第18話 父上...あなたがNo.1だ
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1543年 9月
到着予定の8月には間に合わなかったがちゃんと工藤兄弟が来てくれた。正直、ハラハラしていたのは内緒だ。
内藤昌豊こと工藤祐長が一族郎党の代表の兄、工藤昌祐と一緒に挨拶に来た。
そしてその挨拶には父上も来ている。禄は俺が出すことになるが立場は父上の直臣となる。それで俺の占い浪人を見に来たらしい。
藤吉郎の時は見にも来なかったから、やはり藤吉郎を朝倉家に呼ぶのは父上も嫌だったのだろう。藤吉郎も一応は父上の直臣となるが完全に俺に一任している状況だ。
「越前朝倉家当主朝倉弾正左衛門孝景である」
「甲斐の工藤虎豊の子、工藤長門守昌祐で御座います」
「同じく工藤源左衛門祐長です」
厳かに返事を返す兄弟。些か緊張しているようだ。まぁ守護大名と会う機会なんて早々無いしね。
「うむ、遠い伊豆からよう参った」
父上も満足そうだ。俺を見てニヤリとする。これがしたかったのかな?俺に格好良いとこ見せたかったのか?
そうだね。教養の無い藤吉郎じゃ出来ないもんね。
「此度は我等一族をお招き有り難き所存。誠感謝に耐えませぬ」
「良い。招いたのではない。主らは態々(わざわざ)遠い伊豆から遥々(はるばる)来たのじゃ。我が領内に入った時点で我等が家中の者よ」
「ッ!誠に有り難う御座います!」
二人とも泣いてる。しかし父上も心を掴むのが本当に上手い。父上は情けと文化教養を嗜む激情家であり、大名として計算高い処もある。
そしてそれを自分で使い分ける事が出来るのだ。
今回も計算半分、素が半分だろうか。とにかく威厳やら情も計算して使う。魅せ方が上手いのだ。
俺は多少の激情もなく、冷徹な心のみが為政者に必要な物だと思ってたけど父上を見てると激情もやはり必要なのだろうかと思うときがある。
「処で主らの処遇だが、手始めに一族に500貫と丹生郡の北に800石の地を与える。」
「はっ!有り難き幸せ!」
二人して頭を下げる。だけどさ、父上。最近俺も学んで分かってきたけどそれは少ないんじゃないかな?
この時代は貨幣レートがハッキリしていない。
人や時期によって石と銭の値段が変わる。
大まかな計算で俺はだいたい1貫=2.5石が多少の上下すると思っている。
今回工藤一族は約820貫を合計で貰った。だが稲刈り中のこの時期に1貫は3石を越えるんじゃないか?だとすると700石に近に低下するんじゃ?
父上!もう一声お願いします!彼等は勇の者なんですよ!彼等も満足していますが確実に心を掴みましょう!私はもっと稼いでるでしょ!?
「そして、これは内々の話だか近々戦を行う。御主らが功を立てれば加増と褒賞を与える」
心の中で叫んでた俺は黙りなさい!!父上への信頼が足りませんよ!
二人とも目を見開いた。祐長に至っては僅に目の中でギラついている。
「それと総大将は宗滴殿だ。しっかり励めよ!」
そう言って父上は出ていった。俺をニヤニヤ見ながら。
「なんと...」「あの武名轟く宗滴殿と...」
二人とも呟いている。祐長に至ってはギラツいてた目から濁音が取れたようだ。キラキラ輝いている。
一番ここを見せたかったのね。確かに格好いいよ。いや本当に。
あの後に兄弟二人と俺と鷹瑳、景連叔父上と領地や朝倉家のルールについて細かい話し合いをした。二人とも俺の見た目に対しては驚いていたが話している内に落ち着いてくれた。納得してくれたし、改めて占いのことを感謝してくれた。
そんな彼等が武功を立てて、朝倉家に馴染むよう応援しておこう。
名乗り方がこれで良いのか心配です。
また知行に関しても石と貫の変換レートは少し調べたのですが、朝倉家での家臣がどのくらいの知行を貰っているのかは適当です。
宗家の直轄地もどれ程の物か分かりません。今後に分かりやすい資料があれば修正しますが、今はスルーして頂けると助かります。




