サバイバル実習上位10名発表間近
「うえー終わった。」
「トンローまだ分からないじゃないか。」
「そうですよトンローさんマジックの間の試験で魔法をギリギリ一回しかだせなかったからってリタイアはまぬがれたんですから。」
「まあアタイはなんとなくそうなる事は分かってたから別に特に驚きもしないがな。」
5つ目のラックの間の試験を終え、すっかり意気消沈しているトンローをエッジ、レティシアが慰め、ケッシュは想定の範囲内と言った形で欠伸をしている。
「みんなどうやらラックの間の試験通過したみたいだね・・と言ってもラックの間の試験を受けてリタイアした参加者は1名もいない理由だけど。」
レニキスがそう言って4人に声をかけた。
「レニキスあんたのいった通りラックの間に通されてから特に何も起こる事はなくただ時間が経過して
試験終了になったよ。」
レニキスに対してケッシュが真っ先に自分たちの試験の様子を伝えた。
「それにしてもラックの試験て一体何だったんでしょうか?私今一よくわかりません。」
レティシアが正直謎ですねといった感じで答える。
「レニキスさんはスピードの間の試験は無事に通過したんですよね?」
「あーそれなりの結果は残せたと思う。」
エッジの問に対してレニキスは手ごたえはあったと言う感じで答えた。
「それよりトンロー君は相変わらず意気消沈している感じなのかい?」
レニキスがトンローの方を見ながら3人に訊ねる。
「え、えー何とかマジックの間で発動系魔法をぎりぎり一発だけ発動出来てリタイアしなずにすんだらしいんですけど、もう上位10位は絶望的だって意気消沈してるんです。」
「トンローさん、ラックの間にいる時も物凄く落ち込んだ感じで大変だったんです。」
エッジとレティシアは口々にレニキスに説明した。
「そうか・・・まあトンロー君気を落とすなよ。全ては総合力で判断される理由だし1番最初のアタックの間の試験でメカロボットを後一歩のところまで再起不能に追い込んだんだし可能性は十分にあると思うよ。」
レニキスはそう言うとトンローの肩に優しく手を置いた。
「いやー君たち。」
セイズがそう言いながらこちらに向かってやってきている。
「あーセイズ、アタックの間ではどうも。」
すかさずケッシュがにやりとセイズの方を向いて笑う。
「な・ケッシュ何をそんなにやりと笑っていやがる。」
「セイズ君、ケッシュさんから話は聞いたよ。ケシュリさんのアタックの間のメカロボット再起不能記録を大幅に更新されちゃったんだって?」
レニキスが嫌味なくさらっと言ってのけた。
「ぐぅなんだ貴様その嫌味のないさらっとした言動は。」
「セイズちょっと黙ってるです。」
怒りを露わにするセイズの後ろからケシュリが姿を現し前に出る。
「ケッシュ・リマ正直弱い者と見限ってた事訂正するです。」
「はん?別にアタイはどっちでも構わないよ。セイズがアタイらの事をライバルとして認めてていてくれた事には正直うれしさも感じてるんでね。ただ・・」
「ただ・・何です?」
ケッシュの発言にケシュリが疑問で答える。
「そのライバルの中にあたいのペアファイトのパートナーだったトンロー・オーズの名前がなかった事が少し頭にきてはいるけどね。」
「えっケッシュちゃん?一体何の事?」
セイズとケシュリ、そしてレニキスとケッシュの一連のやりとりがわからずトンローが今にも思考がショート寸前状態になっている。
「トンローあんたは考えなくていいよ。」
「そうだよトンロー君」
ケッシュとレニキスが思考がショート寸前のトンローに対して大丈夫だと言うように声をかけた。
「サバイバル実習参加者の諸君5つの試験を通過した者は全てこの場に戻って来たかな?」
エッジたちが戻ってきた戦旗場に試験官長ヘンドリックと副試験官4名が現れた。
「サバイバル実習ランクD5つの試験全てを通過したのは参加者112名中68名。まあ我々が予想しているよりは多くの者が残ったと言った感じだな。」
ヘンドリックは淡々とした感じでそう述べた。
「それではこの場にいる者が気になっているサバイバル実習ランクDの上位10名の発表に移りたいと思う。」
ヘンドリックのこの言葉に戦旗場内の空気が張り詰めた感じになる。
「いよいよ発表か・・・。」
そう思うとゴッツイが話してくれた事が脳裏に過るエッジなのであった。