表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新世界  作者: 新々
73/84

73

「……ごめんね、のりちゃん」

 しばらくして、ちゆちゃんがぽつりとつぶやいた。

「いいよ。もう落ち着いた?」

「うん。でも、私、のりちゃんに謝らなくちゃいけないの」

 そういって半身を起こした。腕を回しているわたしも引っ張られるようにして、身体を床から離した。勢いそのまま馬乗りになる。

「さっきのりちゃんは私に憧れていろいろ集めてたっていってたけど、実はね、けっこう前から気づいてたの。初めは偶然かなって思ったりもしてたんだけど、でもいつも私のこと見てたし、そうなのかなって」

「見てたのも、気づいていたんだ」

「だって窓に映ってるんだもん」

 他にも髪を直す振りをして手鏡で確認したこともあったらしい。

「こんな私のことを見てくれる人がいるんだって、そう思ったら私、なんかすごく嬉しくてドキドキしちゃって……たぶんもうその時から、私、のりちゃんのこと好きだったのかも。もっとのりちゃんに見てほしいなって、そう思ってたから」

 そこでひと呼吸するように一拍置いた後、

「本屋で逢った時のこと憶えてる?」

 と訊いてきた。でも、わたしが答えるより先に、独言どくげんするようにこう続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ