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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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格闘訓練? 見学しようと思ったら……なんで!?

 トウコたちは射撃訓練にいそしんでいる。

 的は悪党と人質がランダムに飛び出してくるやつだ。


 二人とも、それぞれ課題がある。

 トウコは誤射しないこと。

 エドガワ君はためらわずに撃つこと。


 今回、トウコは曲芸撃ちやガンスピンはしていない。

 ちゃんと言いつけを守っている。

 その調子で続けたまえ。



 スナバさんが俺に言う。


「ところでクロウさん。吸血鬼の二人、オカダとコガを任務に連れていったと聞いた。どう評価する?」

「役に立ってくれました。戦力としても充分です。少し戦闘にのめり込むところがあるので、そこは制御が必要ですね」


 のめり込むのは()()ではないが……。


「そうか。御庭に二人の訓練を頼まれている。クロウさんも一緒にどうだ?」

「銃の訓練ですか?」


 スナバさんは静かに首を振る。


「いや。格闘訓練だ。前にエドガワとやったような護衛ゲームでもかまわん」

「そうですね。時間が合うなら……。この後ですか?」


「ああ。数時間後の予定だ。かまわないか?」

「ええ。いいですよ」



 射撃訓練を終える。

 エドガワ君はサタケさんとの訓練に戻っていった。


 トウコはリンを呼びに行く。


 俺はスナバさんと道場へ向かう。


 道場ではオカダとコガさんが待っていた。

 オカダが片手を上げ、気安い笑みを浮かべている。


「おっ? ゼンゾウもいるのか!」

「ようオカダ。元気そうだな。コガさんも」


 コガさんがおずおずと言う。


「こ、こんにちわ。ええと、そちらの方がスナバさんですか?」

砂場(スナバ)レンジ。今日は格闘の訓練を受け持つ。よろしくな」


「こ、コガです……その。よろしくおねがいします」

「オカダだ。よろしくなレンジー!」


 いきなり呼び捨てにしていくオカダ。

 軽い。軽すぎるぜ。


 スナバさんは特に気にした様子もなく続ける。

 教える立場ではあるが、別に部下ではないからか?


「オカダはボクシング経験者だと聞いた。コガは格闘経験がないそうだが、間違いないか?」


「おう! 一応プロでやってたんだぜ!」

「わ、私はなにも……ないです」


 俺は補足する。


「コガさんは普通の会社員だったので、格闘技の経験はありません。この間、俺と一緒にダンジョンで戦ったので実戦経験はあります。そうですね、コガさん」


「は、はい。そう、です」


 コガさんは庇護心をあおるような表情で、小声で同意する。


 だが【庇護】のスキルは発動していないようだ。


 コガさんとはスキルの使用を控える約束をした。

 偉いぞ。ちゃんと守っている。



 スナバさんがミットを手にはめながら言う。


「ではまず、できることを見せてくれ」

「おうっ! 俺からなー!」


 オカダのミット打ちはたいしたものだった。

 スナバさんが構えたミットへ、的確に打ち込んでいく。


 すぱん、すぱんといい音が響く。

 プロのボクサー顔負けである。


 いや、実際に元プロなんだった。



 対してコガさんはというと――


「ええと……えいっ」


 ヘロヘロとしたパンチ。

 ぽすん、とミットが情けない音を立てる。


 素人の俺から見ても全然ダメである。


 スナバさんが淡々と言う。


「なるほど。よくわかった」


 その声色に落胆の色はない。

 ただ状況を理解した、というだけ。


 コガさんはいま、血を飲んでいない。

 だからダンジョンで見せたような好戦的な感じはなく、弱々しいまま。

 動きはよくない。



「コガ。基礎を教える。クロウさん。オカダと組み手を頼む」


 あれ?

 俺、プロボクサーと殴り合いしなきゃいけないの!?


「よっしゃ! やろうぜ、ゼンゾウ!」

「お、おう」


 オカダはやる気まんまんだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 1000話達成おめでとうございます!
[一言] 元プロボクサー対ニンジャ! 開始の前にはアイサツを忘れずにw
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