人間、エルフ、亜人種、みんな仲良し!!
フェイワーズの魔王と勇者の歴史の真実の話をレティシアから聞かされ戸惑うエッジ。
しかしエッジ以上にその話を聞きたいと言っていたネクトがすっかり元気を無くして黙り込んでいた。
レティシアはネクトの事を一番分かるのはエッジだと言いエッジにネクトの話し相手をたのみ、エッジはネクトの元へと話しかけに行くのであった。
「あっ!!ネクト君、エッジ君2人で何を楽しんでたのかな?」
エッジ君って・・・今日の俺はレティシアの中ではそう言う位置づけらしい。
「はーい!!それじゃ今度はレティシア先生から皆に伝えたい大切なお話をしてあげる。」
「はいレティシア先生大切なお話って何ですか?」
子どもの1人がすかさずレティシアに質問した。
「みんな私は何て言われてるかしら?」
レティシアは全員を見回しながら訊ねた。
「エルフ!!!!!」
子どもたちは勢いよくそう答えた。
「その通りそれじゃエルフの他には人間以外にどう言う種族が存在しているでしょうか?」
「亜人種豚人オーク!!」
「亜人種猫人ケットシィー!!」
「亜人種じゃないけどたしかドワーフとかもそうだっけ?」
子どもたちに交じりエッジも一言答えを述べた。
「そう、みんなの言う通り世の中には人間以外にもエルフやドワーフ、さらに亜人種も存在しているわね。」
「うんだけど私たちレティシア先生とセオン様がエルフって言うくらいで他の亜人種の人たちとは会った事がないよ。」
「そうだよな、会ってみたい気がするけど正直ちょっと恐いかも知れないよな。」
やっぱレティシアがエルフだって知ってるこいつらも亜人種とかと遭遇した事は少ないんだろうな。
「みんなの言うようにたしかに私みたいに身近な存在じゃない亜人種の人たちに抵抗を持つ事は当然かもしれないわね。」
レティシアはそこまで言うと深呼吸するとこう続けた。
「そんな事で今日は特別に私の知り合いの亜人種の人たちを呼んでいます。」
えっレティシアちょっと待て知り合いの亜人種の人たちってまさか。
レティシアの言葉にエッジはなるほどねと頷かずにはいられない気持ちになった。
「やーみんなこんにちは俺は豚人のトンローって言うんだぜ。野菜畑クリアフレッシュでとれた新鮮な野菜をみんなの家にも届けたりしてるんだぜ。」
トンローはそう言うと元気よさそうに登場した。
「クリアフレッシュに私の家野菜頼んでるわ。」
「噂ではホオブウさんて豚人の人が経営をしてるって言ってたけどまさかほんとだったのは驚きだ。」
子どもたちはそう言うとトンローの方へと寄って行った。
「この豚やろうアタイの前に突っ立ってるんじゃないよ。」
子どもたちに寄られて上機嫌のトンローに文句を言うケッシュの声が聞こえた。
「あ・猫人さんだ。」
「にゃにゃんだい?」
子どもたちにじぃーと見られて戸惑ったような顔をするケッシュ。
「わーい猫人さん肉球プニプニさせて!!」
「ちょちょっとまってにゃあーん」
子どもたちから逃れようとするケッシュだったが子どもたち全員い身体を押さえつけられ肉球をプニプニされて身動きが取れない状態に陥っている。
「あー私も猫人さんの肉球プニプニしたい。」
「おーれもおーれも。」
トンローの方へ寄っていた子どもたちも一気にケッシュの方へと興味を移した。
「えっちょっとそりゃないよー。」
トンローはしょぼくれ顔で俯いている。
「はっはっはお生憎様だな。トンロー。」
エッジは笑いながらすかさずトンローの方を見た。
「うるさいぞエッジ。こっちはせっかくレティシアちゃんとケッシュちゃんとダブルハーレムデート出来ると思ってたのになんでお前がここにいるんだよ。」
なるほどこれも最初からレティシアが考えていた筋書きだったって事か。
レティシアの奴もしかしてセオンさんと同じで意外とドS気質かもしれないな。
心の中でそう思い始めるエッジなのであった。
「あのトンローさんって言ったっけ?」
突如ネクトがトンローに話しかけた。
「見たところ身体つきがしっかりしてるけどやっぱり日ごろから鍛錬してるんですか?」
おい待てネクトなんで俺の事はほぼエッチ呼ばわりなのにトンローにはさんを付けるんだ?
そんなエッジの心の声も虚しくネクトはトンローの方に興味深々な眼差しを向けている。
それを知ってか知らずかトンローはニヤリとした表情を浮かべる。
「その通りだよ少年。いついかなる時があったとしても良いように日ごろから仕事で鍛錬をやってるんだ。」
「やっぱりそうなんですね。俺もトンローさん見習って日々鍛錬しようと思います。」
「おいネクトそんな豚人のマネしても強くはならないぞ。」
「うるさいエッチは黙ってろ。」
「なっ!!こら待てネクト!!!」
「トンローさんエッチが俺の事いじめるよぉー。」
ネクトがすかさずトンローの後ろに隠れた。
「おいおい子どもをいじめちゃいけないよエッチ君。」
トンローはさも愉快そうに大声で笑うのであった。
「ふぇふぁふにゃー。」
一方その頃子どもたちのケッシュいじくり回しがようやく一息ついていた。
「はーい、みんな分かった猫人は肉球をプニプニされると力が抜けるのよ。」
レティシアがそう言いながら微笑ましそうにケッシュの方を見ている。
「って事で順番が逆になっちゃったけど、この2人が私の亜人種の仲間、トンローさんとケッシュさんよ。」
「レティシアあんたいつか覚えてろよー。」
さらっとした顔して紹介するレティシアに対してケッシュが睨みつけた顔をした。
「まあまあ機嫌を直してケッシュさん。ところでみんな今日亜人種の人たちと交流してみてどうだった?」
「めちゃくちゃ楽しかった。」
「人間もエルフも亜人種もみんな仲良く出来るんだね。」
子どもたちは口々にうれしそうに答えた。
「はいそれじゃ辺りも暗くなってきたからそろそろ晩御飯の時間ね。みんな今日はフェイワーズ教会でセオン様がみんなのために料理を作ってくれてるのもちろん食べて行くでしょう?」
「行くー!!!」
子どもたちが一斉にそう答えた。
「3人にもぜひ来てほしい。」
喜ぶ子どもたちを見ながらレティシアはエッジ達の方を見た。
「レティシアちゃんのたのみなら喜んでぇ!!」
「せっかくの晩御飯だから仕方がないから行ってやんよ。」
欲情するトンローをケッシュが蹴飛ばしながらそう言った。
「俺ももちろん参加させてもらうよ。今日1日でいろいろな事を知る事が出来たし。」
「それじゃみんなレティシア先生に着いて来なさい。」
レティシアはそう言うと上機嫌で子どもたちをフェイワーズ教会の方へと導いて行くのだった。
こうしてエッジは、その後ろをトンローとケッシュと一緒に歩いて行くのであった。