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名族朝倉家に栄光あれ  作者: マーマリアン
良き結末とその覚悟
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第38話 長い1日~スリーアウト?まだ一球残ってる



1545年 10月



「では次は美濃の者から初めましょうか」



「明智十兵衛光秀為る者。明智郷なる明智一族が住まう場所に居りまして探すのは容易でした。文武に優れ和歌を嗜むとか。そのため将来も渇望されている若者です。今は実父を早くに亡くし明智光安と言う叔父に引き取られたとのこと。ですが彼の者はお辞めになった方が宜しいかと」


「何故だ?」

本当に何で?色んな資料に残ってるように陰険そうなのか?



「彼の者の叔母は小見の方にございます」



あぁ、それは無理か。



婚約の話があったときに調べたが小見の方は道三の今の正室だ。

俺の許嫁は側室である深芳野の方の娘だ。俺は道三の義理の息子、あちらは道三の甥になる。正室と側室に縁を持つ俺達だが、正室の甥なんてエリートコース一直線だろ。敵が多く、商人上がりの道三にとって身内は貴重なはずだ。

才能もあるなら尚更手放さない。


光秀は無理だろう。


謀反人として、また織田家の出世コースに途中参加にも関わらず重臣になった有能である人物が来ない。安心したのか悔しいのか分からないが心がむず痒い。切り替えよう。


「では次だ」



「竹中半兵衛重治為る者。残念ですがその様な名前の者は居りませんでした。」



そうか、まだ生まれて無かったのか。

明智と半兵衛はフルネームで覚えてる数少ない武将だったのに。定期的に探して見るか?竹中を名乗る者達を。いずれは出てくるかもしれん。

「また、美濃では竹中氏とその源流である岩手氏、彼等の殆どは今回美濃から割譲される大野郡に属しています。それに竹中氏は道三に近い関係でもあります。仮に見付けたとしても我等に怨を抱いてるのではないかと」



これは厳しいな。


今が本当に1545年だとしたら、約20年後に彼は信長が美濃を取る直前に秀吉に仕官していた。

それ以前の半兵衛の名を高めた稲葉山城の乗っ取りを始め、その時期が栄光の最初期だ。どの媒体の作品でも若いイケメンだが、秀吉に仕官した時期は本当に若かりし時だったのだろう。



信長の美濃攻略が、大体今から約20年後のはずだ。

となれば生まれるのは正確には分からないが近年だろう。半兵衛という通名もあるから10年後ぐらいに探させようか。

それ以前に、朝倉が美濃大野郡を手に入れた時に転封した景鏡派による弾圧で死ぬかもしれないが。



そもそも美濃の今後10年は俺達によって荒廃している可能性が高い。

今は道三と頼純が手を組んだから落ち着きを取り戻しているようだが、朝倉は加賀を獲った後は美濃を獲る予定だ。何年後かは分からないが、あの蝮が健在だった場合は加賀を得た朝倉と美濃を掌握した蝮がぶつかる。それによって美濃は大いに荒れるだろう。



史実で道三を討った義龍も今は尾張で生活し、道三との親子の縁を切った。内乱は期待できない。織田信秀が外から義龍と頼芸を使って何らかのアクションを起こすかもしれないが、頼純を駒に持つあの蝮がそれを許すはずがない。

史実での内乱は義龍が斎藤家にいたから成功したのだろう。


「道三が近くにいて、美濃を守護を擁立しながら掌握し、最大の不安要素である義龍が居ないなんて恐ろしいな...」

鷹瑳に聞こえない様に呟いたが本当に恐ろしいと思う。何やらとてつもないヤラカシを行った様な気がして、背筋がひんやりする。



ともかく侵略者である朝倉に親から弾圧の恨みを受け継ぐであろう半兵衛は簡単に靡かないだろう。



「なるほど。分かった、今は探さなくていい。また占うことにする。それを待っててくれ」



総評すると今は無理だ。半兵衛が出てくるのもだいぶ先だろうし、先祖の土地を奪った朝倉を嫌っている可能性もある。


もし仮に

色々と仮定的な話になるが、朝倉が美濃を将来的に奪ったとして、その時に竹中氏の復領を認めれば靡いてくれる可能性はあるだろう。だがそれもかなり先の話だ。

今の状況で丸ごと岩手氏と竹中氏を取り込む手もあるが、彼等には景鏡派と争う役目がある。これをやらないと越前大野郡は掌握できない。



うーん、今打てる手がないな。()()()()()()()が世に出てから考えるしかないだろう。




はぁ?

と鷹瑳は得心の行かない顔をしながら俺の答えに了承した。俺が占いを外したことが意外なこと思っているのか?

悪いけどこれはインチキだ。しかもこれからは歴史が変わってきたせいで占いの的中率も下がってくる。今後は鷹瑳のそんな顔を見るのが多くなるかもしれないな。




「俺だって占いを外す時もある。当たるも八卦、当たらぬも八卦よ」

と苦笑いで話す。

生きててこんなセリフ言うとは思わなかった。



「分かりました」

と、まだ納得していない様子の鷹瑳だったが、俺が次の者に気持ちを切り替えていることを見ると、鷹瑳も続いて次に進む。




「蜂須賀小六でしたな。在所は美濃ではなく尾張でした。彼の一族は総出で道三に忠誠を誓っているようです。なのでこの者もお辞めに為られた方が宜しいかと」



蜂須賀も道三シンパか。つくづく厄介だ。というか道三シンパが多いな、信長の部下は。

だが義龍がそうさせたのか。道三を討った義龍と、道三と仲の良かった信長だ。道三シンパは信長に仕えやすかったのだろう。



それにしても美濃は全滅か。無駄骨を折らせて、無駄金を使わせてしまった。父上達も調べてくれた調査員にも手間を掛けさせてしまったな。



仕方ないが吹っ切れよう。

次の地域に行くか。と話そうとした時に鷹瑳が声を資料を見ながら声を掛ける。



「それともう1つ。尾張の話と繋がるのですが、尾張に居ると思われた者が美濃に在住していたようです」



六郎は竹中半兵衛が岩手性を名乗っていたことを知りません。


また史実では宗滴が美濃を荒らし、道三が稲葉山城に立て篭もったので、城下町である加納口の町にまで炎上しました。

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