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1008/1496

回復アイテムは便利だね! 【薬術】上昇!

 個人用ロッカーを開ける。

 もやもやとした黒い水面がそこにある。


 アパートのクローゼットにあった俺のダンジョン。

 その出入り口――転送門だ。


 管理コンソールの『転送門の移動』で、ここに移したのだ。



 リンとトウコに声をかけて中に入る。


 視界が暗転し――

 洞窟ダンジョンに俺は立っている。

 間もなく、リンとトウコも入ってきた。



 俺は薬草丸を飲みながら言う。


「じゃ、各自着替えてくれ。俺は少し準備がある」

「あたしは弾拾いに行ってくるっス!」

「じゃあ、私も手伝うねー」


 着替えをすませ、リンとトウコは弾丸集めに向かった。



 丸薬が効いてきた。

 じわじわした効果だが、打撲くらいならすぐに治る。


 これで訓練の傷は心配ない。

 便利だぜ。回復アイテム!



 ダンジョンで訓練できたらいいのだが……。

 オカダたちは入れないからなぁ。


 あ、スナバさんはダンジョン保持者だから入れるのか。


 せっかくだし、誘ってみるか?

 んー。でも、こんなゴツゴツした洞窟だと危ないかもしれない。


 投げ飛ばされたら大ケガしてしまう。


 訓練できるように整備するか。

 畳でも持ち込んで……。


 明るさも足りないが、それは問題ない。

 輝水晶(きすいしょう)を使って照明を作ればいい。



 うむ。拠点を改造するのも悪くない。


 それは後で考えるとして、今日は薬を補充しよう。

 【薬術】の出番だ。


 まずはモノリスで薬草を引き換える。


 忍具作成台の上に各種材料と魔石を並べる。

 作るのは薬草丸、体力回復丸、魔力回復丸の三種類。

 それぞれ即効、遅効、強力のバリエーションを作る。


 今回の探索用と、次回以降のためのストックを作成。

 よし。バッチリ!


 すると、天の声のアナウンスが来た!



<熟練度が一定値に達しました。スキルレベルが上がりました!>

<【薬術】 2→3>



 --------------------

 レベル3:高度な薬を作成

 レベル4:作成コストを低減する


 レベル4への必要ポイント:8

 --------------------


「おおっ! いいぞ。なにが作れるんだ?」


 俺は自分の内面――【薬術】に問いかける。

 このスキルは作れるもののリストを教えてくれる。

 きちっとしているのだ。


 そして、無理を言っても断られてしまう。

 【忍具作成】君のようにチョロ……優しくはない。


 あくまでも用法容量を守ってね、というマジメちゃんである。



「えーと、作れるのは抗生物質、モルヒネ、アドレナリン、抗ウィルス薬、媚薬、向精神薬……」


 うーん。やっぱり思ってたのと違う!

 西洋医学っぽいクスリが作れるようになったみたいだが……。


 ファンタジーっぽいのは?

 薬草丸みたいな感じで、ポーションとか作れないのか?


 教えて薬術ちゃん!


「……ムリか。ファンタジーっぽいものだと薬草から毒消しが作れるくらいなんだな」


 抗生物質は便利そうだが、材料がないらしい。

 ペニシリンはカビから作るんだっけ?


 そういう材料を用意すればいいはずだ。

 でも正直……要らんよね?


 俺のダンジョンには素材が少ない。

 薬の素材を外から持ち込む必要がある。


 なら薬局で買ってくればいいじゃん、って感じになってしまう。

 アドレナリンなんて薬局で買えたっけ?

 媚薬……は置いておこう。


 買えない品は作る意味がある。

 抗ウィルス薬はパンデミック禍なこのご時世には便利かもしれない。


 アドレナリンはどうだ?

 心停止のときの気つけに使ったりするよな。

 とはいえ、素人が適当に使えるものでもない。



 作れる薬が便利か、という以前にもっと便利なものがあることが問題だ。

 そのせいで、このスキルの価値が薄れるんだよな。


 俺のダンジョンでは治癒薬や状態異常回復薬(リカバリーポーション)が手に入る。

 普通の薬品を作っても、ファンタジー薬に勝てる気がしない。


 抗生物質や抗ウィルス薬はファンタジーにはなさそうなものだが、

 それも状態異常回復薬(リカバリーポーション)で治ってしまいそうだし。



「一応、毒消しを作ってみるか。これは当然、即効性で頼むよ!」


 材料は薬草と魔石である。

 持ち運びやすいように丸薬にする。


 【薬術】を発動!


「――よし、完成! せっかくだから何個か作っておこう!」


 人数分用意して、ストックも作る。

 俺のダンジョンにはクモや蛾がいるから、毒消しを使う機会もあるだろう。


 上位互換のリカバリーポーションを持ち歩いているので、

 活躍の機会があるかというと微妙であるが。



 ……む?


 心の奥で妙な感じがするな。

 この感じは……。


 【薬術】ちゃんが拗ねてしまいそうだ!


 俺は隅っこでひざを抱えて座り込んでる委員長(薬術)を幻視した。

 いかんいかん! そういう意味じゃないんだよ!


 え?

 そういう薬が欲しければ【中級薬術】を取れって?


 うーむ。

 他にも取りたいスキルは多いのだが……。


 どうするかなあ?

ご意見ご感想お気軽に! 「いいね」も励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 壁で逆立ちや座ったり寝転がったりする練習すれば、一瞬で手のひらとかの体の一部に体重かけられるようになるのかなあ
[一言] モルヒネにアドレナリンて… ヤク術?
[気になる点] 【忍具作成】さん、主人公にチョロインと思われてた! 『べ…別にアンタなんかの為に作ってあげた訳じゃないんだからね!……ま、まぁ…喜んでくれるんなら、また作ってあげても良いんだけど(//…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ