突入スペシャルチームファイト
「おっこれは豚人君じゃないか?」
「セイズ・・・相変わらず嫌な野郎だぜ!!」
「トンロー君相手の挑発には乗らないよ!!」
セイズにむかっ腹を立てるトンローをレニキスが落ち着かせる。
「あ、分かってるよレニキス。」
トンローはそう言うと相手チームのもう1人の前衛に目を向ける。
「シニエスター・バルコー見た目的には力がありそうだけど俺よりアタック力は低かったな。」
トンローはシニエスターに向かって戦闘態勢をとった。
「トンロー・オーズ俺が気にしてる事を言いやがったな・・・今俺の本当の力を見せてやるぜ!!」
シニエスターはそう言うと斧を勢いよく振り上げた。
「隙あり今の内に攻撃だ!!」
「トンロー君ちょっと待った!!!」
シニエスターの懐に攻め込もうとしたトンローをレニキスが待つように叫ぶ。
「!!!何!!!!」
「くらえこれが俺の本当の力だ!!!!」
ズガゴォーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!
シニエスターが振り下ろした斧の一撃がトンローとレニキスを分断するように陣地を真っ二つに分けさせた。
「しまったトンロー君と僕を完全に1人にそして1対1にさせられた。」
「それじゃシニエスターそっちの豚人君の相手は任せたよ。」
「言われなくてもそのつもりだセイズ!!」
セイズとシニエスターがそれぞれアイコンタクトを取りながらそうつぶやいた。
「くそトンロー君とりあえずシニエスターの方は君に任せる!!」
「よそ見をしている暇なんかあるのかレニキス・フェーゼル!!」
トンローに指示を出すレニキスに対してセイズが攻撃をしかける。
「弱流電流!!!」
レニキスがすかさずセイズに雷属性の魔法で攻撃する。
「おっと危ない!!」
セイズがそう言いながらレニキスの魔法攻撃をかわす。
「レニキス・フェーゼル、ケシュリがお前の事を話すと急に機嫌が悪くなるんだよ。つまりケシュリはお前の事を魔術師として認めてるんだぜ。その実力を試させてもらおうじゃないか?」
「そうか・・・ケシュリさんにそう思ってもらってるって事はある意味喜ばしい事だと思うよ。ただ僕としてはセイズ君、君と1体1にされる方が正直苦しいんだけどね。」
セイズの言葉を受けながらレニキスが苦笑したようにつぶやく。
「だぁーレニキスそいつ嫌な奴だけど実力はそこそこあるぞ。気を付けろよな。」
「ごめんトンロー君とりあえずシニエスター君を倒し陣地内に攻め込んで行ってくれ!!」
「分ったよレニキス。さあ斧使い野郎シニエスター勝負だ!!」
「かかってこいトンロー・オーズ!!!」
こうしてスペシャルチームファイトの前衛戦が行われ始めたのであった。
「よし前衛は計画通り1対1ずつに分断させる事に成功したようだな・・・。」
「キリシュそれじゃおいらたち中衛隊も行動を開始するんで良いんだよな?」
「あーロビオそれで構わない。」
ロビオの言葉にキリシュがそう言って頷く。
「よしそれじゃ前衛でシニエスターとセイズが1対1で対戦している間にうまく中衛に入り込みますか?」
ロビオはそう言うと何やら行動を始めるのであった。
「うんどうやらあのシニエスターって言う斧使いによってトンローとレニキスがそれぞれ分断されちまったみたいだね・・・」
「ケッシュさんの言う通りどうやらそのようですね。援護しにいった方が良いか迷いますね。」
「いやここでアタイらが動いたら向こうの中衛陣、ロビオとキリシュが攻め込んで来た時にあっさり進撃を許してしまうよ。それに・・・」
「それに・・・?」
「あんたほどの水属性の回復魔法が使える僧侶がいないといざって言う時困る事が出てくるよ。」
「ケッシュさん・・。」
「だから今はここで待機して向こうの中衛陣が攻め込んで来るのを足止めするよ。」
ケッシュはそう言うと後衛で栄光旗を守っているエッジに声をかけた。
「エッジ、ロビオはともかくキリシュの奴はアタイでも止めるのが難しそうだ、もし攻め込まれたらレティシアと2人で何としても栄光旗を守り抜くんだよ。」
「わ・わかった!!ケッシュアドバイスサンキューな。」
「ケッシュさんてたまに失礼な事言いますけど基本良い猫人なんですね。」
「き・基本的とはなんだ!!基本的とは!!。」
レティシアに言われ機嫌をそこねて反論するケッシュ。
そうだ・・・スペシャルチームファイトはまだ始まったばかりだ・・・
全員の様子を見ながらそう肝に銘じるエッジなのであった。