サバイバル実習試験対策会議 エッジ サバイバル実習ガードの間
いよいよサバイバル実習の開会の挨拶が行われた。
国王の参加者への労いの言葉、そして試験官長のヘンドリックから詳しいサバイバル実習の内容が伝えられる。
そして最後に国王からある言葉を復唱するように言われた。
栄光旗~グロォーリィーフラッグス~の元に・・・と。
「よっしゃーそれじゃ早速試験を受けに行くとするか!!」
トンローが早速試験を受けに向かおうとした。
「ちょっと待ちなトンロー。」
試験を受けに向かおうとするトンローに対してケッシュが待ったをかけた。
「さっきくわしく説明が合った通りこのサバイバル実習は個人個人がどの試験から受けるか選べるようになっている。それプラス試験中の情報のやり取りは自由に行っても良いとも言われている。」
「なるほど、それぞれが得意な試験から受けて情報交換するって理由ですね。」
ケッシュの言葉にレティシアが頷く。
「その通り、最初から全員が同じ試験を受けて戦闘不能、失格、リタイアしたら元もこもないからね。」
「そ・それじゃそれぞれが別々の試験にばらけて得意な順に受けていけば良いって事だよな?」
「あーただし、それぞれが失格にならない事が前提だけどね。」
「わかったそれじゃケッシュの言う通り皆それぞればらけよう。ところで誰がどの試験を受ける?」
エッジはそう言うと3人の方を見回した。
「アタイはスピードの試験を受けるよ。」
「それじゃ私はマジックの試験を受けますね。」
「トンローお前はどうする?」
「はっ!!訊くまでもない攻撃は最大の防御つまりアタックだ。」
トンローが自信満々の顔で答えた。
「分ったそれじゃ俺はガードの試験を受けるよ。」
「どうやら決まりみたいだね。よく分からないラックは最後に全員で受ける事で・・・」
「あ・あのーちょっと良いですか・・・」
ケッシュの言葉にレニキスが割って入ってきた。
「うん?なんだい金髪眼鏡君?何かアタイらに言いたい事でもあるのかい?」
「あの僕は皆さんとはほぼ初対面ですし信用もないと思いますが、もしよろしければ僕がラックの試験を受けて来ますよ。」
「!!!!。」
レニキスの言葉に4人は驚きを覚えた。
「ちょっと待てレニキス、ラックの試験を一番最初に受けるって本気か?」
「レニキスさんとおっしゃいましたね。それは私たちに協力して下さると言う事ですか?」
「は・はい。そうすれば5つの試験のそれぞれの情報を得られる確率も上がりますし、上位10名に入れる確率も高くなると思うんです。」
「はぁ?レニキスとか言ったなそうやって俺たちの上位10名に入る可能性を少しでも低くするつもりだろう?その手には・・・」
「トンローアンタ本当にアホだね。そのためにわざわざ良く分からないラックの試験を1番最初に受ける事にしたって何の得があるんだい?」
ケッシュはそう言うとレニキスの方をじぃーと見た。
「レニキスとか言ったっけ?アタイはあんたの事信じるよ。」
「私もレニキスさんの事信じます。」
ケッシュとレティシアが口々にそう言った。
「ふ・2人がそう言うのならそれで構わないよ。ただし失格とかになるんじゃねーぞ。」
「レニキスありがとな。」
「いえ・・・みなさんほぼ初対面の僕の意見を取り入れてくださって本当にありがとうございます。」
レニキスはそう言うとうれしそうにエッジ達に向けて頭を下げた。
「よし、それじゃみんなそれぞれの試験が終わったらここで落ち合おう。」
「はい!!エッジさん。」
「燃えてきたぜー!!」
「それじゃ一先ず解散だね。」
「皆さんの有利になる情報きっと仕入れて来ます。」
こうしてエッジたちはそれぞれの試験が行われている部屋へと向かうのであった。
試験会場 ガードの間
「ここがガードの試験会場か一体どんな事をやるんだろうか?」
エッジはそう言ってあたりを見回した。
ガードの試験を最初に選んだのはエッジを含めて32名だった。
「なんだかわかんねーけどよこのサバイバル実習ってとんだ肩透かしだよな。」
「サバイバル実習強化費とか言っていろいろと買ったけど何のために使うのか理由がわからないぜ。」
参加者の中からそう言った声が聞こえてくる。
「ようこそサバイバル実習ガードの間へようこそ。」
突如どこからともなくヘンドリックの声が聞こえてきた。
「なっなんだ?いったいどこから声が聞こえて来てるんだ?」
「てか試験官たちがどこで点数をつけるんだよ?」
「そもそも5つの試験会場を5人がそれぞれ全員分見て点数着けるなんて無理だべ。」
参加者の中からそれぞれざわめきの声が上がる。
「それでは只今より試験を開始する。」
「あっ!!おい質問に答えろ。」
「!!!おいなんかこっちに向かって飛んでくるぞ!!」
「な!!」
「うわー!!」
何かが飛んできたかと思うと2人の参加者がその場に倒れこんだ。
「あ、あれは弓矢だ。」
「32名中2名ガード失敗リタイア。」
「おいマジかよ。」
「とにかくあの弓矢をガードするってのが試験内容みたいだな。」
「こ・これがサバイバル実習ガードの試験・・・」
エッジはそう言うと気を引き締めて警戒体勢をとるのだった。