それぞれの時間 ケッシュ&トンロー編
サバイバル実習に向けてケッシュとトンローはそれぞれの時間を過ごしていたのだった。
サバイバル実習3日前
「サバイバル実習で測られる5つの項目の内アタイが成果を上げられそうな項目はスピード、逆に不安なのがアタック、ガード、マジック。ラックに関してはいまいちよく分かんないね。」
居酒屋ストマックハングリーの借り部屋でケッシュが何やらぶつぶつつぶやいている。
「それを補うためにポイズンナイフとスモールボウ二つの武器を買ってアタックとガードに備えた。」
ケッシュはさらに呟きながら武器屋で買ったポイズンナイフとスモールボウを自分のベッドの上に置いた。
「武器を二つ買ったため防具はシルクローブと弱冠頼りないと言えばそうなる。ただしその代わりに。」
ケッシュは最後にあるものを取り出した。
「魔法のアクセサリー マジカルウィンドスター。これのために最後まで1万グロウ残していたんだ。」
ケッシュは星の中に竜巻があしらわれているアクセサリーを手に取った。
「エッジの奴はあの淫乱エルフから500グロウのラブフレイムブレイドのアクセサリーをプレゼントされてた。そしていろいろな点においてエッジ自身にあったアクセサリーだったから安値の割に相当な属性魔法強化につながっていた。」
ケッシュはそこまで言うと一旦黙り込みそしてニヤッとした表情を見せた。
「しかしこのマジカルウィンドスター生まれ持った魔法属性が風であるアタイに相性がよくおまけに値段が値段なだけにそれ相応の付加価値が着いてくる。今までアタイは属性魔法を纏うのは出来たけど魔法そのものを発動させるのは正直大の苦手だった。でもこれならマジック対策としても十分すぎるくらいの準備は整っている。」
ケッシュはマジカルウィンドスターを自分の首にかけるとシルクーローブを纏いポイズンナイフとスモールボウを抱えこむと立ち上がった。
「よしとりえあず実戦に向けてどこかで武器の使用と属性魔法をためしに行くか。」
ケッシュはそう自分に言い聞かすとそのまま借り部屋を出るのであった。
「おいトンローお前って奴はほんと考えなしだな。」
トンローの父親のホオブウが呆れたような顔をした。
「な・なんでそんな顔をするんだよ。良い装備品揃えるとしたら1番高いものを買った奴が有利になるに決まってるだろう?」
ホオブウの言葉に呆れ顔にもトンローは全く問題ないと言った態度をとっている。
「それじゃ親父俺自分の部屋で装備品の確認をするから先に飯食ってていいぞ。」
トンローはそのまま自分の野菜畑クリアフレッシュの傍に立っている自分の部屋へと入って行った。
「はぁー全くしょうがない奴だ・・・でもまあアイツらしいと言えばアイツらしいな。」
自分の部屋へ入って行くトンローを見ながらホオブウはしょうがないなと言った感じで笑うのだった。
「さてサバイバル実習で俺が成果が出せそうなのはアタックだ。そのためにこのアイアンナックルを買ったんだからな。」
トンローは自分の買ったアイアンナックルを両腕につけてみた。
「いや我ながら言いなじみ具合だ。ガードもチェインメイルで固めたしガードに関しても完璧だ。」
トンローはチェインメイルを来て鏡の前でポーズをとった。
「そして極めつけはこれだ!!!」
トンローは大きな声で叫ぶとあるアクセサリーを取りだした。
「アクセサリー レインズストーン、残っていたのが5000グロウしかなかったらこれしか買えなかったが主に土属性の魔法を身に纏って強くする俺に対しては中々相性の良いアクセサリーだ。」
トンローはレインズストーンを右腕に着けた。
「まあアイアンナックルが少し重めだが俺は日ごろ足腰も鍛えてるからスピードも多分大丈夫だろう。ラックに関して言えば対策はしていないが薬屋で一番高い奴を買ったし問題ないだろう。」
トンローはそう言うと大声で笑うのであった。
「こらー!!うるさいぞトンロー!!」
部屋の外からホオブウの怒りの声が聞こえる。
「さてイメージトレーニングでもやって起きますか。」
そんなホオブウの怒りの声もトンローには全くとどかないのであった。