第2話 最後は凄い負け組。は嫌なので決意。
甲斐で父親を追放した晴信なんて信玄さんしかいないじゃん...
もう確定です。はい。
という事で我が家が織田信長に滅ぼされる越前朝倉家であることは分かった。
戦国時代の朝倉家と言えば、「北の京」と呼ばれる程に栄華を極めた一乗谷を本拠地に、越前(今の福井県)一国を支配する大名家である。
信長包囲網を形成する要の一大勢力でもあったのだが、油断や連合軍との不和により信長の前にいち早く破れ去った。
おかけで時の当主であった朝倉義景を含む朝倉家の後世の評判は、お世辞を言おうにも頭を捻る時間が必要な位に高くない。
ハッキリ言って将来性なんか無いと思う。
輝かしい未来なんて何処にもなく、輝くのは燃える一乗谷の炎の事だったらしい。
とりあえず集まった情報から推測すると、現在の将軍が12代目ということや信玄の家督相続の関係から今は西暦でいう1540年代なのだろう。細かい年代はわかんないけど。
てことは後、30年近くで俺ん家が焼かれることになんじゃん!ヤバいじゃん!
俺が何者かは分からないが兄ちゃんが朝倉義景ってことは確かだろう。嫡男だし。
だとすると俺は30代という脂身が程よく乗ってる時期に殺されるのか?戦国では敗者の一族郎党は皆殺しが基本だ。当主の近親でありながら赦されて仕官することなんて例外中の例外だ。
例え赦されて仕官出来たとしてもその後は碌に生きれないだろう。裏切り者として他者からは罵られ、新しい主君からはリアルに篭の鳥扱い。幼子なら傀儡にして娘を当てて取り込むメリットがあるが中年なぞ支配直後の地域の、反乱の火種にしか見えない。
俺なんてその時は脂身いっぱい乗ってるだろうから良く燃えるだろうな。
なら出奔はどうだろうか?
まず当主の次男坊が出奔を許されるはずもないだろう。弟が沢山いれば可能性はあっただろうが、この戦国において珍しくパピーの番はマミーしかいない。それにラブラブ。
平成の世なら、「超ラブラブじゃん!純愛ステキ~!」何て軽口が言えるが、いま戦国!何で当主が側室作んないの!?
平均とかわかんないけど当主なら5、6人は居るもんなんじゃないの!?
これからの弟に期待したいけどパピーは40半ばでマミーは10歳年下なんだよ。マミーはともかくパピーは何か見た感じ細身で精力的ではないんだ。声はデカイけど。
いやさ、俺らに愛情注いでくれてるのは解るんだけどもうちょい頑張ってくれよ。
目に見える所でイチャイチャじゃなくて目に見えないとこ(床)でイチャイチャしてくれよ!
それと、無理に出奔しても以降の食い扶持を確保出来るかわからないしなぁ。
はぁ~、もうさ、こうなったらやるしかないか。
前世でちょうど30で死んで運良く(?)転生したのに、今世でも30近くで死ぬなんて本当笑えない。
長寿とは言わずとも老衰で家族に看取られて死にたい。乱世では究極の贅沢なんだろうけど前世では出来なかったんだ。目指してもいいじゃないか。
そのために必要なら信長だって...