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機械仕掛の異世界英雄伝説  作者: 桃芳亜沙華
始まりの物語
11/65

少しずつ、評価というものやブックマークが増えてきてとても嬉しい限りです。

意欲が湧いてきますね。

ブックマークや評価、感想ありがとうございました。

これからもよろしくお願いします!


前書きの方は、これからはこのような形で読んで下さった方への感謝や、報告などに使わせて頂くことが多くなると思います。

後書きの方は、作品内の注釈などに使うと思います。

 私は祭り上げられていた。

 どうして、このような状況になったのか。




 生き残っていた全ての野盗達を縛り上げ、火のついた建物を壊し、消火活動。その時初めて私はちゃんとした魔法というものを見た。

 村人の数人が手を掲げると、その先に直径1m程の水球が生まれたのだ。それを火のついた建物の残骸にぶつけて、消火をしていた。なので私が思ったよりも早く片付ける事は出来た。


 野盗が侵入してきたと思われる破壊された塀も、応急的に塞がれていた。


 そして次に、亡くなってしまった村の人たちの埋葬。一人一人丁寧に集めて、遺族と思われる人達が涙を流す。きっと、その光景を見ながら私も涙を流していたのだろう、と思う。この姿だから分からないけれど、私は泣いていたのだろう。



 そして、夜が明ける。


 村人達も、夜中の襲撃に疲労困憊の様子で、一度休息を取るという事になった。

 私も、肉体的にではなく精神的に疲れていたので休ませて貰うことになった。その時、村の人たちをから一様に感謝の言葉を頂き、また、涙を流していた。


 それに、あの時助けた男の子も、他の子達と一緒に来て、照れくさそうに「ありがとう」と、一言。

 可愛いものだ。

 そういえば、野盗の人達と会話出来た事から、やっぱり言葉に関してはちゃんと通じてるみたいで良かった。



 こうして、私は初めての人との交流は、救世主のような扱いとなってしまった。悪い事ではないのだろうけれど、やっぱり感情的に動いてしまったものは仕方ない。助けられるだけの力があっただけ良かったのだ。うん。


 そして私も無事に残っていた村長さんの部屋の一室を借りて、休憩。その時に化け猿の牙と爪も回収しておいた。

 ここなら、大丈夫かな?


 私は2日ぶりくらいに変身を解き、この世界で初めてのお布団で眠った。

 はぁ……幸せ。肌に触れるお布団の温もりが、今まで張り詰めていた緊張を解し、安心感からすぐに眠気が襲ってきた。それでは、おやすみなさい。


 ……。
















 目が覚めると、外は夕暮れ。

 そしてざわざわと、活気のある村の人たちの声が聞こえてきた。


 ぼんやりと、窓から外を眺める。


 この家の前を行き交う人達が、私に気付くが、なんとも不思議そうな顔をして私を見ていた。段々と人が集まり、完全に私が注目されている。


 私が寝ている間に何かあったのだろうか。



 その時、背後から扉をノックする音が聞こえた。


 「ご客人様、お目覚めですかな?」


 村長さんの声だ。

 私は扉を開き、村長さんと対面する。

 


 「あ、はい。お部屋を貸して頂いてありがとうございました」


 「いえ、村を救ってくださったお方なのです。まだ、これだけでは持て成し足りない程です。それにしても……」


 「はい……?」


 まじまじと、私の姿を確認するように村長さんの視線が動く。が、すぐにハッとしたように視線を戻す。


 「失礼しました。外の者達が話していた通り、まだ若い少女だという事に、驚いてしまったのです。非礼をお許しください」


 そう言って村長さんは頭を下げた。

 そういえば、私って昨日はずっとあの姿で、寝る前に変身を解いて居たんだった。あの姿で居るのも慣れてしまってたから、忘れていた。


 そりゃあ、こんなのが昨日の人だって言われたらおかしいよね。うん。私でもそう思う。私もそう思ってるところが少しはあるんだから。



 「気にしないでください。みなさんの気持ちも分かりますから」


 出来るだけ笑顔で、答える。

 日本人の営業スマイルとは、こういう時に出てしまうものだ。


 「ありがとうございます、ご客人様。丁度これから宴が始まります。ご客人様もどうぞ、ご出席ください」


 宴? なるほど、だから外がお祭り騒ぎしてるのか。


 「はい、是非。よろしくお願いします」









 そうして、私は、まるで神様仏様の如く、豪華な席に座らされて、崇められていた。

 どうしてこうなったの。

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