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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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訓練終了! ダンジョン攻略開始!

 オカダがうずうずした顔で言う。


「よーし! もう一発やろうぜ!」


 その言葉にトウコが反応する。


「オッスオッスするんスね!」

「しねーよ!」


 俺はトウコへとツッコむ。


 言葉だけ聞くと妙な響きである。

 もう一戦、組手をしたいということだろう。


 スナバさんと俺が戦っている間、オカダは待たされていたわけだし。

 待ちぼうけ状態である。


 しかし、今日はもういいかな。

 さすがに疲れたよ。


「疲れたし、ケガを治したい。また今度な」

「俺もきりあげる。そろそろシズカが起きる時間だから、迎えに行かねば」


 シズカちゃんは道場にいない。

 リンが訊ねる。


「シズカちゃんはお昼寝ですかー?」

「ああ」


 拠点のどこかに預けているんだろう。

 託児所でもあるのか?



 オカダが寂しそうに言う。


「なんだ、二人とも帰っちまうのかー」


 なにかかわいそうな感じがする。

 その表情は母性本能をくすぐりそうな感じとでも言うか。



 スナバさんが言う。


「サタケに頼めば相手してくれるだろう」

「あのオッサンか? 強いのかよ?」


 スナバさんは当然だと言うようにうなずく。


「強いぞ。組み合ったらなかなかのものだ」

「へー。じゃあ頼んでみるかなー」


 万全な状態で戦うサタケさんは見たことがない。

 なんだか、いつも負傷しているんだよな。


 でも、ケガをしていても銃の腕前は悪くなさそうだった。

 それに落ち着いた物腰には安心感もある。


 いずれサタケさんとも戦ってみたいものだ。



 道場を後にして、借りている部屋に戻ってきた。


 トウコがふくれっ面で言う。


「店長、やられすぎじゃないっスかー?」

「やられたっていいんだよ。訓練なんだから」


 勝ち負けなんてどうでもいい。

 それよりも得たものが大きい。



 トウコが口をとがらせる。


「でもでもっ! 分身とか使ったら勝てたんじゃないっスか?」


 たぶんトウコは俺が投げ飛ばされる姿に憤りを覚えたのだろう。

 まあ、トウコなりに俺を応援してくれていたのだ。


 俺は肩をすくめる。


「そりゃ、スキルを使えば勝てたかもな。でもスナバさんが銃やナイフを持ち出したら怖いだろ?」


 今回は格闘縛りの訓練である。

 格闘の範囲を出るようなスキルは使わない。


 そういう取り決めで始めたことだ。

 俺が【分身の術】などを使うなら、スナバさんも得意の武器を使うのがフェアというもの。


 オカダだって変身を使えば、もっとずっと強い。



 トウコは少し考え、納得したようにうなずいた。


「んー。たしかにそーっスね!」

「あくまでも格闘訓練だ。全力でやったら結果はまた違う」


 もちろん、そんな機会が来ては困る。


 全力のスナバさんか。

 遠くに潜んだスナバさんが狙撃してきたら……。

 まあ、どうにもならないだろう。



 リンはにこやかに言う。


「でもゼンジさん、楽しそうでしたねー」

「わかるか? 強い相手と戦うといろいろ発見があってな」


 リンはよく見ている。


 観戦中は俺が投げられるたびに心配の声をあげていたが、

 ちゃんとわかっていたようだ。



 トウコがしゅばっと手をあげる。


「じゃあじゃあ! 次はあたしとバトるっス! 銃ありで!」

「当たったら死ぬじゃねーか! やだよ!」


 被弾したら死ぬ訓練とか、成り立たないって。


 冷蔵庫ダンジョンの中ならできないこともないが……。

 それこそイヤである。


「じゃあ銃なしでもいいっス!」

「どんな縛りプレイだよ! 意味ないだろ!」


 トウコから銃を取ったら何が残るんだよ?

 訓練が成り立たないだろ!



 トウコがリンへとニタニタ笑いを向ける。


「じゃあリン姉どうっスか? 魔法ナシ! お触りアリで!」


 トウコに残ったのはアホだった!

 下心だった!


 リンがちらりと俺を見る。

 言ってやれ、リン。ツッコんでやれ!


「ええと……ゼンジさんも参加するなら……?」


 頬を染めたリンの声には期待がこもっているように聞こえる。


 いや、やるのかよ!?

 そんなの訓練にならないよ!



 俺は個人ロッカーの取っ手に手をかける。

 この中に俺のダンジョンを移動させてある。


「……さて、ダンジョンに入るぞ」

「やるんスね! 夜の訓練っ!」


「ちがうわっ! ダンジョン攻略な!」

「そ、そうですよねー? がんばりましょう!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 相変わらずトウコは腐ってるな…ゾンビだけに
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