キンリーン王国フェイワーズ教会
旗戦闘~フラッグスファイト~ソロファイトデビュー戦にかろうじで勝利を収めたエッジ。
しかし精肉店ブラッドマッスルに戻ったゴッツイに自分とキワメがトンローが最初から土属性の魔法を使える事を知っていて試合を組んだと説明を受ける。
さらにエッジはこのフェイワーズに生を受ける者には1人につき最低1つの属性が存在すると言う事とその中で火、水、土、風、雷の五つをフェイワーズ基本五属性と言う事を知る。
自分も属性魔法が使える可能性がある事に期待を膨らませるエッジ。
そんなエッジをゴッツイがある所へと連れて行ってやると言う事で、翌日朝一でエッジはある場所に向かう事になった。
「おいここって教会じゃないか!!」
翌朝エッジがゴッツイに連れてこられた場所はキンリーン王国内にあるとある教会だった。
「エッジちょっと待ってろ。」
そう言うとゴッツイは教会の中に入って行った。
「おーいセオンいるかぁー。」
教会の中でゴッツイがある人物の名前を呼ぶのが聞こえる。
「その声はゴッツイですね。ちょっと待ってて下さい。今行きますから。」
ゴッツイの呼びかけにこたえる声がした。そして数分後
「おうエッジお前に合わせたかった人物を連れてきたぞ。」
教会から出てきたゴッツイがニヤッと笑った。
「連れてきたって誰もいないじゃないか?」
たしかに教会に入っていったゴッツイの呼びかけに反応する人物の声は聞こえた。しかし教会から出てきたのはゴッツイだけでその後ろには誰もいない。
「私なら後ろにいますよ。」
突如自分の背後に気配を感じエッジは慌てて振り返った。
「やあ初めましてエッジ・ラングスタン君私はこのキンリーン王国のフェイワーズ教会で神父をしていますセオン・ディグラクトと申します。」
そこには白い縦長の僧侶が被るような帽子をかぶって眼鏡をかけた歳の頃はゴッツイより若干若いであろう男性の姿があった。
「あ・あんたいつの間に俺の背後に・・・ってかなんで俺の名前を知ってるんだ。」
エッジは慌ててセオンの方を見ながら戸惑いを浮かべた。
「あーそれはですね。私が昨日のあなたのソロファイトを見ていたからですよ。」
慌てているエッジに対してセオンはにこやかな笑顔で答えた。
昨日の俺のソロファイトを観てただって?自分で言うのも何だが昨日の会場には人はほとんどいなかった。ましてや真面に観戦してるのなんてゴッツイといっしょに会場まで付き添っていったキワメくらいしかいなかったはずだ。
「あーすいません。言葉が足りませんでしたね。私が見てたのは会場ではなくこの水晶球です。」
セオンはそう言うと懐から水晶球らしきものを取り出した。
「いやね。数日前にゴッツイから自分の弟子が近々旗戦闘~フラッグスファイト~のソロファイトデビューをするからその様子を水晶球で見といてくれと頼まれましてね。」
セオンはそう言うと笑顔を浮かべながらマイペースで説明をした。
「ちょっと待てゴッツイ、あんたキワメのじいさんだけじゃなくてこのセオンって神父にも俺が旗戦闘~フラッグスファイト~デビューする事を伝えてたのか?」
「うん?まあな。お前が魔法属性の事に興味を持つと思って前もって手を打っていたんだ。」
ゴッツイはそう言うといつものように豪快に笑った。
「魔法属性ですか・・・それなら丁度よい相手が・・・」
「セオン様果実園のリンゴの収穫終わらせてきました。」
セオンが口を開いたとほぼ同時に遠くからリンゴをたくさん抱えてこちらにやってくる見た感じエッジと同じくらいの年頃の少女の姿があった。
「レティシアご苦労様です・・・ご苦労様ついでにあなたに会わせたい青年がいます。」
「わかりましたセオン様!!っと」
次の瞬間!!レティシアと呼ばれた少女はバランスを崩してこちらの方に倒れて来る。
「えっ!!」
「きゃあ!!」
レティシアと呼ばれた少女はエッジの上にうつ伏せになるように倒れこんだ。
「いてててて。」
痛みの衝撃に耐えながらもエッジは立ち上がろうとした。
「あ・あのすみません大丈夫ですか?」
突如上からレティシアと呼ばれし少女が心配するような声が聞こえる。
「うん?なっ!!」
見上げたその先にあった光景にエッジは驚きを露わにした。
エ・エルフの美少女だと。
これがエッジの初恋の物語?もとい運命の出会いの始まりだった。