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新世界  作者: 新々
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 それからわたしは入学式の時から今まで、わたしがちゆちゃんのことをどんな風に見てきたか、ちゆちゃんに対してどんなことを思ってきたか、そして、どんなことをしてきたか――すべて洗いざらい話した。

 おそろいを買いに走ったことも。

 望んでいた世界のことも。

 いらいらしたことも。

 ソックスのことも。

 慰めたことも。

 何もかも。

 全部。

 不思議と恥ずかしさは感じなかった。迷いも躊躇ためらいもなかったし、言葉を選ぶこともしなかった。選べるほど語威力がないのもあるけど、それも含めてすべてがわたしだから。

 一週間前も一秒前も今もこの先もそのまた先も。

 すべて同じわたしだから。

 そんなわたしのすべてを認めたいから、認めて欲しいから、隠さなかった。

「どうかな? わたしの好き、ちゆちゃんと同じかな?」

 すべて話し終えた後で、わたしはそう問いかけた。

 ちゆちゃんはしばらく黙っていたけど、同じだよ、と小さくそういった。

「本当に? 本当に同じ?」

「本当に、本当に同じだよ」

 嬉しい、という言葉と一緒に、ぽたり、と温かいしずくが頬に落ちてきた。

 ぽたり、とまたひと滴。つーっと頬から耳へ流れていく。またぽたり。

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