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IFの未来(20%): 我ら彩天茶畑株式会社広報課

本編が終わった後で辿るであろう未来の中で一番可能性が高いルートのお話ですが、あくまでIFなのでこれが正史というワケではないことをご了承ください。

スタジアムのステージにつながる通路、その先に見えるのは対面になるよう中央に据え付けられたチェア型の最高級VRギア。ここはとあるゲーム大会の会場である。


既に大入り満員になっている客席から放出される熱気がここまで届くかのようだ。そんな雰囲気の中で俺たちは揃いの半纏を着て通路に並び、前に立つ男の檄を聞いていた。


「いいか、この一戦は我が社の名前を日本に轟かせる絶好のチャンスだ。わかってんな、オマエらぁ!?」


「「「オス!」」」


俺を含めた4人が腹から声を出して応じる。自分がこんなこともできるようになるとは、数年前の俺には想像もつかないだろうな。いいか過去の俺、社会人は仕事だと言われたら大概のことができるようになるんだよ。できないやつは社会人ではない。


「確かにこのチームのモットーは『記録よりも記憶に残るエンターテインメント』だ。だがしかぁし!準優勝よりも優勝の方が記憶に残るのは当たり前。相手は有名なプロゲーマーチームだ、その実力は間違いない。だがオレたちも決して負けちゃいねぇ!―――勝つぞ!」


「「「オーーーッス!!」」」


気合いを入れ終わったところで通路の終わり付近にいるスタッフさんから合図が来る。ボチボチ決勝ステージに上がる時間が来たようだ。


「赤、緊張してる?」


「当たり前だろ、ここまで大きい大会の決勝までこれたのは初だぞ。やっぱきーちゃんが入ってくれたのがデカかったな。おまえと合わせて広告効果も抜群だ」


縦一列に並んでスタンバイしていると、前に立つ青が話しかけてきた。こいつはモデルをやってた時にそれなりに大きな舞台に立ったこともあるから緊張はしてなさそうだな。


俺と青の大学卒業に合わせて実家に戻ると宣言した茶管に誘われ、俺と青は茶管の実家であるお茶会社に就職した。家族経営の小さな会社かと思いきや社員が数百人いる規模だったのには驚いたっけな。


「ロボット工学を学ぼうとも思いましたけど、やっぱりロボはゲームの中に限りますからね。ぶっちゃけどんな仕事でもよかったのでコネ入社させてくれたのはありがたかったです」


きーちゃんが大学ではなくIT系の専門学校を選んだ時はかなりの衝撃だった。なにせ抜群の記憶力と計算力を持つ上に勉強そのものを苦と思わないきーちゃんは理系なら日本の大学ほぼどこでも行けますよ状態だったからだ。


ご両親は苦笑い気味だったけど、本人の幸せは本人にしか分からないからと割と早めに応援するスタンスを取っていたっけ。そのあと茶管にコネ入社させろと堂々言い放ち、紆余曲折というには真っ直ぐだけど歪でしかないルートを経て彼女は今ここにいる。


「いやマジで青クンだけでも相当だったオフィスに黄っちゃんが入った時は面白かったよな。あまりの顔面レベルにオッサンもオバちゃんも固まっちまってさぁ!んでその間に普通に割って入れる赤っちが勇者みたいに扱われだしたのクソ笑ったぜ!」


そして当然、アッシュさんもとい灰原先輩もいるわけで。一緒に働きだして実感したけどこの人のスタミナスゴいわ。さすが元ブラック企業の外回りとでも言おうか、俺たちがヘロヘロになるような時でも顔色ひとつ変えずに鼻唄を歌ってんだぞ。


「オマエら、そろそろ口閉じろ。もうすぐ入場だ」


「「「ウィーッス」」」


我らがボス、茶畑管次郎はこの数年で人の上に立つ者としての貫禄がついた。元々面倒見のいいマイルドなヤンキーの兄ちゃんみたいな感じだったけど、実家にもどって咲希さんと結婚して子どももできたことで明確に心構えが変わったようだ。


俺たちコネ入社組を広報課として纏め、さらにその広報活動の1つとしてゲーミングチームを作って各種の大会に出場するようになった。もちろん最初の頃はプロゲーマーチームにしてやられてはいたものの、数年をかけて経験を積んで中小規模の大会で優勝を幾度か重ね、今は日本における大規模大会の1つである冬の祭典『DIAMOND FESTIVAL 』で開催されるゲームトーナメントの1つで決勝に立つに至ったのだ。


「では入場をお願いします」


スタッフさんに促されステージへと続く花道に入った瞬間、準決勝までのそれとは別格の空気に包まれた。


『怒涛の勢いで名だたる強豪チームを下し、DIAMOND FESTIVAL初出場にして決勝にまで駆け上がってきた!その強さの根元は一服のお茶!揃いの半纏に刻まれた社名を背負い、【彩天(さいてん)茶畑(ちゃばたけ)】の入場だぁぁああああ!!』


「青山さーん!こっち向いてぇぇぇ!!」

「黄崎選手ぅ、できればゴミを見るような目線くださぁぁい!」

「今度はどんな変態機動見せてくれるんだ赤石選手ぅ!」

「ブラザー灰原!決勝もノリノリで頼むぞぉ!」

「マッハでぶっちぎってくださいよ次期社長ー!」


爆音のBGMとそれに負けない歓声が鼓膜を殴打し、俺たちを照らすスポットライトの熱すら一段階上がったかのよう。花道を抜けてステージに上がれば、暴力的なまでの熱気にあてられ否が応でも高揚してくるのがわかる。


仲間たちを見ると青や灰原先輩は笑顔を振りまいてファンサービスしているし、きーちゃんは真面目そうな顔で多分何も考えずにボーッとしてるし、我らがボスはカメラに向かって背中の社名ロゴを見せつけている。こいつらの感情に緊張と言うものはないのだろうか。


『対するは今年開催された『Bellum(べラム) Armatum(アルマトゥム)』の大会において最多優勝数を誇る堂々の優勝候補ナンバーワン!飄々とした態度で敵対する全てに敗北の審判を下す絶対強者!【DOOMS(ドゥームズ)】の入場だぁぁああああ!!』


「圧倒的!決定的!絶対的ィ!!」

「最強の実力をルーキーに見せてやれ!」

「お茶屋に負けたらスポンサーが泣くぞー!!」

「カテキンに負けんなよカフェイン野郎共!」

「エナドリの効果を証明してくれよな!」


半ば野次のような声援を背に笑顔を振り撒きながら軽い足取りで舞台に上がってくる男女5人組。事前に叩き込んだプロフィールでは一番年長のリーダーが26歳の男で一番の年少が20歳の女の子。チーム戦の対戦アクションゲームをメインにしているプロゲーマーチームでスポンサーはとあるエナジードリンクをメインに据える飲料メーカーだ。


プロゲーマーチームとして様々な大会に出ているのはもちろんのこと動画投稿サイトでプレイ動画や攻略・解説動画を投稿していて、メンバーのノリの良さとそれなりに整ったルックス、そして圧倒的な実力で学生を中心に絶大な人気を誇る一流チームである。


ウチとはスポンサーの存在もあって日本のソウルドリンクvsエナジードリンクとして面白おかしく煽られており、弊社の社長つまり茶管の母上から直々に『負けたらシバく』という端的かつ重い一言を賜った。いや戦う前から負ける気は無いけどさぁ……。


「ヘイ、観客(リスナー)!俺たちDOOMS はぁー!?」


ステージに立ったDOOMS のリーダーが天を指差しながら観客に問いかければ即座にレスポンスが飛んでくる。


「「「圧倒的!決定的!」」」


「そ~し~て~?」


「「「絶対的!!」」」


「イェーーー!!わかってんねぇリスナー!今日も絶対的な戦いを魅せちゃうんで応援ヨロシクぅ!!」


うぉおおお!と沸く観客席。さすがに馴れているというか、場の雰囲気を掌握するのが上手い。


どうせバーチャル空間で戦うんだから声援なんて意味がないと思う人もいるかもしれないが、そのバーチャル空間に入るまでの空気は重要だ。誰だって戦いの場に出る時には応援が欲しいものだ。相手には味方がたっぷりいるのに自分達は見向きもされていないなんて状況では出るはずの実力も引っ込んでしまう。


「やあ、彩天茶畑の皆さん。決勝の相手はやっぱアンタたちになったな」


「有名なDOOMSにそう言われるとは光栄だ。オレたちみたいなポッと出をそこまで買ってくれてる理由を聞かせてもらっても?」


「初戦の映像を見た瞬間にアンタたちが強敵だって分かったよ。茶畑選手のスピードと決断力、灰原選手のムードメイクの上手さ、青山選手の状況把握力、黄崎選手の的確な火力支援、赤石選手の近接格闘術と機体制御術。特に黄崎選手と赤石選手はクソヤベェ、プロゲーマーでもそうそう見ないレベルだ。だけどそれよりも何よりも脅威的なのはエンターテイメント性を失っていないところさ!」


人好きのする笑顔で、まるで推しのチームの魅力を語るかのごとく朗々と対戦相手(俺たち)を褒めちぎるDOOMSリーダー。世の中には自分すら騙せるほどの演技力を持つ人もいるので絶対とは言わないが、その言葉に嘘はないと思う。まだ喋ってるしな。


「二流にありがちな効率を重視しすぎて見映えの悪いつまらない戦いにならず、観てる人たちが思わず手に汗握る面白さがある。そいつは要するにここぞという時に勝負に出れる度胸とそれを実現できる技術、そして戦いを楽しむ気概があるってことじゃん。そんなチームこそ俺たちDOOMSの決勝戦にふさわしい!」


DOOMSが俺たちを強敵と認めた宣言によりまたしても観客席が沸き上がる。やや大袈裟だけどワザとらしくはない身振り手振り、マイクを通しているとは別の意味でよく響く声。どうすれば観客を煽れるかをよく理解した本物のエンターテイナーだ。


『DOOMSと彩天茶畑、試合前のトークに観客席がヒートアップ!さあではそれぞれのチームに用意されたVRチェアに……おーっと、彩天茶畑が整列している!これは決勝でもアレが見れるのか!?』


「整列!」

「「「応!」」」


「水筒!」

「「「よし!」」」


「フタ、開け!」

「「「汚れ、なし!」」」


「お茶、淹れ!」

「「「温度、よし!香り、よし!」」」


「では……一服!」

「「「いただきます!!」」」


ゴクリ、ゴクリ……ふぅ。


「おまえらぁ!茶ぁキマったな!?」

「「「五臓六腑に染み渡ってまぁす!!」」」


『キメたぁぁああああ!!彩天茶畑、懐より取り出した水筒からお茶を注ぎグイッといったぁ!もはや代名詞とも言えるお茶ギメの儀式を終えた彩天茶畑、なぜかメンバーからオーラが漂って見えます!これがカテキンの力なのかぁぁああ!?なお、彼らがキメているお茶は彩天茶畑の自社製品であり、大会スタッフの前で淹れてドーピング薬の類いでないことは証明済みでございます!一杯いただいたスタッフがその美味しさに購入を検討したところ予想外の高級品だったため、試し飲みに立候補するスタッフが後を絶たなかったそうです!!』


俺たちとて数年前までは青春チャンネルで鍛えていたのだ。この程度のパフォーマンス、弊社のPRを兼ねた立派な広報活動と思えばなんということはない!


ちなみに俺たちが飲んでいるのは高級品に分類されるけどそこまでイカれた値段のものではない。本当にヤバいやつは100グラムで10万円とかするやつあるし、その倍くらいする神々のお茶もあるからな。1回だけ社長が経験だって飲ませてくれたことがあるけど、俺の舌と言語能力では表現不可能な旨さだった。


「アンタたちが一般サラリーマンってマジ?エンターテイナーすぎるだろ」


「紛うことなき会社員だぜオレたちは。それはそうとそっちも一服どうだ?」


スッと全員でコップ(水筒のフタ)を差し向けると、DOOMS の面々は手を伸ばしかけては引っ込めてを数回繰り返した後、リーダーが苦笑いしながら首を横に振った。


「すっごい高級茶だって話だし面白すぎるから飲みたいけど、今は遠慮させてもらうよ。スポンサー様に怒られちまう。……じゃ、そろそろやろうか。DOOMSの戦いを楽しんでくれ!」


「おう、俺たちが楽しまなきゃ観客も沸かねぇ。面白い勝負にしようや」


これで本当に試合前のやり取りは終了。ステージにドンと鎮座するVRチェアにそれぞれ座り、一般庶民が使うVRギアの3倍くらいゴツいくせに5倍くらい着け心地のいいヘッドギアを被ったらBellum Armatumの世界へとダイブする。


Bellum Armatumは全長3メートルくらいのロボットとなって戦うゲームで、基本的に5対5のチーム戦になる。ストーリーとしては普通に国家間戦争をしたら世界が滅ぶレベルの技術力になってしまったので、代理戦争としてロボット同士を戦わせているとかそんな感じ。


ロボットは全24機の中からセレクトするタイプ。きーちゃんはカスタマイズ性がないとブーたれていたが、このくらいが一般受けするラインだと俺は思う。むしろ24機は多い方じゃね?


各機体には個別の特殊能力(スキル)を備えていて、短距離テレポートができたり小型ドローンをばらまいて広範囲の索敵ができたりする。当然のように時間経過や披ダメージ与ダメージ等で溜まるゲージを消費して放つ必殺技もある。


端的に言えばそこまで目新しいシステムがない無難なゲーム。だが、こと競技用としては素晴らしすぎる特徴がある。それは『開発側がビビるほどバグが無く、機体ごとのパワーバランスが絶妙である』ということ。


発売されて約2年になるBellum Armatumは当然ながら幾度ものアップデートがあったわけだが、その間にあったバグ修正はたった3件のみ。それも対戦に関わるものではなく、特定の動作をするとUIの表示が若干変になるとかその程度。あまりにもバグが無さすぎて『こんなにバグが無いなんておかしいのでフルチェックする』という理由で丸1日のメンテがあったほどだ。


そして対戦ゲームとは切っても切れない『強キャラ・弱キャラ問題』。数体、あるいは1体のキャラがゲームシステムにマッチしすぎて異様に強くなり対戦環境がそれらで溢れてしまいゲームとしての面白さが損なわれてしまうことは結構ある。だがこのゲームでは相性の良い悪いはあれども明確に強すぎる・弱すぎる機体が無く、『人気のない機体はあっても勝ち目のない機体はない』と言われる絶妙なバランスになっている。


ただしバランスがよすぎるために『初心者が使っても機体パワーでそれなりに戦える』みたいな機体が無いため、ある程度のプレイヤースキルが身に付くまではボッコボコにやられることを覚悟しなければならない。バランスが取れていればみんなが楽しめるというものではないというゲームの難しい面が良く分かる。


「使用機体は【SHIVA(シヴァ)】と【甲型機神-(ミズチ)】のどっちにしようか。シヴァの方が腕が4本あるから格闘戦に強いんだけど、対応力ならミズチだからなぁ。……うん、シヴァは準決勝で使ったしミズチにしよう」


ミズチは腕は2本だけど自由に動かせる尻尾があるのは大きいし、スキルで水を生み出して操れるのもポイント高い。プレイヤー人気的にはシヴァもミズチも真ん中やや下って感じだが。まあ堅実で地味な方だしな、俺はメッチャ好きだけど。


機体選択が終わり戦場へと転送される。決勝戦の舞台は点在する柱状構造物(オベリスク)とエリアの南北にピラミッドがそびえ立つ砂漠エリア。見通しが良いためにお互いに狙撃砲撃を掻い潜りながらの戦いになるマップだ。


「決勝が砂漠たぁ意外だな。篤人と黄色いの、オマエらの射撃支援が要だぞ。オレが引っ掻き回して赤いのが引き付けてる間に頼むぜ」


「アイアイサー!黄っちゃんの足引っ張らねぇように励ませてもらうよ!」

「いやいや頼りにしてますよ。灰原さんってゲームを動かす一発がお上手ですから」


通信で行われる最後のショートミーティング。茶管の言葉にきーちゃんと灰原先輩か軽い調子で、だがしっかりと答える。きーちゃんは射撃機を名乗りながら近接戦もそれなりにできる【Vespa(ヴェスパー)】、灰原先輩は狙撃機の【METEOR(ミーティア)】をそれぞれ選択。


「青いの、マップは開けてるが相手はDOOMSだ、先手や奇襲をされないようにしっかり見とけよ。特に黄色いのはともかく篤人の機体は鈍いからな」


「もちろんさ。必要なタイミングで必要な情報を渡す。僕は仕事をきっちりやるよ」


ゲームが始まれば実質的な司令塔を担う青が使うのは小型偵察ドローンを操り広範囲の索敵を行う情報支援に特化した【THINK TANK(シンクタンク)】。アタッカータイプに接敵されたら泣きながらスタンロッドで悪あがきをするしかないので、生き残りたければ徹底的に索敵して逃げ回りつつ仲間にどうにかしてもらうというある意味で潔い機体だ。


「赤いの、間違いなくオマエの相手には向こうのエースが出てくる。下手すりゃ2、3人がかりで沈めに来てもおかしくねぇ。それを分かった上で言う。耐えろ。むしろ()れ」


「わかった」


耐えなきゃ負けるんだから無理無茶を言われようが耐えるしかないんだよな。ちなみに茶管の機体はスキルを使うことで一定時間ブッチギリのスピードが出せる軽量機【CLOCK UP(クロックアップ)】だ。


DOOMSの方も準備が完了したようで、戦闘開始までの60秒カウントダウンが始まった。このカウントダウン中はダッシュこそできないものの移動自体はできるので、位置取りが大事なマップでは結構重要な時間になる。


「勝ったら冬のボーナス査定最高にしてくれよ、カッちゃん」


「優勝できれば頭の硬ぇ役員どもにも文句は言わせねぇから絶対に勝てよ」


「茶ーさんは負けたらサキさんに怒られちゃいますもんね」


「連絡忘れて飲んで帰ったら家に入れてくれなくって泣きそうになってたの笑ったよ」


「要らねぇこと言うんじゃねぇ、放送されてたらどうすんだ!」


「おーい、もう始まるぞー」


社会人になってからの数年は学生のころとは全然違った大変さがあった。お金をもらって仕事をするということの責任の大きさ、初任給を貰った時の感動。そして給料から引かれていく各種税金と水道光熱費に通信費etc...ビックリするくらい目減りした給料に泣いたあの日を俺は忘れない。


マジで世の中の親たちってなにをどうやりくりして子どもを育ててるんだろうな、両親に思わず今まで育ててくれてありがとうってメッセージ入れたわ。そしたら『辛かったら仕事なんか辞めていいんだから自殺だけはやめろ』って返ってきてフフッと笑ってたのもつかの間、優芽から電話かかってきて申し訳なくなるくらい心配された。あれももう2年以上前の話になるのか……。


友達と同僚になり、先輩後輩になり、上司部下になったこと、本当に人生というのはどうなるのか分からないものだと思う。ただ、どうなるのかを分岐させるための選択肢を選ぶのは多くの場合自分自身であり、少なくとも俺は今のところここ数年の選択肢を間違えたとは思わない。


もしかしたらこれから先、だれかと恋して愛して家庭を作るなんてこともあるかもしれない。だが、まあ、今はそんな可能性の未来の話をするよりも―――


「っしゃあ始まりだ!全力でいくぞォ!!」


「「「ウィーーーッス!!」」」


―――この瞬間を楽しむのみだ!

このIFルートの続きはありませんが、他のIFルートはあるかもしれません。

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― 新着の感想 ―
バグがなさ過ぎて運営側が不安になっちゃってるのおもろいw プログラミングはエラー、バグがあっても発狂するけど、全くないとそれはそれで不安になる..
明けましておめでとうございます。 新春から茶をキメてる若者って 清々しいですね(白目)
IFでも影薄いなぁ青(愉悦)
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